雨、14度、95%
昨年の秋でした。いつも行く園芸屋さんの「見切り品コーナー」に葉だけの「紫陽花」のポットが一つありました。紫陽花の葉だとわかりますが深い緑色の葉です。元々の値段は紫陽花にしては高値ですが、「70%オフ」と書かれてます。お店の人に何色の紫陽花が咲くのか尋ねたのですが、「赤だったように思います。」と返事が返って来ました。「赤?」どうしてこんなに高いのかと尋ねたら、「確かヨーロッパ品種の改良です。」とのこと。ポットを手にして、まず植える場所を考えます。成長すると広さや高さが必要な紫陽花です。「赤」の花と「70%オフ」に惹かれて家に連れて帰りました。すぐに植えましたが他の紫陽花同様、冬には裸木になりました。
紫陽花は新芽が吹き出すとぐんぐん緑に染まります。梅雨時に咲く紫陽花がいち早く、アメリカン紫陽花のような遅咲きの紫陽花はゆっくりと葉を吹きます。ヨーロッパ品種と聞いていた深い緑色の葉の紫陽花は梅雨咲なのか葉の芽吹きが早い部類でした。植え付けて半年ほど、新芽も濃い緑でした。そして花芽を一番先に蓄えました。
今年の春は雨が多いせいか紫陽花はどれも花付きがいいようです。「赤い紫陽花」は黄色の花芽でしたが、それが膨らむに連れ赤に変わりました。昨日の雨の中、ポツポツと花が開きました。 雨戸を開けるとこの色ですからすぐに目に飛び込んで来ます。「ほんとだ、赤だわ。」ヨーロッパ品種と聞いていたので、まん丸な紫陽花を想像していましたが、平咲きの紫陽花のようです。まだ高さがないのでこじんまりとしています。
紫陽花は年によって色が変わります。この赤の横には「白い紫陽花」があるのですが、年々白から青っぽくなって来ました。この「赤い紫陽花」が毎年赤い花を咲かせるとは限りません。色変わりも楽しみです。「見切り品」、ラベルもない紫陽花でしたが今年の一番咲きです。
表の庭に3本、帰国した春に植えた紫陽花は大きな株に成長しました。「アメリカン紫陽花」が北庭に2本、緑と白のはずです。そして石垣の上に「白い紫陽花」とこの「赤い紫陽花」です。色ばかりか形も多様になった紫陽花の品種、昔の薄青い色、薄桃色の紫陽花は少なくなって来たように思います。
日本を離れる前に住んでいた家には、門の脇に大きな紫陽花がありました。石段を上って白い木のポストの後ろに咲く大輪の紫陽花を思い出します。庭の紫陽花の多さを考えると、改めて密かな「紫陽花好き」な自分を見つけました。そして紫陽花が好きなもう一つの理由は、「でんでん虫」です。私の小さい頃からの友達。
昨日に続き今日も大雨です。紫陽花が大喜びしているのが伝わって来ます。