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【art】特別展 「桃山ー天下人の100年」鑑賞@東京国立博物館平成館

2020-11-24 23:33:28 | art

【art】特別展「桃山ー天下人の100年」鑑賞@東京国立博物館平成館

 

 

今年楽しみにしていた企画展の1つ。コロナ禍で開催中止や延期になる企画展も多く、とても心配していたけど無事開催された😌 とはいえ、在宅勤務などの兼ね合いで、なかなか行けず💦 やっと日時指定チケット購入して行ってきた。

 

桃山時代の日本美術に焦点を当てる企画展。歴史的には1573年の室町幕府滅亡から1603年江戸幕府開府までの30年間を安土桃山時代(Wikipedia)としているけれど、美術的には室町時代から始まっていたし、江戸時代まで続いていたということで、今回は1530~1630年までの100年間の作品を展示。前期・後期で一部入替はあるものの、集めに集めて231点! 期待大🤩

 

 

 

これはすごかった! Tweetにもあるとおり、例えば前期で終了してしまったけど狩野永徳(Wikipedia)の「洛中洛外図屏風(上杉家本)」などそれだけで展覧会の目玉となりうるような作品が、これでもかと展示されているわけです。もうニヤニヤが止まらない!

 

ちょっと画像が見つからなかったのだけど、豊臣秀吉(Wikipedia)筆「消息、五さ宛」は、なんと小田原攻め(Wikipedia)の陣中から、北政所の侍女である五さに宛ててしたためたもの。すごくないですか 小田原攻めの陣中だよ! と大興奮😤

 

その並びには、徳川家康(Wikipedia)筆「消息 ちよほ宛」が並ぶ。ちよほは千姫の侍女なのだけど、実は孫の千姫に宛てた手紙。夫である豊臣秀頼を亡くした千姫を慰めているのだそう。自分で滅ぼしておいてなんだよ🤨とも思うけれど、やっぱりスゴイ。そして、秀吉の手紙と並んで展示されているというのも感慨深い。

 

 

狩野永徳「唐獅子図屏風」

 

目玉だらけの今展の中でも、一番の目玉はやはり狩野永徳の「唐獅子図屏風」でしょう。縦が2m20cm超えという大作で、獅子の親子が描かれている。狩野派の特徴である金地が2頭の獅子を浮かび上がらせている。以前、見たことがあるけど、やっぱりこれは大迫力で素晴らしい。

 

長谷川等伯「松林図屏風」

 

並んで展示されているのが、長谷川等伯(Wikipedia)「松林図屏風」 ド派手な「唐獅子図屏風」に対して、こちらは白地に余白をタップリとって、墨の濃淡のみで描かれた作品。巨大な絵師軍団狩野派に勝負を挑んだ長谷川等伯が、自分以上と見込んだ息子久蔵の死という悲劇を経て描いた作品。

 

お互いが最大のライバルと認めていたであろう2人の、代表作が並んで見れるのは感慨深い。「唐獅子図屏風」が動とすれば、「松林図屏風」は静。でも、どちらも圧倒的。語彙力不足でもどかしいけど、とにかく圧巻。どちらも素晴らしく優劣はつけられない。つける必要はないけれど😌

 

長谷川等伯「楓図壁貼付」

 

実は今回、事前に「ぶらぶら美術・博物館」で予習してから鑑賞した。せっかく見たので番組の記事も書きたかったのだけど、録画を見たのも前日で時間もないので、ここに書き加えておく。

 

で、番組内で紹介されていた作品の中で一番見たかったのが今作、長谷川等伯の「楓図壁貼付」で、実は前期は「唐獅子図屏風」の展示スペースに、狩野永徳の「檜図屏風」が展示されており、今作と競演していた。残念ながら「檜図屏風」は入替になってしまい、実物を見ていないので比較はできない。でも、とても素晴らしかった。

 

番組メモ

狩野永徳は既に亡くなっていた。今でいう過労死ではないかと思われる。今作は、豊臣秀吉が息子鶴松を弔うために建立した祥雲寺(現智積院)の壁画を、長谷川等伯に描かせたもの。この時点で秀吉にとっては祥雲寺の壁画は一番大切なものだったと思われる。実際はもっとカラフルだったはず、美しい世界=浄土を描こうとしたのではないか。

 

金地に張り出した枝というのは、狩野派が得意とした構図。これだけ派手な手法で描いているにもかかわらず、静けさが感じられる穏やかさ。「松林図屏風」が描かれた年代は諸説あるようだけれど、今作と同時期に描かれたらしい。今作を描いたのは1592年で、その頃には久蔵を亡くしていたので、やはり「松林図屏風」のような、内に秘めた慟哭と、それを封じ込めた穏やかさが感じられる。鶴松を弔うための壁画だけど、久蔵を弔いながら描いたのかもしれない。勝手な想像だけど😅

 

かなり興奮気味でTweetしたのだけど、とにかく作品数が多くお宝ばかりなので、全然しぼれなくて作品についてほとんど触れていない💦 ということで、自分的に気になった作品を少し載せておく😌

 

岩佐又兵衛「洛中洛外図屏風(舟木家本)」

 

岩佐又兵衛(Wikipedia)「洛中洛外図屏風(舟木家本)」は、以前見たことがあり、さらに東京国立博物館のミュージアムシアターで解説動画も見た(記事はコチラ) とにかく、びっしりと描かれた人物たちが興味深いし、当時の京都の街並みなどもおもしろい。そして! なによりこの舟木家本の見どころは、左隻の一番左端に描かれた一条戻橋にいる子供が、作者である岩佐又兵衛なのではないかと言われていること。荒木村重の息子である岩佐又兵衛は波乱に満ちた少年時代を過ごした。家族と思われる人物たちと一緒の姿を描いているというのは、失われた家族への思いなのかな😢 と、興味深く見た。

 

「銀箔置白糸威具足」

 

この「銀箔置白糸威具足」は、松平忠直(Wikipedia)の鎧で、なんと関ヶ原の戦い(Wikipedia)で着用したものなのだそう! すごくないですか? 関ケ原でこれ着て戦ったんだよ!😲 日本史は好きだけど、特別歴女ってわけじゃない。でも、やっぱり感動するわ🥺

 

さて、せっかく「ぶらぶら美術・博物館」見てメモ取ったので、番組で取り上げられた作品の中で、見てきたものを載せておく😌

 

「泰西王侯騎馬図屏風」

 

番組メモ

「泰西王侯騎馬図屏風」は会津若松のお城にあった。日本人の画家が小さな挿絵を基に製作。キリスト教の神父が指導して描かせた。描かれているのは、右隻:左 モスクワ大公 右 タタール王、左隻:左 神聖ローマ皇帝 右 ルドルフ2世。武将たちが西洋の武将を見て喜んだ。宗教画ではないので残った。桃山時代の描き方。バランス感覚がない。物を大きく描く、力の時代。

 

「一の谷馬藺兜」

 

番組メモ

「一の谷馬藺兜」は豊臣秀吉愛用の兜。鉢の部分が絶壁のようの形の兜が流行った。源義経の鵯越を思わせて縁起がいい。馬藺というのはアヤメ科の植物。後ろの扇状のものは本来は銀色だった。29本。竹製? 実は向かって左下が一本無くなっている。人より目立たないといけない。俺様の時代。

 

狩野山雪「松鷹図襖 壁貼付」

 

番組メモ

「松鷹図襖 壁貼付」は二条城の障壁画で、以前は狩野探幽作と言われていた。現在は、狩野山楽(Wikipedia)の作品と言われているのだそう。狩野山楽は狩野永徳の代わりに東福寺の天井画を完成させた人物。徳川幕府の時代になって、狩野派は江戸に移ったが、山楽は京都に残り京狩野を形作る。今作の幹の太さは永徳のスタイルで、全体的に桃山のデザイン。乱暴ではないが、迫力がある。世の中が落ち着いた。平安時代に戻った? 平安時代も初期は密教で力強かった。平安時代から鎌倉時代にかけて、力強さから耽美な世界へ。そして鎌倉時代に運慶・快慶の力強い時代がくる。繰り返されている。まさにモーレツからビューティフルへ。

 

 

特に何か管理されたりしていたわけではないのだけど、入口に混雑緩和のため90分で見て欲しいという旨の張り紙があった。自分としてもできればそのくらいで見たいと思ったのだけど全然ムリですわ💦 人数制限しているためか空いていて、作品を鑑賞するために列を作って待つということは全くなかったし、空いている作品から見ていったので、かなりサクサク見れた。それでも、メモ取りながら見たとはいえ2時間半かかった💦

 

それだけ見応え十分過ぎる展示。とにかくお宝ばかり。一般2400円とお高め設定だけど、この内容ならば納得! この規模のお宝が集まることはめったにないと思う。

 

 

 

 

 

美術展を見に行ったら絶対購入しているポストカード。今回は「唐獅子図屏風」1点買い。かまわぬとのコラボした限定手ぬぐいがかわいくて購入✨ これは「陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様」の背中に描かれた模様。残念ながら「陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様」は前期展示だったため見れず💦 この色合いがカワイイ😍 手ぬぐいはもう1種類あった。

 

 

 

 

平成館から帰る時、本館の常設展もチラ見。展示室入ったらすぐに高村光雲の「老猿」が展示してあってビックリ! クイズ番組の上野の西郷隆盛像の作者はという問題の答えが高村光雲で、その時に「老猿」の話題が出いたので。それだけだけど😅 だけど、やっぱりすごいわ。猿の顔とか毛並みもそうだけど、背中の丸みで老いを感じさせるのさすが。

 

「大日如来坐像」

 

「不動明王立像」

 

「半沢直樹」でおなじみの階段脇の展示室では仏像が展示されているので、こちらも毎回見ている。今回展示されていた「大日如来坐像」と「不動明王立像」がとても良かった。どちらも平安時代作で、状態がとても良い。とくに不動明王は火焔もキレイに残っている。ちょっとコミカルな表情もいい。

 

新型コロナの第3波と思われる状況で、毎日400人越えの感染者が出ていてとても不安😓 なので、とてもオススメはしにくいのだけど、個人的には見に行ってとても良かったと思っている。毎回書いているけど、見れる機会があるなら本物を見るべきと思っているので。

 

かなりの人数制限をかけていると思われるし、入り口での検温など美術館側も対策を取っているし、マスク着用は厳守。それでも感染リスクはあるので、そこはご自分の判断で😌

 

🎨特別展「桃山ー天下人の100年」:2020年10月6日~11月29日 @東京国立博物館 平成館

特別展「桃山ー天下人の100年」:東京国立博物館

 


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