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[青春ノート] 高校定時制軟式野球決勝大会 背番号12番女子部員に スタンドから大拍手(更新6/23)

2013-06-23 | Weblog

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記事:83歳の女子高生、軟式野球県決勝でベンチ入り

 
ユニホーム姿の上中別府さん。部室には直筆の応援の書が貼られている(21日、川崎市立高津高校で)

川崎市立高津高校定時制4年生で、83歳の上中別府(かみなかべっぷ)チエさん(川崎市宮前区有馬)が、23日に相模原市で行われる高校定時制通信制軟式野球神奈川県大会の決勝戦にベンチ入りする。

12番の背番号を付けて伝令で登場する予定で「全力で支える」と意気込む。好きな言葉は生涯現役。「家で縮こまっていてもしょうがない。何でも挑戦してみたい」と元気いっぱいだ。

鹿児島県曽於(そお)市生まれで、地元の尋常高等小学校を卒業した。2人の子供を授かり、孫は5人、ひ孫が4人いる。小学校時代は、空襲に備えたバケツリレーの練習やなぎなたの訓練、農作業などで満足に勉強する時間がなかったという上中別府さん。76歳の時、英語を勉強したくなった。宮前区役所に相談したところ、川崎市立西中原中学校の夜間学級を勧められ、3年間通った。

もっと勉強したいと、2010年4月に高校へ入学。学校で習ったことは必ず復習する。「若い人のようにすぐ理解するのは大変。できたっていう実感がほしいから復習するのよ」と語る。

担任の中島克己教諭(45)が顧問を務める軟式野球部に手作りのパンや菓子などを時々、差し入れていた。昨年秋、中島教諭が同部に“スカウト”。部員からは「チエさん」と呼ばれムードメーカー的な存在で慕われている。部活は午後9時から1時間弱。球拾いなどを手伝うが、部員からもらったグラブをはめてキャッチボールをしたりノックを受けたりすることもある。

野球部は週に3回参加し、帰宅は午後11時頃だ。授業の復習をするため就寝は午前0時を過ぎることもしばしばだが、午前8時前後には起床する。野球部のほか書道部と華道部にも在籍する充実ぶりで「毎日が楽しくて仕方がない」という。

公式戦初出場は5月19日。四回までに11―1と大量リードしていたため、中島教諭のはからいで五回、左翼の守備についた。ボールは飛んでこなかったが、「ドキドキして寿命が3歳縮まった」と楽しそうに話す。


6/23

更新記事:高校定時制軟式野球 神奈川県大会決勝 高津0−4戸塚

高校定時制通信制軟式野球の神奈川県大会決勝が23日行われ、高津4年の上中別府(かみなかべっぷ)チエさん(83)が、0−1の6回1死満塁の場面で伝令として登場。

背番号12をつけ、三塁ベンチから駆け足で飛び出すとスタンドから拍手が湧き起こった。

「落ち着いて。頑張れ」。マウンド中央でエース小鹿のお尻を2度、ポンポンと叩くとナインに笑みがこぼれた。

試合中はベンチの最前列で手を叩いて選手を鼓舞した。0−4で戸塚に敗れ、全国大会出場は逃したが「良い人生経験だよ」と涙を流す部員を励ました。準優勝の銀メダルを首から下げ「一生の宝物です。このチームは日本一」とすがすがしい表情を浮かべた。

 

 
写真:朝日新聞
 

 

6回裏1死満塁のピンチを迎え、伝令としてマウンドに向かう上中別府チエさん=相模原球場

 

試合後、準優勝のメダルをかけてもらった=相模原球場

 

準優勝のメダルをかけた上中別府チエさん=相模原球場

 

試合前にチームメートと円陣を組む上中別府チエさん(左から2人目)=相模原球場

 

決勝戦で敗れ、泣き崩れるバッテリーを励ます上中別府チエさん=相模原球場