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【cinema】『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(試写会)

2015-02-08 17:19:02 | cinema

'15.01.31 『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』@ソニー・ピクチャーズ試写室


cocoさんで当選 いつもありがとうございます! この試写会、懇親会つきだった。その時の記事はコチラ1人参加だったので、ちょっぴり不安だったけど、映画も懇親会も楽しくて、参加して良かった



ネタバレありです! 結末にも触れています!


「L.Aの有名レストランのシェフ カール・キャスパーは、著名なフードライター ラムジー・ミシェルが来店すると聞き、新作メニューを考え張り切っていた。しかし、店のオーナー リヴァに反対され、看板メニューを出したところ、ブログで酷評されてしまう。息子のパーシーからTwitterを教えてもらった彼は、メール感覚でラムジーにケンカを売ってしまい、拡散されてしまう。ラムジーが店を再訪することになるが、またもやリヴァの反対に合う。再び同じメニューを出されたラムジーはキャスパーを罵倒。キャスパーは客の前でラムジーに怒りをぶつけてしまう。その動画が拡散されてしまい・・・」という感じのあらすじはあんまり上手くない サブタイトルに"三ツ星フードトラック始めました"となっているのだから、これはフードトラックを始める話なわけで、いわゆる導入部をまとめた感じ。でも、もっと上手いあらすじはたくさんあるから別にいいか(o´ェ`o)ゞ これはおもしろかった! そして、とってもお腹が空く映画だった(笑)


記事を書く際には、自分メモ的に製作背景などを残しておきたいと思っているので、基本情報を仕入れるため公式サイトやWikikediaを参照するのだけど、残念ながら日本語版Wikipediaはないようで、公式サイトもキャスト情報すら見れない・・・ ということで、今回は「たまむすび」に出演した際の、映画評論家 町山智弘氏の解説や、映画サイトなどを参考にさせて頂いた。第27回東京国際映画祭 特別招待作品だったらしい。『アイアンマン』シリーズのジョン・ファブローが、監督・製作・脚本・主演の4役を務めた作品。『アイアンマン』シリーズや、『カウボーイ&エイリアン』では、数十億という予算がついた。『アイアンマン』シリーズでは3作目は監督を降板、そして今作を自主映画として製作した。その理由がまさに今作に描かれているのだそう。


そしてもうカール・キャスパーのモデルとなったのが、アメリカでフードトラックブームを巻き起こしたロイ・チョイ氏。韓国系アメリカ人である彼は、ビバリー・ヒルトンのシェフをしていたけれど、自分の作りたい料理が作れないと感じ、ホテルのレストランを退職。フレンチ・韓国料理・メキシカンを融合したコメックスという料理を出す"コギBBQタコ・トラック"を、マーク・マングエラと始める。TwitterなどのNETを駆使して宣伝し、爆発的な人気となった。彼の成功により、有名シェフたちもこれに続き、フードトラックブームが起こったのだそう。ジョン・ファブローも彼に弟子入りしたそうで、かなりの料理の腕前を披露している。今作の料理も担当したそうで、どれもとってもおいしそう! 中でも、個人的にも懇親会でも人気だった、息子ちゃんに作ってあげたホットサンドが食べたい! その作り方を指導する姿がエンドロールに収められいて、彼の料理バカぶりが披露されているので是非見て! もちろんホメてます


さて、本題へ! 冒頭から料理を作るシーンで、本当にお腹が空く。とにかくキャスパーが料理が大好きであることが伝わって来る。料理のことで頭がいっぱいで、妻とも離婚してしまったらしい。離婚の理由については詳しく描かれないけれど、これは後の伏線なのかもしれない。10歳の息子パーシーとは、週に1度会っているけれど、息子と遊ぶよりも料理の材料選びを優先してしまう。でも、全く無視しているわけではなく、野菜の選び方とか、ジャンクフードは止めろとか、関わってはいるので、息子ちゃんを愛している感じは伝わる。でも、どうしても料理のことが頭から離れない感じ。まぁ、分からなくもないけれど・・・


元妻は豪邸に住み、パーシーの乳母など数人の使用人を雇っている。そして、スタイル抜群のゴージャス美女! 内容は不明ながら仕事をしているらしく、後にキャスパーに自分の広報担当を紹介したりするくらいだから、モデルとかなのかな? 狭いアパートで暮らすキャスパーとは真逆の生活をしている。この、元妻はこの後も何かとキャスパーを助けてくれる存在。この辺りご都合主義とも言えるけれど、後の伏線でもある。


フレンチ・レストラのシェフであるキャスパーは、数人の部下を指揮して厨房を回している。中でもマーティンとトニーはボスを慕っている様子。フードライターのラムジーが来るので、創作料理を出そうと張り切っていた。そこにフロア担当のモリー登場! スゴイ美女と思ったら、スカーレット・ヨハンソンだった。イヤ、出てるの知らなかったし、前髪パツンの黒髪だったから一瞬分からなかった。そりゃ美女だわ(笑) しかも、なんとこのモリー、キャスパーの恋人らしい! 彼女としては息子ちゃんのこともあり、深入りするつもりはないようだけれど、キャスパーの料理につられてついついという感じっぽい? キャスパーのアパートのベッドの上で、左肩の星のタトゥーを見せつつ、セクシーに料理を待つ姿はさすがスカちゃん! 彼女はリヴァが来るのでケンカしないようにと忠告する。現れたのは店のオーナー リヴァで、なんとダスティン・ホフマン! 創作料理ではなく、いつもの店のメニューを出すように指示する。それがこの店の味であり、お客が求めているのもそれなのだと。まぁ、それはそうだと思うのだけど、それでは自分の実力を発揮できないし、真っ向勝負したいのだと主張するキャスパー。どちらの気持ちも分かるし、どちらの主張も間違っていない。その後に起きたことを考えれば、リヴァは迷惑な人でしかないのだけど、店を守るということを考えると、革新的に攻め続けるだけが経営ではないと思うし、なかなか難しいところではある。毎回、手の込んだ料理を出せるわけでもないしね・・・ 


結果、リヴァの主張を受け入れ、いつものメニューを出すことに。でも、気持ちが入らなかったのか、ラムジーの口には合わなかった様子。彼はブログでキャスパーの料理を酷評。新進気鋭のシェフだったのに、今はすっかり太ってダメになってしまった。という内容を、もう少し辛辣な言葉で綴り、その記事をTwitterで拡散していた。そのことを知ったキャスパーは激怒。まぁ、いつものメニューでも彼を納得させることは可能だったはずで、それが出来なかったのでは酷評されてもしかたないのでは?とも思うけれど、この作品でジョン・ファブロー監督が言いたかったことは、そういうことではないので、そのツッコミはなし(笑)


翌日、自宅でパーシーにホットサンドを作ってあげながら、Twitterのことを教えてもらうキャスパー。しかし、このホットサンドがおいしそう過ぎ! 今回、いろんな料理が出て来て、全ておいしそうだったけど、これが一番食べたい! シンプルだけど本当に美味しそう(゜¬゜*) 話を戻す! パーシーの説明は知っている者にとっては分かりやすかったけど、キャスパーはどうにも理解しきれていない様子。とりあえずアカウントを作ってもらうけれど、ラムジーのアカウントを発見して、怒りに任せて下ネタ混ぜてメンションでtweetしてしまう。本人としては個人宛てにメッセージを送ったつもりだけど、当然ながら世界中に発信されているわけで・・・ヤレヤレ┐(´д`)┌ これ、未だに自分のフォロワーにしか見えていないと思ってるっぽい人いるけど、鍵アカでないかぎり世界に向けて発信しているからね~ というわけで、カール・キャスパーのフォロワーはどんどん増え、tweetはどんどん拡散されて行く。当然ながらラムジーからは反撃tweetが来て、売り言葉に買い言葉で、再びラムジーが来店することになる。


もちろん、今回こそは自身が考え得る最高の料理を出すべく準備を進めるけれど、またもやリヴァの反対に合う。店は2人の対決を見ようと予約でいっぱい。こんなことはめったにないこと。だからこそ、客の求めている味を出すべきだと主張するのだった。イヤ、前述したとおり、店を守るということは、いつでも同じクオリティの料理を出すことでもあると思うし、店の看板メニューがあるのであれば、それを守って行くべきだと思う。でも、デザートがフォンダンショコラだからねぇ・・・ イヤ、フォンダンショコラおいしいけど、別にこの店でしか食べられないデザートではないし・・・ でも、リヴァは毎日毎日創作料理を出す店を目指してはいないということ。結果、キャスパーの代わりに、トニーがメインを務めることになる。それはキャスパーに対して裏切りともいえるため、マーティンは止めるけれど、トニーにとっては絶好のチャンスでもあるわけで、彼はこれを引き受ける。まぁ、これはトニーを責められないね・・・ 


店を追われたキャスパーは自宅でラムジーに出す予定だった料理を作る。怒りや料理に対する思いを込めて作る料理はどれも最高に美しくおいしそう。それに引き換え店で出される料理は、味も見た目も無難という印象。周りの客は満足しているようだけれど、全く同じメニューを出されたラムジー憮然とした表情。しかも、ガラス張りの厨房にキャスパーの姿はない。前回と全く同じメニューを食べ続けた彼は、最も酷評したフォンダンショコラが出されるにおよび、「キャスパーは逃げ出した」とtweet。それを見たキャスパーが店に乗り込んでくる! 彼は店の中でラムジーを罵倒。フォンダンショコラに火が通ってないだって?!これは半生で出すデザートだ! 酷評されれば誰だって傷つく! 脚本も担当したジョン・ファブロー監督が、今回一番言いたかったことは、きっとこの辺りなんだろう。フォンダンショコラを掴んで投げながらの罵倒は、かなりの長さで続いた。まぁ、この騒動が引き起こす結果のためには、ある程度の長さが必要だったこともあると思うけれど。要するに、一部始終がYouTubeに動画がUPされてしまったということ。とにかく、TwitterやYouTube、blogなどのツールを使うのが上手い。


さて失業してしまったキャスパーだけど、動画が拡散されてしまったため再就職は絶望的。以前の職場仲間が集まるBarに行けば、ついついマーティンとトニーに虚勢を張ってしまうけれど、弱音を吐けるのはモリーのみ。自分の好きな料理を作ればいいと励ましてくれるイイ女モリー。何故か出演シーンはこれで終了(笑) 彼女の言葉と共に、思い出されるのは元妻に以前から言われていた言葉。あなたは人に使われるのは向いていないから、フードトラックで自分の料理を出してみたらどうか? でも、やっぱりプライドが邪魔している様子・・・


実はキャスパーは、夏休みにパーシーとニューオーリンズに旅行する約束をしていた。でも、今回の騒動で中止となっていた。ガッカリした気持ちを抑えて、納得してみせるパーシーが健気。演じるエムジェイ・アンソニーくんが、ちょっぴり甥っ子2号に似てて、かなりえこひいき(笑) そこで、元妻イネスからある提案が・・・ 実家のあるマイアミで仕事をするため、パーシーの子守役として同行して欲しいというのだった。仕事もないのでOKする。実はイネスにはある計画があった。彼女の父親はマイアミのクラブで、キューバンバンドのヴォーカルとして出演している現役ミュージシャン。孫との再会を喜ぶ義父は、3人を絶品キューバサンドを出すレストランへ連れて行く。その味に感動したキャスパーの料理人魂に火が付く! そこですかさずイネスが、元夫がフードトラックを持っているから、売ってもらうのはどうかと提案。そう、彼女の狙いはコレ! 良い奥さん。゜(●'ω'o)゜。うるうる 元妻だけど・・・(笑)


翌日、イネスの元夫マーヴィンの会社を訪ねるキャスパー。出迎えた美人秘書は何故か靴カバーを着用するように言う。ツルツル滑りながら社長室に案内されると、待っていたのはロバート・ダウニー.Jr! 金持ちで、あまりちゃんと仕事する気はなさそうだけどやり手、秘書に手を出してパイプカットしているにも関わらず、妊娠したと告げられているなど、女性関係が盛んである感じも『アイアンマン』のトニー・スタークを思わせる。セルフパロディのような役を嬉々として演じている。でも、出演シーンはここのみで、ほとんど出オチという感じ(笑) ピカピカの床が傷ついたり、汚れたりするのが嫌で、靴カバー着用を義務づけているのに、キャスパーが買ったフードトラックはボロボロ。中で何かが死んでいる始末・・・ それでも自分の厨房を手に入れた喜びで、まるで水を得た魚。パーシーを手伝わせて片づけていく。指示が悪くてせっかく磨いた器具は捨てると言われたり、腐った残飯の入っていた容器を洗うように言われたりで、すっかり嫌になって投げ出してしまうパーシーを、厳しい中にも愛情の感じる言葉で諭す。このシーンもベタではあったけれど、やっぱり感動してしまう。


そこに思わぬ助っ人登場! なんとマーティンが店を辞めて駆けつけたのだった! 彼は近くにいた労働者たちに交渉。フードトラックの改装を手伝ってくれたら、報酬とキューバサンドをプレゼントするというのだった。実は、キャスパーも一度交渉したのだけど、言葉が通じなかったらしい マイアミは実はキューバ移民が多く、ほぼキューバと言っても過言ではない地域もあるのだそう。改装や仕込みはマーティンと彼らに任せ、調理道具などを仕入れに行くキャスパーとパーシー。キャスパーはパーシーに彼専用の料理ナイフをプレゼントする。料理ナイフは料理人の命だから、決して粗末に扱ってはいけない。毎日ちゃんと手入れできるか?と尋ね、買ってあげるのはとってもいいシーンだと思う。このナイフで1エピソード来るか?と思ったけど、その後パーシーのナイフが意図的に登場することはなかった。フードトラックに戻って、てんてこ舞いのマーティンに合流。さっそく3人でキューバサンドを作り、労働者たちに振る舞い大好評 いくら屈強な男たちが手伝ったからといって、たった数時間で完成してしまうほど、簡単ではないだろうと思うけれど、見せたいのはそこじゃないので、この端折りはOK! 明日からキューバサンドを売りながら、L.Aへ戻る計画。フードトラックの前で乾杯する3人。なんと、パーシーにもビール飲ませちゃう。もちろん、苦くてお口に合わなかったけれど(笑) マーティンから車体ペイントをボスにプレゼントしたいから、車を預からせて欲しいとの申し出。明日の朝ホテルで待ち合わせる約束をして別れる。


もう、絶対これマーティン来ないぞ!と思ったら、車体に"EL JEFE"(スペイン語でThe Bossの意味)と書かれたフードトラックと共に、ご機嫌なマーティンが現れた! 疑ってごめん でも、これ後の懇親会でも話題になって、みんな来ないと思っていたらしい。イヤ、ついつい展開読んじゃうクセがついてしまっているんだよね(o´ェ`o)ゞ ということで、この映画はド直球な作品なんだなと、このシーンで確信。そこからは3人の陽気な旅が始まる。もちろん、商売なので仕事はちゃんとやる。でも、とにかく楽しくて仕方がない様子。移動中の車内での下ネタ連発なども、男子はいくつになっても男子という感じ。土地勘がないので、マイアミからL.Aまでの移動距離がどのくらいなのか、それぞれの立ち寄り先がどんな土地柄で、何が名物なのかなどよく分からない。その辺り分かっているともっと楽しめるのかなとも思うけれど、立ち寄った先でその土地の料理や食材を取り入れて、新たなメニューを開発していくのは楽しい。テキサスBBQ食べたい! パーシーが楽しみにしていたニューオーリンズにも立ち寄る。ここで食べてたベニエという四角いドーナツみたいのも食べたい! ニューオーリンズはフレンチとアメリカ料理がミックスして、ケイジャン料理が生まれた土地だそう。ちなみにベニエというのはフランス語で"揚げた生地"という意味だそう。キャスパーとパーシーが並んで歩いていたフードコートみたいなところ行きたい! 


言い忘れていたけど、EL JEFEはTwitterを駆使したパーシーの宣伝効果で、行く先々で大繁盛。位置情報を付けてtweetすれば、フードトラックがどこにいるのか直ぐ分かる。このtweet内容が吹き出しで表示され、鳥の鳴き声と共にTwitterのあの鳥が羽ばたいて行くとtweetされたという演出が上手い! 情報が拡散されて行くのがイメージとして伝わる。悪い情報もどんどん拡散されるけれど、良い情報も同じように拡散される。文明の利器も使い方次第だし、要するに使う人次第ということかと・・・ ちなみにSNSを駆使して宣伝したのは、キャスパーのモデルとも言える、ロイ・チョイが実際に使った方法。Twitterを使いこなすパーシーがカワイイ 新しいことをどんどん吸収して、使いこなしていく。3人の連携プレーがイイ


楽しかった旅も終わりに近づく。キャスパーはパーシーに、この旅がもう直ぐ終わること、旅が終わったらパーシーはフードトラックを降りることを告げる。パーシーは放課後や休みの日だけ手伝わせて欲しいとお願いするけど、キャスパーはダメだと断ってしまう。パーシーは料理人になりたいと思っているけれど、その道が決して楽しいだけではないことを知っているキャスパーは、同じ道に進むことに不安があるのかもしれない。どんな仕事だって楽な仕事はない。大なり小なり辛い思いや、嫌な思いはする。凡人OLちゃんにだっていろいろある(笑) でも、自分の才能で勝負している職業の人は、やりがいも大きい代わりに、その代償も大きいのかもしれない。不安もあるだろうし・・・


L.Aに到着。パーシーを母親であるイネスの元に送り、自分のアパートに戻ったキャスパー。パーシーが約束通り写真を送ってくる。名前忘れちゃったけど、1秒ずつの画像を繋いで1つの動画みたいにするアプリで作成した動画。楽しかった日々、生き生きとしたパーシーの表情。キャスパーはパーシーに電話を掛ける。放課後と休みの日にフードトラックを手伝って欲しい、ただしママに許可を貰うんだよ。嬉しそうなパーシー。


次のシーン。フードトラックが集まる広場を俯瞰で映す。EL JEFEではキャスパー、マーティン、パーシー、そしてイネスが一緒に働いていた。いつの間にか家族が1つになっていた。映画開始早々から、イネスから独立するようにアドバイスされているというセリフがあるし、その後も何かと救いの手を差し出してくれる描写から、イネスはまだキャスパーを愛していることは分かっていたけど、キャスパーがイネスに思いを残しているという描写があまりなく、むしろモリーという恋人もいたわけだから、やや強引な気がしなくもないけど、マイアミでの楽しげな様子や、数々の支援で心が動いたことは自然な流れかなと思う。仕事中にイネスと電話で話していて、「(パーシーが)愛してる!」というと、思わずイネスが「私も愛してる」と返してしまうシーンも入っていたし(笑) まぁ、ゴージャズ美女のイネスがいることでフードトラックが華やぐこと間違いなし! 


そんなEL JEFEにラムジーが訪ねて来る。不穏な空気が流れるけれど、ラムジーは意外なことを言い出す。自分はキャスパーに憧れていたのに、無難な料理を出されて失望した。だからあんな記事を書いた。その結果、あんなことになってしまったのだから、自分にはキューバサンド売ってくれないだろうと思い、人に頼んで買ってもらい食べた。その上でキャスパーに出資したいと思う。出資者になってしまえば批評は出来ない。このキューバサンドは絶品だ。自分の持っている物件を提供するので、自分の作りたい料理を作って欲しい。という主旨の申し出。それに対するキャスパーの答えは映さず、数か月後のクレジットが入り、庭付き邸宅のような外観のレストランには"EL JEFE"の看板。かなり広い店内は満席。多くの従業員が働いている。店内にはイネスもいる。そして、マーティンと共に調理するキャスパーの姿でエンド。


フードトラックをそのまま続けるのかと思ったら、まさかの和解で開店。そして、元妻と復縁して家族の絆も取り戻すと、ちょっとご都合主義的な気がしなくももないけれど、こういう悪人の出てこない、全てが夢のようにキレイに収まる映画があってもいいと思う。実際、こんなこと現実では絶対に起こらないというような内容ではないし。もちろん、フードトラックを選択しても、それはハッピーエンドだったと思うし。ただ、ジョン・ファブロー監督がこの作品に込めた思いが、こういう形で収まったのだとすれば、ご本人の理想とするところは、"自主映画でもいいから作りたい作品を作ること"だけではないのかも。


実はファブロー監督『アイアンマン』シリーズの1、2作目を監督して大ヒットさせたにも関わらず、批評家からは酷評されたそうで、続く『カウボーイ&エイリアン』は巨額の製作費をかけたものの、興行的には失敗。評価もイマヒトツだったのだそう。自身は『アイアンマン』は録画して安心して見てないので、ジョン・ファブロー監督作品で見たのは『アイアンマン2』(感想はコチラ)のみ。個人的にはとってもおもしろかったのだけど、批評家さんたちにはウケが悪かったのか 前述したとおり、今作にはロイ・チョイという人物の体験がベースとなっているわけで、この方は現在4台のフードトラックを運営しているそうだけれど、店舗は持っていない様子(参照:ロサンゼルスで屋台が人気、各国料理が一堂に|CNN.co.jp)。店舗経営をしていないのは、こだわりなのかは分からないし、映画のキャラであるカール・キャスパーと比較する意味はないかもしれないけれど、少なくとも批評家と和解して店舗開店というのは、批評家たちに自分のやりたい作風も認めて欲しいというファブロー監督のメッセージなのかなと思った。前述した酷評されれば傷つくというセリフは、監督の本心なのだろうなと改めて感じる。スポンサーや配給会社の言われたとおりに作ったのに、批判されるのは監督だけなのは理不尽という思いもあったり? とはいえ、そんな背景を考えてしんみりしたりせず、どん底に落ちた中年男性の、起死回生の物語を、コミカルにポップに描いているので、楽しんで見れると思う。


左:ロイ・チョイ 右:ジョン・ファブロー


キャストは良かったと思う。友情出演感漂うマーヴィン役のロバート・ダウニー.Jr(『アイアンマン』トニー・スターク)や、モリー役のスカーレット・ヨハンソン(『アイアンマン』ブラック・ウィドー)、そしてリヴァ役ダスティン・ホフマンの豪華キャストたちは、自分の役を嬉々として演じている様子。ロバダウとダスティン・ホフマンはともかく、主人公の現恋人役にも関わらず、完全フェードアウトしてしまうスカちゃんも、さすがの印象を残す。特別彼らでなくてもいい役を、彼らに振るってことに意味があると思うので、その辺りは良かったと思う。ちなみに、ロバート・ダウニー.Jrも『アイアンマン』までは、いろいろあったので思うところあったのかも? ほぼノーギャラで出演しているとのこと。イネスのソフィア・ベルガラのゴージャス美女っぷりと、肝っ玉母さんっぷりがラテン女性の逞しさを感じさせて良かった。マーティンのジョン・レグイザモも、このお調子者っぷりは絶対裏切るに違いないと、映画好きがゆえの深読みで勝手なハラハラ感を感じさせてくれたのも好き まぁ、そこは意図していたのかは別として(笑) でも、このあくまでお調子者テイストでありながら、実は人情に厚くていい人っていうのも、ラテン男性っぽくていい。ラテン男性のこと良く知らないけど(o´ェ`o)ゞ ちなみに、Google検索したら"ジョン・レグイザモ 身長"で検索候補が出てきたのだけど、みんな身長気になってるのかな?(笑)


息子ちゃんパーシー役のエムジェイ・アンソニーくんがカワイイ Twitter音痴のお父さんに教えてあげたり、生意気に映っちゃう場合もあるけど、その辺りは適度な生意気さで子供らしい要素になっていた。SNSを駆使して宣伝活動しちゃうのも、全然偉ぶらない。お父さんと一緒にいること、そして料理が出来ることが楽しくて仕方がない様子が伝わって来た。この辺りは脚本の上手さや、演出の上手さもあると思うけれど、やっぱりエムジェイ・アンソニーくんの演技と、健気な雰囲気のおかげ。製作、監督、脚本、主演と1人4役のジョン・ファブロー。さすがに自分のやりたいことをやっているので生き生きしている。ロイ・チョイに弟子入りしたそうだけれど、料理の腕前はかなりのもの。これは吹替えか?と思うシーンも、手元からそのままアップするカットがあるので、CGでも使っていない限りご本人が演じているのだと思う。直近見たのは『アイアンマン3』(感想はコチラ)のペッパー役で、決して痩せてはいなかった印象だけど、この役太ってるね・・・ これは役作りなのか、本当に太ってしまったのか? まぁ、いいけど(笑)


とにかく、料理が美味しそう(゜¬゜*) かなりの割合で料理を作っているか食べているので、本当にお腹が空く(笑) マイアミからL.Aまで移動するので、ロードムービーでもある。各地の風景や料理も見どころで、さらに道中の男3人(1人はチビッコだけど)の会話も楽しい。ラテン音楽も楽しい。そして、2人のゴージャス美女。目にも美味しい作品。


悪い人は出てこないし、コメディタッチで見やすいので、誰でも楽しめると思うけれど、PG12なので12歳以下のチビッコは成人保護者の同伴が必要。これは下ネタが原因かな? SNSの描写もかな? でも家族映画でもあると思うので、家族で見るのもいいかも! カップルや友達どうしで見て、その後キューバサンドのお店へGO!というのもいいかも? オススメ


『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』Official site

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2 コメント

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こんばんは (ノラネコ)
2015-02-27 00:38:40
ほんとお腹が空く映画だったので、ごはん付き試写というアイディアにうなりました。
これ他社も真似して欲しいですねw
特にドラマチックな展開じゃないんだけど、美味しそうなごはんを見てるだけでワクワク。
DVD出たら絶対レシピ再現しよう。
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>ノラネコ サマ (maru♪)
2015-02-28 02:16:49
ホント映画に出てきたお料理が直ぐ食べられて良かったですよね

王道中の王道でベタでもあるんですけど、食べ物の魅力なのか、
息子ちゃんのかわいさなのか、SNSの使い方の上手さなのか楽しめました

テキサスBBQか、息子ちゃんのホットサンドを是非
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