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映画「ドラゴン・タトゥーの女」が巷では公開されています。この作品は原作が世界的なベストセラーとなり本国スウェーデンでも映画化されており日本でも公開されました。私もそのスウェーデン版の映画を見たのですが、とても面白かったことを覚えています。なかでも、天才ハッカーであるリスベット・サランデルのキャラクターは、強烈でインパクトもあり忘れ難いものがありました。ですから今公開されている映画も絶対に見に行こうと思っています。しかし、映画を見る前にベストセラーになった本が文庫化されているので、まずそれを読んでみました。これが映画に負けず劣らず超面白い。こんな面白い本は久々って感じでした。そして著者のスティーグ・ラーソンがその著作の成功を見ずして他界してしまったというのもどこか神話的でもあるのです。
その超面白かった本「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」に、私が最近の中で最もユニークなキャラクターと感じているリスベット・サランデルが登場する部分がどんな表記になっているのか?その部分を引用してみました。
《アルマンスキーには、いちばん腕のたつ部下が、髪を極端に短く刈り、花と眉にピアスをつけ、拒食症かと思うほどにやせた青白い娘である、ということがいまだに不思議でならなかった。彼女は首に長さ二センチのスズメバチのタトゥーを入れ、さらに左の二の腕と足首のまわりにも帯状のタトゥーをしている。彼女がタンクトップで出社したとき、アルマンスキーはその肩甲骨にいっそう大きなドラゴンのタトゥーがあるのを認めた。もともと赤毛の髪は、カラスのような漆黒に染められている。いつ見ても、ハードロックのミュージシャンと一週間、乱痴気騒ぎを続けた直後のような様子だった。
実際には、彼女は摂食障害に苦しんでいるわけではないーアルマンスキーはそう確信しているーそれどころか、あらゆるジャンクフードを食べまくっているらしい。やせているのは単に生れつきなのだ。骨のつくりが細いため、少女のように華奢で弱々しく見え、手は小さく、足首は細く、胸のふくらみを服の下に識別するのは容易でない。二十四歳だが、十四歳くらいにしか見えない》(「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」〔上〕スティーグ・ラーソン/ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳/早川書房/より引用)
背が小さくピアスにタトゥー、華奢で14歳くらいにしか見えない?文字を読むだけでも一体どんな風貌かと想像力を掻き立てられる。それがさらに映像でビジュアル化されるとさらに強烈に映ってきます。私はけっこう物忘れがはげしい?方でスウェーデン版の映画は面白かったという印象は残っているのですが、物語の詳細は薄ら覚えとなっていたのでが、本を読んでいるとミカエルの顔やリスベッドを演じた役者の顔がありありと浮かんでくるのでした。映画はストーリーを追っかけていく感じになってしまうのですが、本の場合は登場人物の内面まで書かれてあるのでより一層、この壮大なミステリーを深く味わうことができたと思うのでありました。
特に本のタイトルにもなっているぶっきらぼうな女性、リスベッド・サランデルは何度もいいますが近来ないほどの魅力的なキャラクターで、読めば読むほどに彼女のファンになっていくのがわかります。全く架空の人物なのに…。特に彼女が「ミレニアム」の元編集長ミカエルへの想いを綴った部分はこの小説をさらに一層、愛すべきものにさせてくれると感じました。いやいや、面白い本でした。オススメです。
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫) |
ヘレンハルメ 美穂,岩澤 雅利 | |
早川書房 |
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫) |
ヘレンハンメル 美穂,岩澤 雅利 | |
早川書房 |
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ドラゴン・タトゥーの女 ミレニアム<完全版> [DVD] |
ミカエル・ニクヴィスト,ノオミ・ラパス | |
アミューズソフトエンタテインメント |
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