曇、15度、77%
チーズを毎日食べます。プロセスチーズが苦手です。おそらく給食に出て来た銀紙に包まれたチーズが苦手だったからだと思います。世界中にどれだけのチーズがあることやら、中国にですら紙のように薄い「雲南チーズ」があります。30年住んだ香港はイギリス領でした。渡航した頃は香港イギリスのチーズ、つまり「チェダーチーズ」が主流でした。そして「チェダーチーズ」の種類の多さに驚きました。熟成されたもの、マイルドなもの、その上、イギリス本国から輸入されるもの以外にもイギリス領だったオーストラリア、ニュージーランドから入ってくる「チェダーチーズ」がありました。一番美味しいのはイギリスから輸入される「チェダーチーズ」でした。
中国返還前ごろから、香港にもヨーロッパ、アメリカのチーズが輸入され始めました。「チェダーチーズ」に飽き始めていた私はそんな各国のチーズを片っ端から食べました。日本に帰国する前には「チェダーチーズ」なんて美味しくないと思っていました。日本のスーパーでたやすくお安く手に入るチーズは種類も少なく、びっくりするほど高いお値段に驚きます。デパートのチーズ売り場のチーズはご馳走です。そして最近私が恋しいと思うチーズが「チェダーチーズ」でした。
主人に無理を言って「チェダーチーズ」を買って来てもらいました。切り売りでは傷みますのでパック入り、イギリスのスーパー「マークアンドスペンサー」のものです。 こちらはマイルドな「チェダーチーズ」口の中でとろけるように芳香を放ちます。食べ飽きたと思っていた「チェダーチーズ」に懐かしさを覚えます。
主人が「モッツァレラ」と勘違いして買って来てくれたのはキプロス原産の「ハロウミチーズ」です。ヤギ、羊、牛の乳から作られるハードなチーズは熱を加えて食べると美味しいさが増します。買って来てくれたのはミントの葉っぱ入りです。
食べ慣れたものを恋しく思います。私とは逆に主人は日本の普通の家庭料理を恋しく思っています。パクパクとチーズを食べる私の前で主人は「ひじきの煮物」とお魚のお煮付けです。お土産のチーズでしばらくはチーズを堪能します。