曇、19度、81%
日本には馴染みのない食材を主人が持ち帰ってくれました。帰国前にわざわざ市場まで出向いて求めて来てくれたものです。「たまご麺」を油で揚げた「イーミン」は庶民の味です。 結婚式の祝いの品としても使われる「イーミン」は油が出るので持ち運びが難しく、ポキポキと折れます。麺は細く長いままが縁起が良いとされています。主人は折れないように、自分のトレーナーに包んで手持ち荷物で持ち帰ってくれました。麺屋さんやお豆腐を扱う店の天井からぶら下げられて売っています。これはお豆腐屋さんの「イーミン」ですので目の荒い仕上げになっています。麺屋さんの「イーミン」は目が詰まって持ち重みがあります。直径30センチ弱です。油抜きも兼ねてたっぷりのお湯で茹で、柔らかくして使います。
そして今回の最難関は「フクロタケ」だったと思います。 これはキノコです。他のキノコに比べて足が早く、水っぽくなりカビが生えやすいキノコです。風味と食感が独特、市場のキノコの中でも高値で売られています。収穫量も少ないのか、つり銭のカゴの近くに鎮座しています。 切り口です。新鮮なのでしっかり詰まっていますが、古くなると開いて空洞ができます。
「黄色いニラ」は日本でも栽培されていますが、流通量は極僅かです。日本で欲しくなるとデパ地下に電話で入荷を確かめて求めます。香港の市場ではこれもつり銭のカゴの近くに置いてあり、買う方も少量づつ買い求めます。高いお野菜の一つです。香港の「ワンタン麺」の有名な店ではパラリとスープに浮いています。「黄色いニラ」はニラのもやしです。日に当てずに柔らかく、ニラ臭さは薄く、甘味を持ったニラに変身しています。
お肉を使わない簡単な炒麺ですが、オイスターソースが3つの食材をうまくまとめてくれます。主人の帰宅後すぐに作りたかったのですが、来客があり、3日も過ぎました。冷蔵庫の「フクロタケ」を包むキッチンペーパーを一日2度替えました。少し匂いが出ていますが、滑りはありません。
はるばるやって来てくれましたね。香港ではコース料理や宴会料理の締めに「炒飯」と「炒麺」が少量出されます。「イーミン」ばかりではありませんが、ごちそうの最後の楽しみです。
30年住んだ土地の食べ物は深く舌と記憶に刻まれています。「あなた、ありがとう。」