晴れ、17度、47%
この2、3ヶ月、主人と私の健康の事を心配していました。健康の心配というのも、風邪一つひかない事の心配です。主人は一番の側にいる人、私の健康状態を一番ご存知の人です。熱ももう3年以上出していません。鼻水、咳もしません。お腹が痛くなることがあっても、悪いものを体から出してしまえばケロリとしています。こういう人はいつか大きな病気が来ると聞きます。その意味で、心配していました。
10日程前の昼下がり、不正出血を見ました。トイレから出るや、一番近くの病院に予約の電話を入れました。日本の医療体制とは若干違います。街でクリニックの婦人科を尋ねると、マンモグラフィーやエコーを取る度に別の専門のクリニックに出向きます。もちろん、その利便性を考えて、一つのビルにクリニックばかり入っています。大きな病院は病院で、専門の先生が常駐しているとは限りません。予め病院に連絡をして、婦人科の先生の来る日に予約を入れます。緊急時は、すぐにでも専門の先生を呼んでくれます。一番近くの病院は、教会が運営母体です。婦人科が常駐でない事は知っていましたので、専門医の来る中一日置いた日に予約を入れました。
私年代、60も近くなると、不正出血はややもすれば大きな病気の前兆です。早く見てもらう事に越したことはありません。香港の幾つかの大きな病院は、日本語の通訳がいます。今まで、主人も私の通訳を頼んだ事がないので、有料かどうかは知りませんが、日本人が多い病院ならではのサービスです。考えてみると、通訳がいる病院はみんな香港島にあります。
特別女医さんを希望したわけではありませんでしたが、女性の先生でした。私の話を聞いただけで、骨盤の検査、エコーの検査と進みます。子宮のエコーは、男性の先生でした。ここでは、何やら同意書にサインを求められます。よく読むと、男性の先生が体を触れる事の同意書です。緊急の場合も必ずこの同意書が必要だと、後で看護婦さんに教えてもらいました。
結果が出るまで3日程、3年前も乳房に白い影があるといって、再検査を受けました。あの時は、いやはや、随分落ち込んで心配したものです。今回は以前程ではありません。それでも、万が一の為に自分のこれからのことを考えます。3年前には、2つの事を仕上げないとと思いました。仕上げるとは変な言い方ですが。モモさんの最期を看取る事。同い年ですが、主人の最期も側にいてやりたいと思いました。今回もその2つ以外に考えつきません。何かがあれば主人の最期には付き合えないなあと思います。この2つを終えれば、私の大きなお仕事はありません。主人に早く逝ってもらいたいわけではありません、念のため。身の回りの事が出来ない人ですから、息子夫婦に迷惑をかけたくないのです。そうそう、今回深刻にならずにいられたのは2度目のせいもありますが、一人息子がいい人と結婚し、子供の父親になりました。3人で家庭を築いている途上です。この事が、私に気持ちの余裕をくれたのだと思います。
考えてみればほんとにしたい事なんて、ほんの少し。それ以外は、毎日がホッとできるものであれば充分です。こんな簡単な事を、数年に一回、大きな病気かもと気を揉む間に考えます。突き詰めれば、それだけで満足です。その事を気付かせてもらえるだけでもあり難いと思います。結果は、異常なしでした。
お腹に手を当てて、空を仰いで父と母に感謝しました。ところが、この話、まだまだ続きます。