2020年11月21日 『記憶の技法』@cocoオンライン試写
cocoオンライン試写に当選。いつもありがとうございます! 久々日本映画の試写。楽しみに見てみた🤗
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「韓国への修学旅行のためにパスポート申請した鹿角華蓮は、自分が養女で幼くして亡くなった姉がいたことを知る。同じ高校の穂刈怜の協力を得て、ルーツである福岡に向かうが・・・」という話で、これは吉野朔美の同名マンガの実写映画化。うーん💦 悪くはないのだけど、ちょっといろいろ設定が気になってしまった。原作マンガが出版されてから20年経っているので、その間いろいろ変化しているわけで、その辺りを無視したままで現代の話としてしまうと無理があるような😅
原作は未読。吉野朔美作品は読んだことがないかも🤔人並みにマンガは読んできたけれど、何故吉野作品を読まなかったのかは自分でもよく分からず。 Wikipediaによると2016年に亡くなっているのね。
映画についても原作についても毎度のWikipediaは見つからず。池田千尋監督作品。黒沢清監督の愛弟子とのことで『クリーピー 偽りの隣人』などで共同脚本を務められたのだそう。2008年の『東南角部屋二階の女』で長編デビュー、劇場公開作品は今作が5作目なのかな? 今作で初めて拝見した。
見てから2ヶ月以上経ってしまったし、細かい部分は忘れてしまったので、ザックリした感想になります。毎度、どうでもいいと思うけれど、断り書きとして書いておく😌
高校生の鹿角華蓮(石井杏奈)は、父親の正(小市慢太郎)と母親の由加子(戸田菜穂)と3人暮らし。時々、酢豚のパイナップルが苦手なのに、大好物だと言われるなど不審なこともあるけれど、両親に愛され友人にも恵まれ幸せに暮らしている。
同じ学年には穂刈怜(栗原吾郎)という男子生徒がおり、いつも女子学生と恋愛トラブルを起こしていた。何故か華蓮は彼が気になってしまう。友人たちにそんなに見るなと言われるのに、トラブルの一部始終をガン見してしまい、怜本人に気づかれてしまう。この辺り少女マンガにありがちな、純粋でおっとりした、ちょっとドジな子という感じでニヤリ。とはいえ、ちょっとイライラするかも😅
意外にこの怜の恋愛トラブルシーンや、華蓮が彼を気にする様子がチラチラ出て来たり、友人たちのうちの男子生徒が華蓮に好意を持っているらしい描写が続く。怜の件はともかく、男子学生は後にある役割があるための伏線だと思われるけど、特段彼でなくてもよいので、他の役に振ってもう少しスッキリさせても良かったかも。とはいえ、それは全体的に言えることだったりするのだけど😅
さて、華蓮は修学旅行で韓国に行くことになる。そこでパスポート申請に必要な書類として戸籍抄本を母親から渡される。この母も華蓮に養子であることを隠しているのならば迂闊だなと思うけれど、ここで華蓮が疑問を持たなきゃ始まらないのでOK。
当然ながら戸籍を見てみると見慣れない文言が。気になって役所に行き戸籍謄本を取ると、華蓮は自分が養子であり、由という姉がいたことが分かる。華蓮が呆然としていると、偶然来ていた怜の姿が。華蓮は怜にこれはどういうことなのかと聞く。怜が何と答えたのか忘れてしまったけど、ここで重要なのは怜が華蓮の秘密を共有したということ。
さて、ここからかなりビックリな展開になる。一応、事前情報として華蓮が修学旅行には行かず、福岡に自分のルーツを探しに行くことは知っていたのだけど、華蓮はその福岡行について何をすればいいのか全く分からないから、怜に手助けをお願いしたいと頼むわけです。え 怜とは役所で初めて会話した程度の仲なのに
わざわざ彼のクラスに訪ねて行ったり、放課後に待ち伏せしたり、後をつけてバイト先まで押しかけたりと、何度断ってもしつこく彼に頼むわけです。え なんで イヤ原作どおりなのだとしても、20年前ならまだしもイマドキこんな子いますかね? パソコンもスマホもないのかと
怜と一緒に福岡に向かうのが原作通りなのだとしたら、そこはもう華蓮と怜は恋人同士だという設定にしちゃうとかやりようがなかったのかな? それともオバちゃんだからそう思うのかな? イヤ、中学生が主人公でもスマホもしくはパソコン使えよと思うけどな~💦 とにかく怜は手数料をもらうという条件で手配を引き受ける。
友人たちには祖母の具合が悪いから修学旅行には行かないと嘘をつく。これは後の伏線になっている。学校にはどう届けたのかしら? 修学旅行に行かないなら保護者から連絡が必要なのではないのかね?🤔 というツッコミはもういいか😅
福岡行きの当日、怜からチケットを受け取り高速バスに乗り込むと、なんと怜が隣の席に座る。修学旅行よりこっちの方が楽しそうだからというのだった。この怜は家庭の事情が複雑で、生まれつき瞳が青いことから父親に疎まれており、一人暮らしなんだっけ? 兄と暮らしてるんだっけ? ちょっと忘れてしまった💦 とにかく、辛い生い立ちではあるものの、自由のきく身であるということ。
福岡に到着した2人。華蓮の資金ではビジネスホテルのシングルルーム1室しか取れないとのことで、2人で泊まることになるというビックリ展開でどうしたものかと思うけれど、これはコミカル要素ということなのかな。まぁ2人で同じ部屋に泊まるという設定が、全く生かされていなかったわけでもないのだけど、特段この設定にしなくてもよかったかな🤔
2人は役所へ行き華蓮の本当の家族の戸籍謄本を取る。その際、職員の女性は何か言いたげな感じだったけど、結局何も言わなかったように思う。ちょっと忘れた💦
2人は以前華蓮たち一家が暮らしていた地域を訪ね、近所の人々に聞き込みを行う。すると何故か皆口が重く避けているような感じ。その流れで金魚屋の青年(柄本時生)を訪ねる。自分は最近越してきたばかりだから何も知らないと言うが、何か隠している様子。柄本時生が出て来た時点で、彼が何か重要な役割を果たすことは分かっているので、ちょっとまどろっこしくもあるけど、この辺りは謎解き要素があるのでおもしく見れた。
さらに聞き込みを続けると、華蓮以外の家族は全員殺害されたことが分かる。なんとビックリ展開。この段階でどこまで事件の真相が判明したか忘れてしまったけど、華蓮の父親と大家さんとの間にトラブルがあったことが初老の男性から語られているので、その辺りのことで事件が起きたのかなと考える。
えーと、ちょっと詳細が分からなくなってしまったのだけど、華蓮が怖くなってもう調査を止めると言うので、怜は別行動して図書館に行き、新聞のバックナンバーから華蓮の家族の事件と思われる記事を発見する。ここまでの段階でもスマホで調べるか、せめて図書館に行きなよと思っていたので、せっかくの怜の行動が機転を利かせたと感じられないのが残念ではある。
華蓮一家の事件の詳細を書いてしまうと、事件当時一家は大家さん敷地内の借家に暮らしていた。先代の大家さんが亡くなると息子(二階堂智)は、マンション用地として土地を売るため立ち退くよう言ってきた。しかし、華蓮の父親は頑なに拒んでいた。大家の息子は次第に精神を病み、ある日とうとうキレて凶行に及んだのだった。
一方、華蓮の記憶も少しずつ戻って来る。たしか再度金魚屋を訪ねたと思うけれど、どのタイミングか忘れた💦 とにかく、重要なのは金魚屋が華蓮の幼馴染みであり、華蓮の家族を殺した大家の息子の息子だということ。
事件当日、華蓮は外出しており家に戻って来たところを、父親の異変を感じた金魚屋が機転をきかせて華蓮を連れ出し、難を逃れたのだった。しかし、実は大家の息子は華蓮が戻るまで、事件現場にとどまりソファに寝転んで華蓮を待っていたのだった。
実は福岡に来る直前、リビングのソファから父親がむくりと起き上がり、華蓮の中で同じ構図の別の家のイメージがフラッシュバックする場面があった。それがこの場面だと分かりゾッとした😱 これはとても上手いと思った。
華蓮は必死で逃げる。これ家の中でもかなり追いかけられていて、二階堂智の演技が迫真に迫っていて、子役の子ホントに怖かったんじゃないかな? さらに外に逃げても追いかけて来る。そこにたまたま通りかかったのが由加子。幼い娘を亡くしたばかりの由加子は、とっさに華蓮を庇う。すると大家の息子は車にはねられてしまう。
きちんとした顛末が語られていたか忘れてしまったけど、そもそも金魚屋や他の人も大家の息子は既に亡くなっている前提で話していたように思うので、この時の事故が原因で亡くなったのでしょう。運転手さん気の毒😢
その後、港のような所で金魚屋と再会する。思えば金魚屋は加害者の息子だけど、ある意味被害者だよね。金魚屋はずっと自分が父親を止められなかったことを悔やんでいたと語る。華蓮が自分の命を救ってくれたとお礼を言ったので、金魚屋は少し救われたかもしれない。実際まだ小学生だった金魚屋が父親を止められたかは分からない。
何故、嫌な思い出がある土地に戻って来たのかと聞くと金魚屋は、やっぱり自分の生まれ育った場所だからという主旨のことを語っていた。そんなものなのかな。私自身は狭い範囲内での移動をしただけで、同じ市内にずっと暮らしているから故郷という感覚がよく分からない🤔
金魚屋はあの事件の後、華蓮の家から家族のアルバムを持ち出しており、それを華蓮に返してくれた。本当の家族の唯一の形見。そして、これから記憶がよみがえる手掛かりとなるかもしれない。
自分の出自を調べるという華蓮の旅の目的が終わり、怜とはここで解散となる。怜は父親とちゃんと向き合いたいと考える。華蓮は父親と約束したお土産を買うためにフェリーで釜山に渡る。パスポート持ってきてたんかーい? とか、そんなお金あるんかーい?とか思うし、わざわざ釜山に行ったからといっても、ただ街を歩くだけで特段何かがあるわけでもなくバーターを感じるものの、まぁ華蓮が一人立ちできたということなのでしょう。
華蓮は母の由加子に電話を掛ける。実は華蓮に好意を寄せている男子生徒が修学旅行中に電話をかけているので、母親は華蓮が嘘をついて修学旅行に行っていないことを知っていた。両親は当然心配したけれど、華蓮の意志を尊重して見守ることにしたのだったと思う。電話では本当の家族を探したことについては、お互いに何も語らなかったように思うけど、お互いを思いやって演技をするこのシーンは良かったと思う。
映画は華蓮と怜が華蓮の家の前で別れるシーンで終わる。もう一度家族と向き合ってみるという怜を華蓮が抱きしめて終わりだったかな? ちょっと曖昧な記憶🤔 2人がこれから恋人になるのかは不明だけど、この抱擁は同志のような感じだった。中途半端に恋愛モノにしなかったのはよかったと思う。
でもねぇ。ちょっとツッコミどころが多過ぎるよね😅 だって華蓮はスマホ持ってるわけだから、いくら少し世間ずれしていない女の子って設定にしても、全くスマホで調べないのは無理がある。いくら友人たちにも秘密だからって、ほとんど話したこともない男子生徒のバイト先まで押しかけて諸々手配してもらうよりスマホで調べた方がいいでしょうに。
さらに事件についてもわざわざ図書館に行かなくてもスマホで出て来るだろうと。母親に華蓮が修学旅行に行っていないことを知らせるための設定とはいえ、友人の男子生徒が自宅に電話を掛けるのも不自然。イマドキLINEでしょう。小学生とか高齢者となから分かるけど、高校生だからね🤔
例えば松本清張とかの昔の小説を映像化する場合、その原案の時代を変えずに作った方がいいんじゃ? それだとセットや衣装などお金がかかるのか😅 だったら現代に合わせて設定もアップグレードするか、スマホを使えない状況にするかしないと、ちょっと興ざめしてしまうかなぁ。予算など難しい部分もあるとは思うのだけど。
若手2人を支えるキャストたちはわずかなシーンで印象を残したと思う。犯人役の二階堂智の狂気は本当に怖かったし、父親役の小市萬太郎もホッコリとなごませた。金魚屋の柄本時生が良かった。華蓮の記憶のカギを握る謎の人物として登場し、結果本人も少し救われるという役どころ。その辺り的確に演じていたし、主演2人をサポートしていた。
母親の戸田菜穂は子供を心配する不幸を背負った母親役多いけど、今回もはまり役。とても良かったのでもう少しこの母親を生かせなかったかなと思う。怜の栗原吾郎は初めて見た。ミステリアスな感じは良かったと思うし、この役イケメンでないと成立しないのでそこは良かったと思う。華蓮の石井杏奈はいやゆる少女マンガのドジで天然な主人公をうんざりさせることなく演じていたと思う。
正直、主演2人については特別下手とも上手いとも思わなかったけど、若い役者さんの必死な演技が役とリンクして、それがいい緊張感となっていたと思う。
ちょっとダメ出しが多くても申し訳ないけど、決してつまらなかったわけではないし、ダメな作品というわけでもない。ただちょっと謎解きミステリーなのか、主人子の成長物語なのか中途半端になってしまった印象で、同級生などの放りっぱなしの登場人物がいたりと散漫な感じが残念だった。映像は良かったと思う。
公開はされたよね? 書くのが遅くなり過ぎたので、とっくに公開終わってると思うけど💧 同世代の人にはいいかも?
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