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バイオリニストみどりさんの社会貢献(日本のぼんくら著名人も見習ったら)

2013-06-18 | Weblog

五嶋みどりさん:夜間学級で出前演奏、交流

守口市春日町の市立第三中学校夜間学級で12日、世界的なバイオリニスト、五嶋みどりさん(41)がコンサートを行った。同学級は、今年で開設40周年。五嶋さんは、夜間学級の開設を決めた当時の木崎正隆市長のひ孫。生徒約60人が美しい音色を楽しんだ。

現在、夜間学級には約120人が在籍し、6割が中国残留孤児の家族や在日韓国人など。4割は、戦争や貧しさで義務教育を受けられなかった日本人という。

学ぶ意欲のある人らの要望を受けて木崎市長が開設を決断。「本当に勉強したい人が行ってはる」と、木崎市長は毎年卒業式に駆けつけた。

五嶋さんは11歳でニューヨーク・フィルと共演するなど国際的に活躍。社会貢献活動に熱心で、NPO法人を設立して地域の小学校などで演奏を続けている。

五嶋さんは、音楽室でビオラやチェロの演奏者とともに6曲を披露した。演奏の合間に生徒たちは夜間学級について説明し、「学びは喜びであり、生きている証し」などと思いを語った。小3から家の手伝いに追われ、学校に通えなかった門真市の熊谷久子さん(64)は「漢字が読めるようになり、人生が180度変わった。今は生きることが楽しい」とはつらつとした表情を浮かべた。

演奏後、五嶋さんは「いつまでも勉強に励む皆さんと、練習に終わりのない私たち演奏家には共通点がある」と話した。熊谷さんは「演奏は力強いのに優しくて、とても励まされた」と感動していた。


管理人コメント

五嶋みどりさん:1971年10月25日生。大阪府出身。「天才少女」と呼ばれた世界のトップバイオリニスト。国連平和大使でもあり米国を拠点に演奏や社会活動。

イオリニストの母の影響や指導もあり、2歳の時からバイオリン(1/16サイズ)にふれる。

6歳の時には、すでにステージに立ち、パガニーニの「カプリース」を演奏している。さらに、8歳の時、演奏を録音したテープを米ニューヨークにあるジュリアード音楽院のドロシー・ディレイ教授に送り、入学オーディションに招かれている。

そして小学校5年生の時にはじめて渡米。ジュリアード音楽院に入学している。この入学オーディションで演奏したのが、バッハの「シャコンヌ」。入学後、ディレイ教授の下でバイオリンを学びながら、一方で、ズービン・メータ指揮のニューヨーク・フィルハーモニックとパガニーニの「バイオリン協奏曲第1番」第1楽章で、特別ゲストとして招かれ協演している。このときまだ11歳。まさに「神童」としての米国デビューだった。

そうしたデビューもあって、15歳の時にジュリアード音楽院を中退している。ちなみに、30歳近くになって大学に再入学し心理学を専攻し、ニューヨーク大学から修士号を得ている。

世界のトップバイオリニストの一人だが、おごることなく、海外では “Midori” と親しみをもって呼ばれている。

とりわけ、管理人が彼女に魅かれたのは、社会事業活動だ。早くから社会事業に関心を持ち、非営利団体「みどり教育財団(Midori & Friends)」を米国で立ち上げ、教育環境が行き届かない都市部の公立校に通う生徒を対象に音楽の楽しさをつたえる活動をおこなっている。

また2001年にはエイヴリー・フィッシャー賞を受賞しており、その賞金をもとに「パートナーズ・イン・パフォーマンス」基金(通称PiP)を設立もしている。

その後もより地域コミュニティーに根ざした「ユニバーシティー・レジデンシー・プログラム」と「オーケストラ・レジデンシー・プログラム」を次々に立ち上げている。

「音楽に何ができるのか」という問題意識をもって活動に参加した音楽家は、途上国に行き、ゴミの山の隣で灼熱のなか冷房もない劣悪な環境に置かれた時、自分たちにできるのは音楽しかないと自覚する。演奏を始めると、ゴミの臭いも暑さも気にならなくなり、自分が音楽に救われていることに気付く。その結果、音楽に対する考え方や社会との関わり方が変わっていく。ホール以外の場所に積極的に出て行けば、色々な気持ちを経験できるのです。音楽を通じて社会に貢献できる喜びを知って20年たった。やり始めたら、やめられません。音楽の可能性を突き詰めたいという思いがますます強くなっています。(2012/2/1付日経) 

 

米国では著名人になればなるほど、社会貢献が求められており(義務ではなく自分を育ててくれたのは社会であり、その恩返しとして、の意味)、これを果たすことがプロの精神でもある。日本と大いに異なる点だ。

 “タングルウッドの奇跡” 1986年、彼女が14歳の時、事件がおこった。ボストン交響楽団と共演したタングルウッド音楽祭において、レナード・バーンスタインの指揮下、「セレナード」第5楽章を演奏中にバイオリンのE線が2度も切れるというアクシデントに見舞われた。当時彼女は3/4サイズのバイオリンを使用していたが、このトラブルによりコンサートマスターの4/4サイズのストラディヴァリウスに持ち替えて演奏を続けるも、再びE線が切れてしまった。2度目は副コンサートマスターのガダニーニを借りて、演奏を完遂した。これにはバーンスタインも彼女の前にかしずき、驚嘆と尊敬の意を表した。翌日のニューヨーク・タイムズ紙には、「14歳の少女、タングルウッドをバイオリン3挺で征服」の見出しが一面トップに躍った。また、この時の様子は、「タングルウッドの奇跡」として、米国の小学校の教科書にも掲載された。


 五嶋みどり タングルウッドの奇跡


安倍のネトウ夜遊び G8外遊中に(これでも一国のトップ)更新6/18

2013-06-18 | Weblog

6/18

更新記事:小泉氏「批判あるのは当たり前」=安倍首相の「名指し反論」に苦言

自民党の小泉進次郎青年局長は18日、安倍晋三首相がインターネット交流サイト「フェイスブック」で元外務審議官の田中均氏を名指しで批判したことに関し、「個人の名前を挙げて反論、批判はすべきじゃない。

(首相への)批判はあって当たり前で、受け止めながらやっていかないといけない」と苦言を呈した。国会内で記者団に語った。

小泉氏は「批判や中傷を受けながら、多くの方に信頼されるのが政治家の道だ。(批判を受けるのは)政治家の宿命だと思いながら、結果を出すことに専念した方がいい」と首相をいさめた。

6/18

更新記事:安倍首相 異常で異様な言論弾圧

元外交官の論評に逆ギレ

コイツ、大丈夫なのか。誰もが唖然としたのが安倍首相のフェイスブックだ。元外務審議官の田中均氏のインタビュー記事(12日付毎日新聞)に激高し、フェイスブックに「彼に外交を語る資格はありません」と書き込んだ一件である。

田中均氏といえば、2002年の小泉訪朝の際に、北とのパイプ役になった人物だ。北との融和路線を模索し、日朝共同宣言を後押しした。強硬路線だった安倍とは当時から対立しているのだが、それにしたって、安倍の過剰反応にはビックリしてしまう。田中氏が語ったのはごくごく当たり前の論評だからだ。

「安倍晋三首相の侵略の定義や河野談話、村山談話をそのまま継承するわけではないという発言や、麻生副総理らの靖国参拝、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦についての発言などで、(日本は)いわゆる右傾化が進んでいると思われだしている」

「飯島さんの訪朝がスタンドプレーだとは言わないが、そう見られてはいけない」

「日本が自己中心的な、偏狭なナショナリズムによって動く国だというレッテルを貼られかねない」

別に田中氏の肩を持つわけじゃないが、主張はいちいち、もっともだし、的外れであったとしても、言論の自由だ。

なのに、安倍は「外交を語る資格がない」と田中の言論活動そのものを否定した。「外交官として決定的判断ミス(をした)」とも書き込み、ヒステリックに騒いだ。これはどう考えたって異常だ。

「安倍さんは興奮すると、抑えられなくなってしまう。とくに中国、北朝鮮にはナーバスで、“脅しに屈しない”などと騒いだりする。今度も、そんな危うさが見えてしまった」

与党関係者ですら、こう言っているのだ。当の田中氏にコメントを求めると、「この件では取材に対応しないことにしている」とスタッフが答えた。元外交官の天木直人氏はこう言った。

「言論を否定するような書き込みは論外ですが、安倍首相にしてみれば、痛いところを突かれたのも間違いない。本当は飯島訪朝で拉致問題を進展させたかったのに米国に釘を刺されて、動けなくなった。そこをよりによって拉致問題で対立してきた田中氏に突かれたものだから、余計に冷静さを失ったのでしょう」

いずれにしたって、安倍の書き込みは致命傷だ。世界はますます、奇異の目で見るだろうし、野党は国会で徹底追及し、平気で言論弾圧する最高権力者を追放しなければウソである。


6/16 安倍、G8外遊先からFBで細野に反論


記事産経:細野氏は「的外れ」 ポーランドから首相反論

欧州歴訪中の安倍晋三首相は16日、外遊先から自らの交流サイト「フェイスブック」に投稿し、首相の田中均元外務審議官への批判をめぐり、民主党の細野豪志幹事長が「一民間人への批判は自制すべきだ」とした首相批判に反論した。首相は田中氏が「外務省元幹部」の肩書でメディアに露出していると指摘し「一個人との認識は全く的外れ」と切り捨てた。

同時に、細野氏の批判を「私の的確な反論を封じようとの意図でしょう」「よくあるパターンの攻撃」と断言。細野氏が田中氏の当時の行動を問題視していないとして「(拉致問題をめぐる)あの時の自身の政治家としての行動に対する自省は全くない。だからダメなんです」と批判した。

管理人コメント:

まさにこの男は異常だ。便秘がちなケツの穴がちいさな小心者どころの話ではない。一国のトップが、G8という重要な国際会議をひかえた外遊中に、こともあろうに、夜中のホテルの一室で、一人パソコンを広げて、たかだか相手(細野)が自分の発言を批判したぐらいのことで、そこいらの程度の低いネトウヨ並みの投稿に興じている。

諸外国では信じられない話だ。そもそも諸外国では、テロリストの危険を避けるために、外遊中の個人的な交信はトップといえども厳しく制限されている。

だから、安倍が外遊先から自らの交流サイト「フェイスブック」に投稿したことは、はからずも危機管理能力にかけている自分を国民にさらけ出す結果になった。


6/14 安倍、田中に反論


記事毎日:安倍首相:田中均氏に「外交語る資格なし」 インタビューに反論

安倍晋三首相は12日、毎日新聞が同日付で掲載した田中均元外務審議官のインタビューに対し、自身のフェイスブックで「彼に外交を語る資格はありません」と反論した。田中氏が2002年に帰国した拉致被害者5人を北朝鮮に送り返すべきだと主張したことが理由としているが、インタビューのどの部分に対する批判かは言及していない。

首相は「外交官として決定的判断ミスと言えるでしょう。それ以前の問題かもしれません。そもそも彼は交渉記録を一部残していません」とも指摘した。

菅義偉官房長官も13日の会見で「日本が右傾化しているという(田中氏の)主張は全く当たらない」と強調。人格否定ではないかとの質問には「(官房副長官時代に)ご自身で体験したことなので、そういう形の中で書かれたのではないか」とかわした。

 インタビューで田中氏は「首相の侵略の定義や河野談話、村山談話をそのまま承継するわけではないという発言などで、いわゆる右傾化が進んでいると思われ出している」などと述べた。


 6/12 田中の発言インタビュー


記事毎日:保守主義と歴史認識:右傾化、日本攻撃の口実に 田中均氏に聞く

インタビューに答える国際戦略研究所の田中均理事長=東京都港区赤坂で2013年6月6日、西本勝撮影
インタビューに答える国際戦略研究所の田中均理事長

◇田中均(ひとし)氏

 −−諸外国で日本の右傾化に懸念が強まっていると聞きます。

◆外国での国際会議などで、日本が極端な右傾化をしているという声が聞こえる。一方、安倍政権ができ、アベノミクス効果などで日本も政治の停滞を抜け出すのではないかという期待の声もある。しかし、安倍晋三首相の侵略の定義や河野談話、村山談話をそのまま承継するわけではないという発言や、麻生太郎副総理らの靖国参拝、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦についての発言などで、いわゆる右傾化が進んでいると思われ出している。

 −−日本の右傾化を諸外国が利用している面もあるのでは。

◆中国との尖閣問題、韓国との竹島問題などで、日中、日韓関係が厳しい状況にある中、中韓に日本を攻撃する口実を与えてしまっているという面はあるのだろう。この機会に日本をたたけと。

 −−米国はどうですか?

◆米国は中東からアジアへの関心の「リバランス(再均衡)」政策を図っている。中国を大事にする、しないではなく、東アジアを安定的な地域にしないと、米国の経済的、政治的利益が担保できないから、中国と向き合うことが必要だと。しかし、日本が中韓との関係で孤立しているように映っている。それは米国の国益にもそぐわないという認識が強い。中国と建設的に向き合うためにも日本の協力が必要だが、日中が角を突き合わせている状況は具合が悪いとの認識がある。

 −−安倍首相は批判が出るとブレーキはかけますね。

◆侵略の定義とか、村山談話、河野談話、憲法96条の改正などで現実的な道をとろうとしていると思う。しかし、あまりそれを繰り返すと、根っこはそういう思いを持っている人だということが定着してしまう。参院選までは抑えるけど、それ以降はまた出てくるのではないかとの印象を生んでいる。それが日本の国益のためにいいかと。

 −−飯島勲内閣官房参与が訪朝しました。米韓への事前の説明が不十分だったと指摘されています。

◆私が北朝鮮と交渉した時もそうだが、日本の課題があるから、すべてを他の国に相談してやっていくということではない。拉致問題は極めて重要で、日本が自ら交渉し解決していかなければならない。だが、核、ミサイルの問題は日本だけでは解決できず、関係国との関係を損なわないようにうまくやっていかなければならない。小泉純一郎元首相が常に言っていたように、拉致と核、ミサイルを包括的に解決するのが日本の政策なのだと思う。飯島さんの訪朝がスタンドプレーだとは言わないが、そう見られてはいけない。

 −−最近の日本外交は二言目には、中国をけん制するというのが出てきます。

◆ロシアやインド、東南アジアとのパートナーシップを強化すること自体は正しい。だが、それを価値観外交と言えば、中国を疎外する概念になる。価値観外交と掛け声をかけることが正しいとは思わない。中国が将来覇権をとるようなことがないように共にけん制しようというのは、静かにやること。声を大にして「けん制しますよ」というのは外交じゃない。政治家は勇気を持って日中関係はいかに大事かを語らないといけない。

 −−課題山積です。

◆日本が自己中心的な、偏狭なナショナリズムによって動く国だというレッテルを貼られかねない状況が出てきている。日本の再生は可能だと思うし、政治の力でそれを実現してほしい。日本に国際社会からこれだけ注目が集まることは、1年前は良くも悪くもなかった。それを無にしないことが大切でしょう。【聞き手・高塚保】

安倍政権発足後、日本の保守化、右傾化に国内外で警戒感が強まっている。安倍政権はどこに向かおうとしているのか、そして、それは国益に合致しているのか。政治家、有識者に聞いた。

■人物略歴 1969年、外務省入省。アジア大洋州局長、外務審議官を歴任。2002年の小泉訪朝に尽力した。現在は日本総合研究所国際戦略研究所理事長。


参考ブログ 杉浦正章「永田町幹竹割り」 


田中批判にみる危険な陥穽 
孔子が君主の理想を「威ありて猛からず(いありてたけからず)」と述べている。威厳はあるが、心の底に温情があって決して荒々しくはないのが宰相のあるべき姿だというのである。残念ながら今回の首相・安倍晋三による元外交官・田中均批判は、この教えに逆行する。そればかりか、さらなる君主の条件とされる「諫(いさめ)めを拒み非を飾る」に堕しそうになっている。忠告を拒み自分の非を弁護し、付和雷同者だけを重要視する傾向である。政権発足から半年が過ぎて、安倍は意外な“小人ぶり”を露呈してしまった。最大の陥穽(かんせい)はネットの“素人”が、感情丸出しでこれを活用しようとして失敗している点にある。このまま放置すると取り返しのつかないことになる。

今を盛りの国のトップが、一民間人である外交官の過去をえぐって非難するケースを初めて知った。しかも真っ向幹竹割りそのものの批判だ。田中の毎日新聞のインタビューの急所を要約すれば「日本が極端な右傾化をしているという声が聞こえる」「中韓に日本を攻撃する口実を与えてしまっている」「日本が中韓との関係で孤立しているように映っており、それは米国の国益にもそぐわないという認識が強い」「飯島さんの訪朝がスタンドプレーだとは言わないが、そう見られてはいけない」「偏狭なナショナリズムによって動く国だというレッテルを貼られかねない状況が出てきている」の5点に尽きる。 

これに対して安倍は「彼に外交を語る資格はない」と断じたのだ。さらに安倍は「田中氏は5人を北朝鮮の要求どおり、送り返すべきだと強く主張した。田中氏の判断が通っていたら、拉致被害者や子どもたちは、いまだに北朝鮮に閉じ込められていたことだろう」と非難。加えて「外交官として決定的判断ミスだと言える。そもそも彼は北朝鮮との交渉記録を一部残していない。彼に外交を語る資格はない」と言い切った。一連の書き込みは、小泉純一郎訪中以来の官房副長官・安倍とアジア大洋州局長・田中の「相克」を明らかに引きずっている。田中と内閣官房参与・谷内正太郎は同期であり、両者の「葛藤」も間違いなく絡んでいる。

「安倍と訪朝した飯島は田中が天敵」と自民党幹部が漏らしていることも当たっているのだろう。

その安倍発言を分析すれば「外交を語る資格はない」は、外交官を断罪する言葉として究極の強烈さをもつ言葉であるが、それほどのことを言っているだろうか。田中の5発言はごく自然な表現であり、最近の官邸外交の特徴をよく捉えている。むしろ発言を寛容に受け止めて、是正すべきは是正する度量が必要な発言でさえある。安倍・田中の“相克”を知らない者は唐突なる批判にあ然とするだろう。拉致被害者を「送り返すべきだ」と田中が進言したことも、首相・小泉は採用せず5人の被害者を留め置いた。政治家が最終判断に至るまでに官僚は様々な選択肢を提示すべきであり、田中は当然の義務を果たしただけではないだろうか。さらに安倍発言の致命的な部分は「そもそも彼は北朝鮮との交渉記録を一部残していない」という部分だ。これは北朝鮮や中国のスパイが欣喜雀躍(きんきじゃくやく)して報告する部分だ。なぜなら安倍が飯島訪朝に先立って懸命になって交渉記録を探させたことを物語るからだ。

このような安倍発言の露出はどうして生じたかを分析する必要がある。まず第一に安倍は就任以来三日しか完全休養を取っておらず、誰が見てもワーカホリック(働き中毒)的な異常性を帯びている点だ。これが自らのいら立ちを高め、多少の批判にこらえ性のない反応を示す。安倍は9日にもフェイスブックで「聴衆の中に左翼の人達が入って来ていて、マイクと太鼓で憎しみを込めてがなって一生懸命演説妨害してました」と書き込んだ。慌てて翌朝になって消してしまったが、野党の批判を浴びた。これと酷似したのが今回の田中批判だ。酒に酔って深夜ウエブに書き込みをすると、勢い余って書きすぎることは誰にもあることだが、安倍にもその可能性があるのではないかと推測される。

いずれの発言も安倍への支持が強い「ネトウヨ(ネット右翼)」を意識したものであろうが、逆にネットではいい餌食にされてしまっていることを知らない。ざっと見て8対2で批判の方が多い。書き込みは明らかに野党の職員や政治家が行っているとみられるケースもある。自民党も官邸もこの安倍の夜中の書き込みを放置しておくとほぼ100%の確立で高転びに転ぶと思っていた方がよい。国のトップのネットへの書き込みは、新しい情報伝達の手段として重要であり継続はすべきだ。しかし首相という国のトップが1人で側近の精査もなく、生の言葉を書き込むことほど危険なことはない。パソコン通信時代からの「ウエブお宅」の筆者が言うのだから間違いない。

最後に同じ田中でも田中角栄が首相対官僚のあるべき姿として述べている発言を紹介する。安倍は拳拳服膺(けんけんふくよう)せよ。「日本の官僚は優秀だ。こちらのほうに官僚を説得させるだけの能力があるか否か。次に、仕事の話にこちらの野心、私心というものがないか否か。もう一つは、官僚が納得するまで、徹底的な議論をやる勇気と努力、能力があるか否かだ。これが出来る政治家なら、官僚たちは理解し、ついてきてくれる」。

 

 


安倍自民に陰り 自・公の地方選挙区で苦戦(さいたま市長選)更新6/18

2013-06-18 | Weblog

6/18

更新記事:参院選に暗雲 自民「地方選」の敗北続き

一人いい気になっている安倍首相に警告

また自民党が地方選で惨敗した。16日行われた静岡県知事選は、現職の川勝平太氏(64)の圧勝に終わった。自民党の新人候補は〈108万票 vs 34万票〉とトリプルスコアの大差をつけられての大敗である。

自民党は4月以降、地方選で敗北続きだ。まったく勝てない。さいたま市長選、名古屋市長選、八千代市長選……。自民党の牙城である青森市長選や郡山市長選でも負けている。

「安倍政権の支持率は60%と高いですが、『民主党よりはマシ』『とりあえず株価は上がっているし』と、なんとなく支持されている程度ということでしょう。本当に支持されていれば、どんな選挙でも勝つものです」(政界関係者)

そもそも、世論調査でも「景気回復の実感はない」が78%に達している。暮らしが良くなっていないのに、積極的に支持するはずがない。安倍政権の「原発政策」についても、「反対」59%、「賛成」は27%だ。

この調子では7月の参院選もどうなるか分からない。

「メディアは自民党の圧勝を予測しているようですが、地方選の結果を見ても分かるように、自民党は決して盤石じゃない。自民党の政策に反発を強めている地域がいくつもあるからです。たとえばTPPです。TPPに反対している山形や宮城など4県の農協は、野党候補の推薦を決めている。また、原発を抱える自治体には反自民の空気が強い。7月の参院選は、地域によって自民党は苦戦するはずです。典型は沖縄です。3月までは自民支持が多かったのに、安倍政権の沖縄政策に反発し、4月に逆転している。ただでさえ国政選挙は、直前にムードが変わる。まだまだ参院選の行方は分かりませんよ」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

6年前の参院選も、安倍首相は自信満々で臨んだが、大敗して辞任に追い込まれた。また、同じことが起きるのではないか。


6/1

記事:自民 首長選で敗北続き 地方組織に緩み:

安倍内閣が高支持率を続けるなか、地方選での与党候補の敗北が相次いでいる。地方で自民党の地力が十分には戻っていない部分があるためとみられ、参院選を前に自民、公明両党内にはいらだちも募っている。

「自民党の支持率が高いのに首長選でコロコロ負ける例が目立つ。国政は別という人がいるが、自分の名前を書かせることに変わりはない」。自民党の高村正彦副総裁は5月29日に記者団に語り、地方選の結果に不満をにじませた。

自民党は千葉市長選(5月26日投票)で民主系現職に対立候補を擁立できない「不戦敗」を喫し、さいたま市長選(5月19日投票)でも自公推薦候補が現職に敗れた。両市とも現職は2009年に民主の支援を受けて初当選し、当時は民主への政権交代の流れを作ったとされた。だが今回、与党側は奪回に失敗した。

6月16日投開票の静岡県知事選では、やはり09年に民主推薦で当選した現職を前に「厳しい戦いになる」とみて、公明党はいち早く自主投票を決定。自民党も県連が擁立した候補を推薦せず「支持」にとどめた。

安倍晋三首相は経済再生を柱に参院選を乗り切る意向だ。ただ、首相の経済政策は株価中心の期待先行型。幹事長経験者は「大企業の業績は良くても地方では景気回復の実感につながっていない」と分析する。

懸念に追い打ちをかけるのが、地方組織の緩みだ。5月26日投票の千葉県八千代市長選では、自公推薦の前県議が、市民グループや共産党市議などが支援した無所属候補に敗れる波乱が起きた。保守票が前県議と他の候補に分裂したためとみられ、公明党幹部は「自民党が保守を一本化すれば落とす選挙ではなかった」と批判する。

自民党は、4月には青森、名古屋の両市長選に加え、東京都小平市長選でも敗れている。

自民党の石破茂幹事長は周囲に「党の看板があれば当選できるというムードがある」と語るなど警戒感を強めており、5月29日に東京都連幹部、30日に新人衆院議員を党本部に集め、対策強化を指示した。


5/20

記事:自民が地方選で意外に苦戦 参院選前の不安材料表面化 候補者に新鮮味なし? 

各社世論調査で70%前後の高い内閣支持率を誇る安倍晋三政権が、意外にも地方選の首長選で苦戦している。19日投開票のさいたま市長選でも、自民、公明推薦の新人が無所属現職に敗れた。4月の首長選でも敗戦が目立った。地方選とはいえ、負け癖がつくと、夏の参院選への悪影響も懸念される。与党は戦略の練り直しに着手した。

「地方の首長選だから、現職の実績を問う選挙だった。(政権が進める)マクロ経済政策と地方自治は全く関係ありません」

首相は20日の参院決算委員会で野党側からさいたま市長選への評価を問われると、経済政策「アベノミクス」など国政との関連をきっぱりと否定した。

だが、自民党執行部は今回の敗戦を深刻に受け止めている。石破茂幹事長は19日夜、出張先の那覇市内で記者団に「党の支持率が高いから地方選に勝てるということではない。地方選の戦い方を党本部としてよく検討したい」と危機感をあらわにした。

問題は自民党の支持が票に結びつかないという実態だ。共同通信の出口調査によると、さいたま市長選で落選した自公推薦候補は自民党支持層の52・3%からしか得票していない。公明党支持層の89・1%が投票したのとは対照的だ。

さいたま市を含む埼玉県は、参院選で自民党が公明党候補を推薦する「自公共闘」の象徴的な選挙区。公明党幹部は20日、「参院選でどこまで自民党に協力してもらえるか不安だ。戦略を練り直さなければいけない」と述べた。

地方選での与党の黒星はこれが初めてではない。4月の東京都小平、青森、名古屋の各市長選では、県連レベルを含め与党が推す候補が軒並み敗れた。

自民党内で敗因として指摘されているのが、候補者の年齢の高さだ。小平、青森、さいたまの3市長選では、いずれの「新人」も60代で、現職よりも年齢が上だった。地方組織を尊重した結果だが、党幹部の一人は「候補者に新鮮味がなければ、がんばっても票は出ない…」と弱音を吐く。

今後、5月26日投開票の千葉市長選、6月16日の静岡県知事選、6月30日の神奈川県横須賀市長選が予定されているが、千葉、横須賀両市では非自民系の30代の現職に挑む展開。党幹部は勝敗によっては参院選に影響を与えかねないと、神経をとがらせている。

5/20

記事:さいたま市長に清水氏 自公推薦新人ら破り再選

再選を果たし、支持者らと万歳三唱をする清水勇人氏(左から2人目)=19日午後9時15分ごろ、さいたま市見沼区の事務所

 任期満了に伴うさいたま市長選は19日投開票され、現職の清水勇人氏(51)が、自民党県連幹事長で元県議の長沼威氏(63)=自民、公明推薦=ら新人3人を振り切って再選を果たした。

1期4年の実績を強調し、“市民党”を掲げて戦った清水市政の継続を有権者は選択。

自民、公明党本部が参院選の前哨戦として党を挙げて強力に支援した長沼氏が敗れたことで、2カ月後に迫る参院選の戦略にも影響を与えそうだ。

投票率は37・98%で、前回を4・80ポイント下回った。

◇さいたま市長選開票結果(選管最終)
 

171876 清水勇人 51 無現
  118362 長沼 威 63 無新(自民、公明推薦)
   53513 吉田一郎 49 無新
   24834 大石 豊 53 無新(共産推薦)
  (無効4311)      

日本のツラ汚し維新二人 ’仕事はしない’ ’責任はとらない’(で、恥もなく街頭演説)更新6/18

2013-06-18 | Weblog

更新記事:街頭で「慰安婦、慰安婦」叫ぶ橋下演説 主婦層ドン引き

16日都議選の告示後初めて上京し、マイクを握った維新の会の橋下徹大阪市長。渋谷区、板橋区など都内7カ所で党勢拡大を訴えたが、「日本の恥」「迷惑だ」とヤジが飛び、聴衆の反応はイマイチだった。

例えば、江東区での応援演説。門前仲町駅前に800人前後が集まったが、喜んで聴いていたのは半分以下。眉間にシワを寄せている主婦がたくさんいた。理由は明白だ。30分間の演説のうち、10分近くを、“慰安婦発言”の正当化に費やしたからだ。

〈私が慰安婦を正当化したとか必要としたとか、いろいろ論じられましたがそんなことは一言も言っていません〉〈ただ皆さん、過去の歴史を振り返ってみれば、米国も英国もドイツもフランスもそして韓国軍もみんな女性を利用していたんです〉

<子連れの母親はドン引き>

維新の会は都議選を参院選の前哨戦と位置づけている。橋下市長は参院選前に慰安婦問題のイメージを払拭したいのだろうが、「慰安婦、慰安婦」との釈明は、女性有権者を嫌悪させ、逆効果になっている。「慰安婦ってナーニ?」という顔でポカンとしている小学生もいて、一緒にいた母親はドギマギしていた。演説後の拍手もまばらだった。

「聴衆のほとんどは一度“ナマ橋下”を見てみたいというヤジ馬でした。携帯電話のカメラで撮影すると、帰る人もいた。票に結びつけるのは難しいと思う。橋下氏が慰安婦の釈明をすればするほど、有権者は見苦しいと感じる悪循環です。維新は最悪、都議選の当選は1人だけになりそうです」(都政に詳しいジャーナリスト)

劣勢に焦っている橋下市長は、投票前日の22日にも再度上京する方向で調整中というが、迷惑に感じている候補者もいるのではないか。


6/6 

記事:維新の会 橋下、石原両共同代表が街頭演説 渋谷

街頭演説の会場で言葉を交わす日本維新の会の橋下徹共同代表(右)と、石原慎太郎共同代表=東京都渋谷区のJR渋谷駅前で2013年6月6日午後4時24分、手塚耕一郎撮影
街頭演説の会場で言葉を交わす日本維新の会の橋下徹共同代表(右)と、石原慎太郎共同代表

日本維新の会の橋下徹、石原慎太郎両共同代表は6日、東京都渋谷区の渋谷駅前で街頭演説をした。

東京都議選や参院選に向けた遊説の皮切りとの位置付けで、橋下氏は自身の従軍慰安婦を巡る発言について、「説明不足だった」と改めて釈明した。

橋下氏は冒頭、「今回、僕の発言で誤解を生んでしまったことが多くある。決して慰安婦制度を肯定したことはない」と弁明。「日本も反省するが、各国も過去を見なさい」と、従来の見解を繰り返した。

演説の数時間前には安倍晋三首相と会談したばかりだったが、「構造改革については、安倍政権では不十分」と指摘。「維新は信頼が揺らいでいるところがあるが、力を貸してほしい」と支持を訴え、約10分間の演説を締めくくった。

橋下氏に先立ち、石原氏は「維新はやっかいな問題を抱えている。(慰安婦発言で)橋下氏が引き金を引いた」と、橋下氏に暗に苦言を呈した。

同所では、中高年層を中心に数百人が演説に耳を傾けた。東京都港区の主婦(55)は「言い訳したい気持ちは分かるが、言えば言うほど、どつぼにはまっている。政策にも具体性がない」と批判。

同北区の会社員、千葉一胤さん(59)は「慰安婦発言について真摯(しんし)に語り、発言の真意は分かったが、やはり納得はできなかった」と述べた。


[改憲パズル] 安倍の人権差別 女性の多様な生き方を無視した”産めや増やせ”の調教国策(更新6/18)

2013-06-18 | Weblog

6/18

更新記事:森雅子少子化担当相 「期待外れ」の声

心配された閣僚の失言やスキャンダルもなく、高支持率をキープする安倍内閣だが、首相周辺が「期待外れ」と嘆くのが、森雅子少子化担当相だ。森氏が中心となって導入しようとした「女性手帳」(仮称)が撤回に追い込まれたり、秘書官が人身事故を起こしたりと失点続きなのだ。

森氏は福島県出身の48歳。27歳で司法試験に合格し、弁護士として主に消費者問題に取り組んできた。2人の子どもを育てつつ、日弁連の留学制度で渡米しニューヨーク大学法科大学院で学び、金融庁の任期付職員募集に応募し課長補佐を務めた経験も。2006年の福島県知事選に出馬し落選したが、翌07年、参院議員に当選。1回生での閣僚抜擢など華々しいキャリアを歩んできた。

そんな森氏にとって、少子化相は願ってもないポストだった。就任以来、ことあるごとに「私も弁護士、役人、そして国会議員として働きながら子どもを出産し育ててきた」と語り、やる気をみなぎらせていた。

物議を醸した女性手帳は、森氏が主宰する「少子化危機突破タスクフォース」で提案されたもの。しかし、「個人の生き方への介入につながりかねない」「女性だけに配布するのはおかしい」などと反対論が噴出。森氏は「男性を含めた希望者にのみ配布」という案で軟着陸を図ったが、批判は止まず、タスクフォースの提言への盛り込みを泣く泣く見送った。

「森氏には『実績を残したい』という焦りがある」と指摘するのは自民党関係者だ。今夏の参院選で改選を迎える森氏の選挙区は福島県。6年前は2位当選だった。今回、定数是正で1人区となったが、閣僚として恥ずかしくない得票での当選が求められる。そのためか、自己アピールに余念がないようで「予算委員会で質問者から指名されてもいないのに、手を挙げて答弁に立とうとする」(同前)。

また、テレビカメラの前では笑顔で歯切れよく語る森氏だが、「客の前で秘書を厳しく叱責する」(永田町関係者)など別の顔を見せることも。

前出の首相周辺は森氏をこう突き放す。

「安倍政権は菅義偉官房長官が閣内をグリップし、大臣が好き勝手に発言せず、『総理指示』、『総理決断』のトップダウンのスタイルをとっている。『私が、私が』の目立ちたがり屋は必要ない」

スピード出世の森氏だが、やや功を焦りすぎたようだ。


5/28

記事毎日:女性手帳 政府、配布見送り 「余計なお世話」批判で

政府は28日、若い女性向けに妊娠・出産の知識を広めるため導入を検討していた「女性手帳」(仮称)の配布を見送る方針を固めた。女性を中心に「国が個人の人生の選択に口を挟むべきではない」などとの批判が起こったことを考慮した。森雅子少子化担当相は同日の会見で「妊娠・出産に関する情報提供は重要だが、手段や内容などの詳細は決定していない」と説明した。

手帳は、少子化対策を議論している政府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」で、晩婚化や晩産化が進む中、早い時期に妊娠・出産について正しい知識と関心を持ってもらうのが対策に有効として、来年度からの配布を目指していた。

これに対し「女性だけに配布するのはおかしい」などと批判や反発の声が相次いで寄せられ、国会審議の中でも、野党側から批判が出された。このため作業部会は「手帳の形にするのは困難」と判断。28日夕方に取りまとめる予定の報告書では、妊娠・出産について情報提供にとどめる方向だ。

女性手帳について反対する声明を出していた女性市民グループ「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美大阪国際大准教授は「提案した委員は、女性手帳がなぜこれほど批判されたのか背景を理解する必要がある。再び的外れの施策が出されないか、今後も監視していきたい」と語った。

医師で昭和女子大客員教授の海原純子さんは「若いうちに産んだ方がいいことぐらい女性は既に知っており、手帳配布の見送りは当然だ。ただ排卵周期や性感染症の予防法など、より細かい知識については理解が十分進んでいないのも事実。性別を問わず、健康について学ぶ機会を増やしつつ『男は稼ぎ、女が家事・育児をする』といった古い感覚から脱皮することが大切だ」と話す。


5/9

ブログ 「女性手帳」に感じる強い違和感の原因は何だろう。

「女性だけに手帳を導入する」というニュースを聞いて、連休明け早々、とっても嫌な気持ちになった。

日経新聞によれば、内閣府の「少子化危機突破タスクフォース(作業部会)」は7日、妊娠や出産に関する知識や支援策を記した「生命(いのち)と女性の手帳(仮称)」を作成する方針を決めたという。

2013年度中に内容を詰め、14年度から市町村で若い女性に配る。晩婚・晩産化に歯止めをかける狙い。

ほかの妊娠・出産支援や結婚支援の施策とともに5月下旬にも開く政府の会議に報告する。妊娠した女性に配る「母子手帳」にならい、妊娠適齢期などの必要知識や自治体の支援施策を記した部分と、所持者が健康データを記録できる部分との2部構成を想定するという。http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0703K_X00C13A5PP8000/

ネットでも批判の声が上がったが、作業部会では異論がなく決まってしまったというから驚いた。

この違和感はどこから来るのだろう。

まず、少子化の問題は、女性の問題、女性たちの意識に問題があるのであり、それを矯正・調教しなければならない、という国家の「上から目線」を強く感じるからではないか。

少子化は決して、女性の意識の問題ではない。男女ともの問題であるし、もっといえば社会の問題である。

女性が子どもを産み、育てづらい社会の責任は政治にあるのだから、国こそ責任を感じて、根本にある社会問題を解決すべきなのに、その責任を棚に上げ、女性たちに責任を転嫁して、女性たちに産み育てる自覚と責任を痛み入らせて、問題を解決しようなんて、まさに本末転倒である。

少子化の原因は今の社会にあることは既に明らかではないか。待機児童を速やかになくさないと(保育の質を下げないで)、女性たちは仕事に復帰できない。

多くの女性たちは、非正規・不安定雇用に従事していて、育休も取れないような職場環境に置かれている。非正規・不安定雇用についている厳しい規制をかけて、働きながら子育てが安定してできる生活を保障しないといけない。

男女ともに若い世代が抱える将来不安と貧困を解消しない限り、子どもを産むのは難しく、雇用と貧困をめぐる状況を解決しないといけない。

諸外国・特にヨーロッパ諸国に比べてあまりに高すぎる日本の教育費をどうにかしないといけない。

ずっと言われていることばかりだ。

ヨーロッパ並みの従事した子育て支援・少子化対策を包括的に手厚く実施しているならともかく、そうしたことをきちんと実施もせずに、「少子化は女性の責任」と言わんばかりの政策に違和感はつきない。

もうひとつは、個人の生き方、特に子どもを産む、うまない、何歳で生む、というのは、個人の自由に属する問題であり、国が干渉・介入すべき問題ではない。

国家が、個人の出産計画に介入して悪名高いのは中国の一人っ子政策であるが、国家が個人の出産計画に介入する、という点で手帳のほうが微温的であっても同様の問題がある。国際的にも明確に確認されている「性と生殖に関する権利」(リプロダクティブ・ライツ)を尊重しない姿勢であり、人権感覚があまりに乏しいと言わざるを得ない。

まして、適齢期を啓蒙して、「晩婚・晩産化に歯止めをかける狙い」というのはいったいどういうことなのか? 職場で上司が実施したらセクハラに該当するであろうことを国が行って良いのか? 

国があるべき国民の生き方のモデルを提唱する、ということ自体、全体主義的でぞっとする。

民主主義の基本は多様な生き方、多様な価値観を認めあい、共存することである。特に家族や結婚観、子どもを産む選択は、個人の尊厳・生き方そのものだ。女性の社会進出も少しずつ進み、生殖技術も進化した現代、益々女性は多様な生き方が保障されるべきだし、生む生まない、またいつ産むかについて、家庭や共同体や世間、まして国家に押し付けられたりすることなく、パートナーがいればパートナーとともに選び取れる時代になってきた。それが世界の趨勢だし、日本でもそうだと思ってきたのに、突然の復古調に愕然とする。

もうひとつ、今は不妊が大きな問題となっていて、不妊治療をしても妊娠せず子どもをあきらめなければならない人もいる、不妊治療はお金がかかるから断念せざるを得ない人もいる。また、思い描くパートナーに巡りあえずにシングルで生きる人もたくさんいるし、シングルを選ぶ「おひとりさま」もいる。

異性愛ではない人たちやトランスジェンダーの方もたくさんいて、ようやくカミングアウトできるようになった。

そうした個々の人たちについて考えると、啓蒙すれば子どもが生まれるわけではないのだ。

一つの生き方を押し付けるなんて、こうした人たちの生き方や人生の選択に対して無神経であるし、その生き方や想いを否定するようなものである。

こうした人たちはマイノリティとして不当に扱われることも少なくないのが現実だが、国による価値観の押しつけで、一層肩身が狭かったり窮屈な思いをさせることになってしまう。政府には、そうしたことに対する想像力やデリカシーがないのだろうか。

先日提唱された「3年抱っこし放題」も女性たちの置かれた実態・窮状からかけ離れた政策であり、「女性に育児負担を押し付けようとしているな」と感じたが、今回は少子化対策として疑問ということに加え、政府による価値観の押しつけとして、根本的に問題があると思う。

今の先の見えない社会で、生きづらさを抱えながら生きている人たち、社会のメインストリームではない人たち、将来に負担を抱えている若い世代の悲鳴や思いや悩みに真剣に向き合う政治であってほしいのだが、今の政府の立ち位置は、そこからかなりずれたところに来ているように思えてならない。

(文)伊藤 和子:弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長。1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。

5/10

記事産経:「女性手帳」バトル 蓮舫氏「非常に危険」 森氏「啓発は大切」

女性の妊娠・出産には適齢期があることなどを国民に広く啓発するため、内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」が導入を検討している「女性手帳」(仮称)をめぐり9日の参院内閣委員会で新旧の少子化担当相が火花を散らした。

質問に立った民主党の蓮舫元少子化担当相は「全女性が対象ならば非常に危険だ。例えば同性愛者は手帳をどう受け止めるのか。結婚や出産をいつするのか、しないのかは個人が決めることだ」と批判した。

これに対し森雅子少子化担当相は「高齢の妊娠・出産の危険性を啓発するのは大切だ。前提となる知識がなければ選択はできない」と反論した。ただ、蓮舫氏の間断のない質問攻撃に押され気味だった。

5/9

記事マイナビ:政府が導入検討の「女性手帳」 WEBアンケート調査

現在、政府が導入を検討している「女性手帳」(仮称)。この手帳には妊娠や出産の知識や情報が記載され、若い女性たちの出産への意識を高めて晩産や少子化をくい止めるのが目的だそう。そんな「女性手帳」を、働く女性はどう受け止めているのでしょうか。マイナビウーマン会員(22~34歳の働く女性)に意見(有効回答数169件)を聞きました。

Q.「女性手帳」について、あなたの意見は好意的? 否定的?

■「好意的」な意見

・「まわりにも不妊治療をしている人が多いので、早い時期に考えることは大切だと思う」(33歳女性/その他/経営・コンサルタント系)
・「配布自体は悪くないと思うが、出生率が上昇するかは疑問。女性が出産後も働きやすい環境を整えてほしいと思う」(26歳女性/食品・飲料/営業事務職)
・「あまり自分の体のことを考える機会がないので、国でやってもらうと見直すきっかけになっていい」(29歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)
・「30代になってから、出産がいつまでもできるわけではないことや卵子の老化を知る女性が多いと聞くので、女性手帳に賛成。今まで、教育の機会が少なすぎたと思う」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「もっと早くからこういうものを導入せよ、と思っていたくらいです。『女性手帳』そのものはつくったほうがいいという考えです」(32歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)

■「否定的」な意見

・「女性が子どもを産むことを強制されているように感じるから」(26歳女性/その他製造/事務系専門職)
・「女性として目安になるので、あってもいいと思うが、プレッシャーを感じる人もいるし、『適齢期を過ぎたらどうするの?』と、反感を買うもとになると思う」(22歳女性/プラント/事務系専門職)
・「大事なことだとは思うけど、女性だけが知っていてもしょうがないと思う。男性もそういうことを考えたり、知ったりすることが必要なのでは? 一緒に産み育てていくんだから」(31歳女性/派遣社員/事務系専門職)
・「自分は高校生のころから不妊症になる可能性が高いと医者から言われており、その時期に手帳なんてもらってもつらくなっただけだと思うから」(27歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)

 5/7

記事朝日:女性手帳配り妊娠出産啓発へ 政府「生き方介入でない」

少子化対策を検討する内閣府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」7日、妊娠・出産の正しい知識を女性に広めるための「生命(いのち)と女性の手帳」(仮称)の導入を提案することで一致した。内閣府などの関係省庁は今夏にも検討会議をつくって手帳の中身を詰め、来年度中に自治体を通して配り始める方針だ。

少子化は晩産化が一因といわれるが、一般的に30代後半になると女性は妊娠しにくくなり、妊娠中毒症などのリスクも高まる。こうした情報を十分知らずに妊娠の機会を逃す人もいる。そこでタスクフォースは、手帳を使って啓発を進めることで一致した。

妊娠した女性に市町村が配る「母子健康手帳」を参考にする。妊娠・出産に関する医学的な知識や自治体の支援情報を盛り込むほか、予防接種など本人の健康にかかわる記録も書き込めるようにする。

 

管理人コメント:

自民党の高市、野田それに小渕らのベテラン女性議員たち。安倍のマイノリティー人権政策に対し、差別意識をいだかないのが不思議だ。

かって、元総理・森喜朗の腰元だった小池百合子のように、これら女性議員も、安倍の腰元として要職につき、安部のご寵愛に満足し、女性としてのプライドをすてたようだ。

それにしても子どもがいない安倍の考えることはあまりにも単純で差別だ。

女性の生き方も多様化している。そのなかで少子化の問題に取り組むには、現代の女性意識を復古的な色合い(白い割烹着をきたお母さんの意識)に調教することよりも、子育てがしやすい環境を整えてあげることのほうがより現実的だ。

それが総理としての責任だ。その責任を女性の側におしつけ、”結婚しないのが問題である”としたうえで、人の”生き方”にまで踏み込んで調教を試みている。

こんな陳腐な男に国の運命を委ねる改憲という大仕事を任せることはできない。ましてや、憲法の何を変えるのかを明らかにせず、手続きを定めた96条だけを変えろと主張すること自体が危険きわまりない。

自由民主党政務調査会長、高市早苗:当時の厚労相柳沢伯夫が「産む機械」との発言を行った際には、「私は子供を授かれない体なので、機械なら不良品になってしまう」と批判。

自由民主党総務会長、野田聖子:自民党内の「女性が職を持つようになって子を産まなくなった」との発言に対して、欧米など女性労働者が多い国でも、出生率が高いデータ例を示しつつ反論。党内議員の旧態依然たる意識を厳しく批判。自身も三年間で八回におよぶ体外受精を受けた不妊治療を体験。