徘徊騒動の翌日は疲労の極みだった。
インフルエンザの熱は引いたものの身体に力が入らず、ベッドの乗り降りも電動ベッドの力を借りた。
健康な人の血中酸素の値は95以上らしい。
入院した翌日の私の血中酸素の値は82前後と健常者のそれと比べてかなり低いものだった。
看護師は「息苦しくありませんか?」と繰返し私に聞いた。
通常の場合、血中酸素が85前後に下がると息苦しさを訴えるらしい。私は疲れはて
声を出すのも苦痛だった。
治療の内容は昨日の延長と言ってよく、点滴は抗生物質と大きな溶液、
酸素の補給量はダイアルを③にセットされた。
そして病名は「間質性肺炎」だと知った 。
私は点滴も酸素も嫌いだ。ただでさえチューブを引きずって歩く姿は重病人然としているのに、
今回は心電図モニターという重量物をぶら下げている。
トイレの行き帰りに厭でも目に入る鏡の己の姿は老いて痛々しく、
絵になるくらい哀れに見えた。
主治医は血中酸素の値が90前後に回復したら退院を考えましょうと言った。
私はその数字であれば4~5日の間、
真面目に点滴と酸素を続ければ容易に目標は叶えられそうだと思った。
〈血中酸素計、左側の数字が血中酸素〉
ところが直ぐ難題に気づいた。私はインフルエンザとの闘病で拒食症になっていたのだ。
(5) につづく
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どう見ても重症患者ですね。よくぞそこまで我慢なされたものです。ある意味「あっぱれ」でございます。ブログが途絶えて、随分心配しましたが、やはりそれなりのドラマがあったのですね。よくぞ無事御帰還されました。しかしまだ続きの「拒食症」があるのですね。次回をドキドキしながらお待ちしております。(笑)
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