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【tv】ぶらぶら美術博物館「法隆寺 金堂壁画と百済観音」

2020-05-12 00:35:38 | tv

【tv】ぶらぶら美術博物館「法隆寺 金堂壁画と百済観音」

 

 

開催中の美術展や博物展を紹介する番組。今回は、残念ながら開催中止となってしまった「法隆寺 金堂壁画と百済観音」を取り上げていた。すごく見たかったので録画してメモ取りながら鑑賞。記事として残しておく。

 

また今回、開催延期となっている東京国立博物館 表慶館の「体感! 日本の伝統芸能」も紹介されていて、こちらも興味深かったので、字数が足りたら載せておく😌

 

先ずは「法隆寺 金堂壁画と百済観音」から。解説は保存修復室長の瀬谷愛さん。とても分かりやすい説明だった。

 

今年は1950年の文化財保護法(Wikipedia)制定から70周年に当たるそうで、これは1949年に法隆寺の金堂が火災に遭い壁画が焼損したことがきっかけで制定されたもの。そして、今回の目玉は23年ぶりに百済観音が東京で展示されること。現在は大宝蔵院百済観音堂に安置されているが、明治時代の写真によると金堂にいらしたらしい。

 

「法隆寺金堂模型」

 

会場に入ると直ぐに展示されていたのは「法隆寺金堂模型」で、これは昭和初期に作られた。昭和9年から60年まで昭和の大修理が行われたが、その前に作られたと思われる。焼損前の金堂の断面。中央の一段高くなっている部分が仏像を安置している須弥壇で、それを囲むように回廊がある。

 

法隆寺の伽藍が整備されたのは670年以降。「日本書紀」(Wikipedia)に670年に焼けたという記述があるが、金堂に使われている具材には670年以前のものが含まれていたため、それ以前から建設が始まっていたかもしれない。いずれにしても1300年以上前の建築物であることは間違いない。

 

本尊は釈迦三尊像で、回廊の壁に仏教を説く壁画が描かれていた。全部で12枚あり、模型の左側の手前が第十号壁。昭和24年(1949年)の火災時、金堂は解体修理中だったため屋根部分は別置されており難を逃れた。また仏像も別置されていたため無事だった。壁画の模写中に中央が焼けてしまい、壁画と柱が焼損した。日曜美術館で今展が取り上げられた時に作業中に使用していた暖房器具の不始末が出火原因ではないかと言っていた。そうだとすると切ない😢

 

今回は金堂を再現するような展示となっていて、江戸時代からの模写を展示している。

 

祐参「阿弥陀浄土図」

 

祐参による「阿弥陀浄土図」は模写というよりも、模写を基に作った新しい仏画。1852年に描かれたもので現存する模写としては最古。第六号壁から阿弥陀三尊と化生菩薩を抜き書き。後に知恩院の住職となる養鸕徹定(Wikipedia)が特別に拝観を許され、壁画に感動。弟子の祐参が模写し、後に仏画として描いた。

 

現在は山梨県の放光寺に安置されている。塩山出身の幕臣 真下晩菘(Wikipedia)が羅漢堂を再建し羅漢図を収めたことを聞いた養鸕徹定が、これを称えて寄贈したのだそう。山田五郎氏によると養鸕徹定は羅漢好きとのこと。

 

桜井香雲「模本 第一号壁 釈迦浄土図」

 

桜井香雲「模本 第一号壁 釈迦浄土図」は現状模写。汚れや剥落も写し取る。明治17年。全12面を写した最古の模写。燈明で写したので全体的に暗い。

 

そもそもはイギリス人外交官アーネスト・サトウ(Wikipedia)が一面だけ桜井香雲に発注。これをきっかけとして国家事業となる。最初の一点は現在大英博物館に所蔵されている。

 

何が描かれている? 中央に如来がおり周りに菩薩、お坊さんが10人描かれている。お坊さんは釈迦十大弟子で、釈迦の説法を表しているのではないか。

 

どのように描いた? 壁画に紙をピンで止めて、めくりながら描く"上げ写し"という手法を用いて描いた。12面を2年かけて模写。

 

※画像見つけられず😢

入江班「模本 第六号壁 阿弥陀浄土図」

 

昭和15~26年に描かれた入江班「模本 第六号壁 阿弥陀浄土図」 入江班のメンバーは入江波光(Wikipedia)、入江酉一郎(コトバンク)、吉田友一、川面稜一、林司馬(コトバンク)、多田敬一(コトバンク)の6名。

 

文部省内に法隆寺国宝保存事業部を作る大事業。建築家 伊東忠太(Wikipedia)、日本画家 安田靫彦(Wikipedia)、洋画家 和田英作(Wikipedia)なども参加。日本画家中心に4つの班に分かれて分担して模写。第六号壁は人気で皆がやりたがったためくじ引きで決めた。

 

新しい技術が使われた? 当時は海軍のみが使用していた蛍光灯を使って作業。作品からも明るさを感じる。壁面の素地は点描で描いている。これは典型的な模写法。

 

入江波光は他の仕事も引き受けず、白装束で模写するなど決死の覚悟で臨んだ。しかし、完成を見ることなく昭和23年に死去。昭和24年に火災が起き12枚中8枚でストップ。

 

鈴木空如「模本 第十号壁 薬師浄土図」

 

鈴木空如(Wikipedia)は12面を3セット模写した。秋田出身の仏画師で東京藝術大学在学中に桜井香雲の模写に感銘を受け、自己資金・独力で模写を始める。

 

大正11年(1922年)の今作が最初模写。法隆寺に通いつめ剥落、色彩などを写し取る。点描ではなくぼかしを使用。壁の傷みも描く。

 

空如は何故模写をしたのか? 恩師である山名貫義(Wikipedia)は文化財保護行政に携わった日本画家だったので、保護の大切さを空如に教えたのではないか? 模写を増やせば人の目に触れる機会が増え、保護したいと考える人も増えるのではないかと考えた。

 

「国宝 毘沙門天立像」平安時代 承暦2年(1078年)

 

本尊の釈迦三尊像の右側に安置されている。甲冑を身に着けて、右手に宝塔を持つ毘沙門天の特徴を備える。彩色や装飾がしっかり残っている。

 

山田五郎氏から模様は截金で描かれているのかとの質問。截金(Wikipedia)に見えるが違う。金箔を貼り色を塗り込んでいくという手法。線を描いた方が早い💦 あえて截金を使わないのは奈良地方の特徴。

 

「国宝 吉祥天立像」平安時代 承暦2年(1078年)

 

毘沙門天の妻。「国宝 毘沙門天」と同じ年に製作された。本尊の左側に安置。彩色は当時のもの。金堂が最初に公開されたのは江戸中期と言われている。人目に触れなかったことで保存状態が良いのではないか。

 

「国宝 観音菩薩立像(百済観音)」飛鳥時代 7世紀

 

出演者からは独特、別格、スーッと力が抜けている、酔拳で強い人との声が上がる。たしかに!

 

江戸時代には金堂に安置していたが、それ以前の伝来は不明。寺を転々としていたのではないかという説も。江戸時代には虚空蔵菩薩として法隆寺にあったが、明治時代に宝冠が土蔵から見つかった。

 

 

画像では分かりにくいけど、宝冠の中央に阿弥陀如来の姿が彫られている。阿弥陀如来が宝冠に描かれているのは観音菩薩のトレードマークなので、観音菩薩立像であることが確定した。

 

何故百済観音と呼ばれているのか? 江戸時代の資料に百済より伝来と記載があるが、実際はクスノキで作られており、クスノキを使うのは日本の特徴。百済からと記載があるために大正時代から百済観音と呼ばれている。

 

光背は竹のようなもので支えられているが、これは竹を模して彫られた支柱。この支柱の下の部分にボコボコした彫刻がしてある。この山形が人間界の山並みなので、百済観音は実は超巨大! スラリと大きい人々が及ばない力を表している。

 

第二会場では、大塚美術館でおなじみの大塚オーミ陶芸が2019年に複製した「第一号壁 釈迦浄土図(複製陶板)」や、東京藝術大学が2017年に製作したスーパークローン「法隆寺 釈迦三尊像」が展示されている。

 

「第一号壁 釈迦浄土図(複製陶板)」は焼損後の壁画の模写で、奈良県が中心となり高精細デジタル撮影したものを陶板に焼き付けた。焼損後の壁画にも価値があるという考え。たしか、法隆寺で保管されている焼損壁画も公開する方向で動いているんじゃなかったかな?

 

「法隆寺 釈迦三尊像」は、計測と解析を行い3Dプリンターで複製。それをもとにブロンズで鋳造した。本物の違いが1点。光背に火焔がついている。実は光背に何かがついていて痕跡があり、6世紀後半の東京国立博物館収蔵の仏像にあった光背をアレンジして付けた。この手法を想定復元という。

 

ということで、見たかったなーーーーーー😭 中止決定の記事(コチラ)にも書いたけど、百済観音は法隆寺で見ているけど、360度全身見れるというのは貴重な機会。360度見れるからこそ光背の支柱やその下の山を表している部分も見れるわけだからね。百済観音堂での展示方法がどんな感じなのか不明なのだけど、こんなに近くで見れる機会なかなかないのに😢 わざわざ奈良からお出ましくださったのに😫💦

 

もちろん百済観音だけでなく壁画も楽しみだった。壁画なので焼損していなくても本物を展示するのは無理なのだけど、模写でも雰囲気を味わいたかったし、そして模写にかけた人々思いなども感じたかった。なにより展示の仕方がめちゃカッコ良かったのよ😭

 

「体感! 日本の伝統芸能」

 

 

文字数大丈夫そうなので、一緒に紹介されていた「体感! 日本の伝統芸能」についてもチラリと紹介しておく。こちらは、文化庁と独立行政法人日本芸術文化振興会による日本博 Japan Cultural Expoと、文化庁と宮内庁そして読売新聞による紡ぐ TSUMUGU:Japan Art & Cultureのプロジェクトの一つで、ユネスコ無形文化遺産である歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊を紹介する企画展。

 

解説は国立劇場の大木晃弘氏。とても分かりやすい解説だった。

 

まずは、狩野長信の「花下遊楽図屏風」のプロジェクションマッピングが展示されている。2枚が関東大震災で焼失してしまったが、ガラス版からキヤノンが複製した。

 

歌舞伎

「義経千本桜」道行初音旅の舞台を再現。実際に上って鑑賞できる。静御前と狐忠信の衣装は本物。セットも本職の方が作成。「暫」などの衣装を展示。さらに「隈取」の合成写真的なことができるインタラクティブ展示も楽しめる。

 

文楽

「本朝廿四孝」奥庭狐火の段のセット。実寸大。中に入れる。

 

能楽

能楽舞台の再現。般若の面体験。

 

組踊り

琉球舞踊「御冠船舞台」を再現

 

雅楽

鼉太鼓の展示

 

体験型企画展でとても楽しそうだった! 特に歌舞伎の「暫」の衣装の袖の大きさがすごくて、これは見てみたいと思った! しかし現在はコロナ対策で休館中。このまま終わってしまう可能性も?と心配したけど、公式サイトによると5月24日までとなっていた会期が未定となっているので延長されるかもしれない。是非、会期延長して欲しい!

 

美術館も混雑すると密になってしまうので、緊急事態宣言が解除されても直ぐに通常どおりの営業とはならないかもしれない。美術館や博物館も何年もかけた企画展が中止になったり、会期延長するにしても調整が大変だろうと思う。問題なく行けるようになったら、今まで以上に通うから頑張って欲しい! ガンバレ!!

 

ぶらぶら美術博物館:毎週火曜日 20:00~21:00 @BS日テレ

BS日テレ - 「ぶらぶら美術・博物館」番組サイト


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