晴、15度、65%
一昨年の冬から春にかけて、近くの雑居ビルの花壇に黒い花びらのビオラが咲いていました。「紫かな?」いえ、黒い花びらです。その横には臙脂色のビオラも咲いています。いつ見ても手入れされた花壇です。
伊豆の山中で一輪咲いていた「黒百合」を見て以来、黒い花に惹かれています。濃い紫をもう一歩深くした黒、花は明るい色だと思う気持ちとは裏腹です。以前は黒花は希少だと言われていましたが、品種改良、交配が進んで黒い花を見る機会が増えました。昨年秋、「黒花ビオラ」を育ててみようと思いつきました。ビオラの苗は11月ごろから出回ります。秋から春にかけて咲き続ける「ビオラ」も品種が改良されたものだそうです。昔はパンジーの仲間は春に咲くものと決まっていました。
「黒花ビオラ」の苗を見たことがなかったので、種を探しました。個人の方で「黒花ビオラ」の種を売っている人がありました。種の個人サイトは希少な種を扱っていて値段も高く、時には偽物もあると聞いています。「黒花ビオラ」の種は300円で30粒。もし偽物でも許せる範囲の料金ですので送ってもらいました。
夏の暑さが収まった頃種を蒔きました。ゆっくりと発芽、ひと月かかりました。冬を迎えても本葉が2枚でした。私の管理が悪くて、この春先に残ったのは6株でした。その頃にはすでに苗で買ったビオラは大きな株に花を沢山咲かせています。桜が咲き始める頃から「黒花ビオラ」の葉の数は増えましたが、一向に大きくなりません。
10日前に小さな株から小さなビオラが咲きました。外花弁が黒、内花弁が紫の真っ黒ではありません。がっかり。ところが一昨日、真っ黒なビオラが咲きました。 6株の内、2株が真っ黒な花です。花の大きさは、普通の4分の1、株自体も5センチほどの小さいビオラです。小さいながら存在感が十分な「黒花ビオラ」です。
庭植えの「ビオラ」から種を取ると、2年目ごろから思わぬ色が咲きます。濁ったような色の花が咲くことも、ブルーのつもりが黄色が咲いたりもしました。「黒花ビオラ」も夏前には種を取るつもりです。
小さな黒い花びらが風に揺れています。小さいけれど、庭に迎えれた喜びは格別です。