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【art】「テート美術館所蔵 コンスタブル展」鑑賞@三菱一号館美術館

2021-04-18 02:33:29 | art

【art】「テート美術館所蔵 コンスタブル展」鑑賞@三菱一号館美術館

 

 

コンスタブルという名前は聞いたことはあったものの、正直あまりピンときていなかった。ターナーとの直接対決を再現ということろに惹かれて見に行ったのだけど、これはとても良かった! 

 

イギリスが世界に誇る風景画の巨匠ジョン・コンスタブル(Wikipedia)の回顧展。35年振りの開催とのことで、コロナ禍の中テート美術館から約40点の作品が来日。

 

感想をTweetしておいたので、それに追記する形で感想記事とする😌

 

 

 

 

三菱一号館美術館では毎月第2水曜日の17時以降、マジックアワーということで1200円で鑑賞できる。マジックアワーも時間指定制となっていて、18時入場回のチケットを購入。18時まで仕事して18時20分頃会場入り。そんなに混んでいなかったので自分のペースで見れた。

 

 

ぶらぶら美術博物館(記事はコチラ)では肖像画からスタートしていて、最初に「ジェイムズ・アンドリュー師」を紹介していたけれど、実際はこれは後の方の展示。展示順に紹介していたわけではなかったらしい🤔

 

「自画像」

 

ジョン・コンスタブルは製粉所を営む裕福な家庭の4男で、背が高く端正な容姿が評判だったらしい。この自画像だとちょっと頭髪が薄めな印象だけど、イケメン風ではあるかな🤔 

 

とても生真面目だったのか、スケッチではなくて屋外で完成まで描いたり、雲について研究したりしていて、その手法だったり作風が印象派やバルビゾン派に影響を与えるわけだけれど、本人的には自然な流れだったのかなと思ったりする。上手く言えないけど、天才肌の人ではなく秀才型なのかなと🤔 どんどん上達していっている感じだったので。

 

「デダムの谷」

 

コンスタブルの時代は浮世絵の影響は全くなかったと思うけれど、この木を手前に大きく描く手法がちょっと歌川広重(Wikipedia)っぽくて面白い。

 

「ヤーマスの桟橋」

 

とても気に入った作品の一つ。画面のほとんどを占める空は、おそらく後から語る「雲の習作」の成果によるものか雲がとても印象的。波の表現もいいし、やっぱり構図が面白い。

 

「チェーン橋、ブライトン」

 

妻のマライアが結核になってしまい、その療養のためにブライトンに行ったようだけれど、コンスタブル自身は気に入らなかったらしい。ブライトンには砕ける波と空以外にないと語ったのだそう。

 

海岸を描いた唯一の大型作品で、中央に描かれているチェーン橋は1823年11月に完成。近代的なものが漁師町を侵食していく様子を描いているのだそう。

 

右側が海で、左側から橋が伸びている構図は「ヤーマスの桟橋」と同じなのだけど、今作の方がいろいろ描き込まれている。まぁ、大きさが違うこともあるのだけれど。今作には"コンスタブルの雪"と呼ばれる、白い点々が波などに使われていた。

 

「雲の習作」

 

1821-22年まで空の研究をしていたそうで、空の習作を100点ほど描いたのだそう。描いた日の天候、日付、時間を裏面に記載しており、今作は「1822年8月27日 風向き南西 11時ー正午」と書かれているとのこと。1時間で描いたということらしい。

 

習作なので、作品として発表したものではないかもしれないけれど、これは立派に作品として成り立つと思う。見ていて飽きない。部屋に飾りたい。

 

 

「ウォータールー橋の開通式」

 

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」

 

今回の目玉1832年に開催されたロイヤル・アカデミー展を再現した展示。同じく風景画の巨匠ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(Wikipedia)の作品と並んで展示された。

 

この頃には既にロイヤル・アカデミーの正会員になっていたようだけれど、とにかく批評家たちの評価を得ようと、アカデミーの展示で目立つように大作を出品し続けたそうで、「ウォータールー橋の開通式」はとにかく大きい! 

 

一方のターナーの作品は一回り以上小さい。ターナーとしては「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」はメインの作品ではなかったのかな? とはいえ、コンスタブルの大作に対して見劣りがすると考えたのか、波間に赤い四角を描き足したのだそう。

 

「ウォータールー橋の開通式」で描かれているのはテムズ川だけど、「ヤーマスの桟橋」や「チェーン橋、ブライトン」と同じく水面が右側に描かれており、左側から橋が伸びている構図。この構図好きだったのかな? ジョージ4世も描き込み、代名詞の"コンスタブルの雪"を存分に使った力の入った作品だけど、ちょっと過多かな😅 意気込み過ぎな気がする。

 

スッキリとした構図と光の表現でターナーの方が好みかな。やっぱり描き足した赤が効いている。この対決以外にもターナーの作品が展示されていたけれど、全体的にスッキリしていて、個人的にはターナーの方が好み。

 

 

「虹が立つハムステッド・ヒース」

 

 

最後の展示「虹が立つハムステッド・ヒース」は亡くなる前年の作品。このブランチヒル池の眺めは人気で、この構図を土台に何点も描いたけれど、今作が最後の一点とのこと。今作にも"コンスタブルの雪"がふんだんに使われている。

 

晩年になると実際にある風景をそのまま描くのではなく、例えば好んでよく描いていたという小作人ウィリー・ロットのコテージも、かなり大きな家として描いたりしていたらしい。なので、おそらく今作にもデフォルメや本来は無いものも描かれているかもしれない。それがなんだか幻想的というか、この世のものではない風景のように感じて、とても不思議な気持ち。

 

そうそう!「虹が立つハムステッド・ヒース」は撮影OK! 撮影OKの張り紙があるけど、わりと気づかないので注意!

 

 

 

美術展を見に行くと必ず購入するポストカード。今回は3種類。「ウォータールー橋の開通式」と「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」はこういう配置で並んでいた。直角になる感じ。ヴィンテージマーマレードは三菱一号館美術館に行くたび気になっていたので購入。食べるの楽しみ😃

 

正直に言うと好きになったというほどではない。前述したとおりターナーの方が好みだし。でも、後の印象派やバルビゾン派に影響を与えたというのがとてもよく分かったし、風景画を一つのジャンルとして評価を確立させた人物として知ることができてとても良かった。

 

18時20分頃から見始めて、しっかりメモ取りながら鑑賞。お土産も購入して美術館を出たのが20時頃。三菱一号館美術館はそんなに広くないし、点数もそんなに多くはなかったけれど、とても見応えがあった。5月30日までなので、5月12日にマジックアワーがある。これ絶対にお得だしオススメ✨

 

🎨テート美術館所蔵 コンスタブル展:2021年2月20日ー5月30日 @三菱一号館美術館

テート美術館所蔵 コンスタブル展


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