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【art】「ミケランジェロと理想の身体」鑑賞@国立西洋美術館

2018-09-12 00:46:39 | art

🎨【art】「ミケランジェロと理想の身体」鑑賞@国立西洋美術館🎨

 

 

 

 

彫刻は嫌いではないけれど、あまり好んで見るという感じではない。なので、この展覧会も見ようか迷った。彫刻の中で一番見てみたいと思っている「ピエタ」(Wikipedia)。この「ピエタ」の作者であるミケランジェロの作品が2点見れる機会は逃してはならないのではないか ということで、見に行ってきた!

 

いつものように感想Tweetしておいたので、それに追記する形で書いて行こうと思う。とはいえ、彫刻については全く詳しくないので、参考になるようなことは書けないのだけど😅

 

 

ミケランジェロの作品を中心に"理想の身体"をテーマに、男性の裸体像を展示する企画展。Tweetにもあるとおり、紀元前から19世紀まで様々な彫像やレリーフなどが展示されている。思ったより点数は多かった。ただ、前述したとおり彫刻は好んで見ないし、全然詳しくないこともあり、いろいろメモ取りながら見たわりに、グッとくる作品はなかった。なので、ミケランジェロの作品以外は全体的な感想を述べるにとどめたいと思う😌

 

テーマとして多かったのがギリシャ神話に登場するヘラクレス(Wikipedia)。全然詳しくないのだけど、どうやら「十二の功業」を行ったそうで、その中でも”ネメアーの獅子”という獅子を絞め殺すエピソードを彫刻したものが数点あった。古代の彫刻は男性の裸体を表したものが多かったのかな。となると一番の見せどころは筋肉ということで、こういったテーマが好まれたのかも。そして、誰の目にも分かりやすいということもあったのかも?

 

でも、紀元前の名前も知らない人が、ヘラクレスをテーマに彫刻を彫り、それを現代の東京で見ることが出来るというのは本当にすごいことだなと思う。

 

 

 システィーナ礼拝堂の「最後の審判」(Wikipedia)や「ダヴィデ像」(Wikipedia)などで有名なミケランジェロ・ブオナローティ(Wikipedia)の作品2点は、ちょうど全体の真ん中あたりに展示されている。ちょっと不思議な作りの国立西洋美術館。地下の入口から入って順路に従って一通り展示を見ると、入口前のロビーに脇の階段に出る。その階段を下りると地下2階の展示室になっており、ここにミケランジェロの2体がある。でも、この展示室に行く前に一度ロビーに出て映像展示を見ることをオススメする。ここで詳しくこの2体が作り出された背景などが説明されているので。

 

🎨ミケランジェロ・ブオナローティ「若き洗礼者ヨハネ」

 

展示の順番としては「ダヴィデ=アポロ」の方が先なのだけど、「若き洗礼者ヨハネ」の方から。洗礼者ヨハネ(Wikipedia)は青年もしくは幼児の姿で表されることが多いけれど、ミケランジェロは何故か少年の姿で彫刻している。これについて映像展示で説明してた気がするけど失念💦 ただ、通常やり直しがきかないため四方から彫り出していくのに対し、ミケランジェロは一方から彫り進めていったそうで、それは石の中に彫り出されたいものの姿が見えているからだそう。となると、ミケランジェロには石の中に少年の姿のヨハネが見えていたということなのでしょう。

 

注文主の孫であるロレンツィーノ・デ・メディチ(Wikipedia)がアレッサンドロ・デ・メディチ(Wikipedia)を殺害したため、今作は没収されてしまったのだそう。さらに1936年のスペイン内戦(Wikipedia)で破損💦 14のパーツに割れてしまい、オリジナルは40%しか残っていなかったのだそう。最近になりやっと修復されたそうだけれど、顔の半分が黒ずんでいるのは焼けてしまったからだし、もう半分は残っていなかったということなのでしょう。その波乱の運命を考える時、少年の姿をしていることがより悲劇を感じさせて切ない😢

 

とはいえ、とても無垢な姿は優美で、どこか少女のようでもあり艶めかしい。この片足重心の立ち方をコントラポスト(Wikipedia)というそうで、多くの作品がこの立ち姿をしていた。

 

 

🎨ミケランジェロ・ブオナローティ「ダヴィデ=アポロ」

 

この「ダヴィデ=アポロ」は未完の作品。何故、未完になってしまったのをザックリ書いておく。ミケランジェロはフィレンツェの出身で、当時のフィレンツェは独立した国であった。ここに神聖ローマ帝国の教皇クレメンス7世(Wikipedia)が軍隊を率いて攻め込んできた。ミケランジェロはこれに反旗を翻し、中心となって戦った。このことが敵の司令官であったパッチョ・バローリの怒りを買い、あわや処刑となりそうなところ、彫刻を収めることでご機嫌取りをしようとしたことが、今作を製作するきっかけであった。ところが、製作途中で教皇クレメンス7世からシスティーナ礼拝堂の天井画の依頼があり、5年かけて「最後の審判」を完成させた。そして、そのままフィレンツェに戻らなかったため、今作は未完のままとなってしまったのだそう。

 

「ダヴィデ=アポロ」となっているのは、未完のためどちらを作ろうとしたのか分からないから。左手を右肩に回したポーズからダヴィデもしくはアポロであることまでは分かるらしい? その手に持つ武器が投石器であればダヴィデで、弓矢であればアポロンなのだそうだけれど、どちらも持っていないので判断できないとのこと。個人的には同展覧会内で鑑賞した「アポロン」の背中が、意外につるりと女性的に表現されていた気がして、その感じからするとこの「ダヴィデ=アポロ」の背中も筋肉がゴツゴツと盛り上がっているというよりは、どこかつるりとした背中なので、アポロなんじゃないかなと思っている。あくまでも個人的な感想。顔もキレイだし。なんとなくアポロンの方がイケメンな予感。ただ、ミケランジェロといえば超有名な「ダヴィデ像」があるからな~🤔 ちなみに所有者の目録には「ダヴィデ」と記載されており、ミケランジェロの弟子ジョルジョ・ヴァザーリ(Wikipedia)は「アポロ」だと主張したのだそう。うーん🙄

 

この「ダヴィデ=アポロ」もコントラポストの立ち方をしているけれど、さらに背中をひねっているのが特徴だそうで、これは1506年1月14日に皇帝ティトゥスの浴場(Wikipedia)の近くで、古代の彫刻「ラオコーン像」(Wikipedia)が出土したことによるものが大きいのだそう。どうやらミケランジェロはこの発掘に立ち会ったそうで、その素晴らしさに大いに感銘を受けたらしい。大蛇に体中を締め付けられ身もだえしている姿は、ものすごい迫力だったのでしょう。その体のひねりを取り入れたのではないかとのことだった。

 

さらに、この2体。実はコジモ1世(Wikipedia)に同時に所有されていたことがあったそうで、その後バラバラになってしまったけれど、今展覧会で500年ぶりの再会を果たしたのだとか。と、今までツラツラ書いてきたのは映像展示や、展示会場に貼られていた説明書きから必死にメモしたものをもとに、記憶を呼び起こしながら書いているのだけど、なにしろ記憶ベースだからちょっと怪しいところがあるかも😣💦💦

 

しかし、この「ダヴィデ=アポロ」の美しさ。筋肉の表現はやり過ぎておらず、前述したように背中はむしろつるりとした印象で、少し丸みのある感じは女性的でもある。未完なのでノミの跡が残っており、それがまた生々しく作者の存在を感じさせる。完成したらどんなだったか想像するのも楽しい。ダヴィデなのかアポロなのか? 全くの別人なのか?

 

 

 

🎨ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ「ラオコーン」

 

そして展示終わり頃にヴィンチェンツォ・デ・ロッシの「ラオコーン」 なんとこれ個人蔵なのだとか! かなり大きいけど  まぁ、こんなの個人で持っているのだから大豪邸なのでしょうけれども。そしてこれ撮影OK。海外の美術館では撮影OKなところ多いけれど、日本はなかなかない💦 でも最近、レプリカだったりすることもあるけど撮影ポイントを設けてくれてうれしい

 

名前のとおり、前述したミケランジェロが発掘に立ち会った「ラオコーン」を模した作品だと思われるけれど、ところどころ違っているそうで、やはりそこは自分の解釈を付け加えたのではないかとのこと。題材となったラオコーン(Wikipedia)について触れておくと、トロイアの神官で、トロイの木馬のからくりを見破った人物。彼がトロイの木馬に弓を射たところ、海から2匹の海蛇が現れ体を締め上げ殺してしまったのこと。何故? 

 

🎨古代ギリシャ彫刻「ラオコーン像」

 

たしか元ネタ見てみると体の向きとか2人の息子のポーズとか違ってる。どちらかというとロッシの作品の方は踊りを踊っているかのような感じ。なるほど興味深い。どちらも筋肉の表現などは素晴らしい。あとは好みの問題かなと思うけれど、やっぱりオリジナルは超えられないか? とはいえ、生の迫力というのはやっぱりスゴイものがある。

 

ということで、あらゆる角度から撮ってきたので画像を全て載せておく😌

 

🎨正面

 

🎨 左前斜め

 

🎨 左横

 

🎨 背面

 

 

 

🎨左後斜め 

 

🎨右横 

 

🎨右前斜め 

 

 🎨ラオコーンアップ

 

左斜め後ろ取り忘れてた💦💦

 

展示数70点というと少な目かなと思うけれど、ほとんどが彫刻なので見応えがある。そしておもしろい。とにかく2点しかないけどミケランジェロの作品が来ているなら見ておくべきだと思う。何度も何度も書いているけど、本物を見れる機会があるなら絶対見ておいた方がいい! どんなに精巧に出来たコピーでもそれはコピーだから。本物はやっぱり違う。迫力とかオーラとか上手く言えないけど、絶対違うから。 

 

🎨ミケランジェロと理想の身体:2018年6月19日~9月24日 @国立西洋美術館

ミケランジェロと理想の身体 - 国立西洋美術館

 

オマケ

 

 

 

国立西洋美術館といえばル・コルビュジエ設計の建物自体が世界遺産なのだけど、こちらもスゴイ! エミール=アントワーヌ・ブルーデルの「弓を引くヘラクレス」が前庭で展示中。前述したとおり彫刻は嫌いではないけれど、好んで見る対象ではないので、以前ならば大きな彫刻あるな~くらいの感想だったと思うけれど、男性裸体をテーマとした展覧会を見た後では、とっても注意を引いたのでした。これはスゴイね。図らずも「地獄の門」とのコラボが実現👍

 

 

そして、国立西洋といえばのオーギュスト・ロダン作「地獄の門」 好きか嫌いかは別として、これは絶対見て帰らなきゃ! そして毎回撮影しちゃう。


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2 コメント

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ミケランジェロと理想の身体 (dezire)
2018-09-13 15:38:12
こんにちは、
私も『ミケランジェロと理想の身体』を見ましたので、画像と詳しく丁寧なブログを読ませていただき、この美樹展を再体験させていただきました。日本で今まで見ることができなかったミケランジェロの本格的彫刻作品の傑作『ダヴィデ=アポロ』を初めて見ることができて、感激しました。大理石彫刻やブロンズ彫刻、壁画、油彩などの古代ギリシャ・ローマ時代やルネサンス期の作品を見ることにより「幼少期から青年期の男性表現」「アスリートと戦士」「神々と英雄」といった切り口から、当時の芸術家が人体の理想像とした身体の表現を知ることができ、大変勉強になりました。

私は、ミケランジェロの傑作『ダヴィデ=アポロ』と『若き洗礼者ヨハネ』を初めて生で鑑賞して感じたすばらしさと、成熟期の傑作ミケランジェロの若き日から晩年に至るまでの芸術の変化との過程と、成熟期の記念碑的な傑作・システィーナ礼拝堂の天井画『アダムの創造』を中心とした『創世記』のフレスコ画と『最後の審判』への道程についてレポートしてみました。 ぜひ目一度を通してみていただくようお願いします
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>dezire サマ (maru🎵)
2018-09-16 01:13:52
紀元前から19世紀までの"理想の身体"を堪能しました。
どの時代でも人々は人体に興味を持ち、美を見出していたことに感動です。

ミケランジェロ作品は是非見てみたいと思っていたので、今回2点も見れてうれしかったです。
特に「ダヴィデ=アポロ」の美しさに感動しました。
図らずも未完に終わったことで、想像力をかきたてられますよね。

ブログ拝見させて頂きました。
大変勉強になりました。ありがとうございました😌
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