総合病院に入ると形式的な診察の後、用意された病室に入った。
病院衣に着替えてベッドに横になると直ぐに鼻に酸素ボンベのチューブが差し込まれて、
胸部には心電図のリード線の電極みたいな物があちこちに貼り付けられ、
最後は忌々しい点滴針を刺されて立派な入院患者が出来上がった。
こうした後漸くインフルエンザの抗生物質による治療が開始された。
外が暗くなった頃点滴は終わった。
私は検温に来た看護師に体温を尋ねたら39℃と返事があったことは覚えている。
突然、耳元で鋭い声がしたので目を開けると
「和尚さんどうしてこんなところに寝ているのですか?何処か痛むところは有りませんか?」
と叫んでいる二人の看護師の顔が目の前に有った。
私は回りを見回して自分が床で寝ている事を悟り仰天した。
しかも枕元から4m程離れた足元の通路だった。・・・
その後どうやってベッドに戻ったのかさえ未だに記憶がないのだ。
目が覚めたのは翌朝だった。
熱も下がり久しぶりに気分は爽快で
場合によると今日、明日にも退院許可が出るのでは胸算用もした。
私は昨夜の出来事の記憶をすっかり喪失していた。
朝の検温が始まると看護師が回ってきたが、
その内の何人かは「大丈夫ですか」言いつつ、私を物珍しげに見て納得して出ていった。
しかし、病院は私の昨夜の行動を見過ごす事は無かった。
直ぐに[徘徊第一種]という病名を私に付けて観察を強化する措置を取った。
空色の札がその印である。
私はさらに退院時期が延びることを覚悟した。
つ づ く
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私に当夜の記憶がないですが看護師の話を総合すると多分タミフルのせいだと思います。貴重な経験をしたと思っています。
身体の方はゆっくりとですが健康を取り戻しつつようにあるな気がします
オリーブ油は毎日塗り込んでますよ、薬効が表れ始めています。改めてありがとう