曇り、14度、45%
お麩、見出し写真のお麩は今我が家にあるお麩です。年末はこの倍程もお麩がありました。全部持ち込んだのは主人です。日本に帰る度にお麩を買って来ます。じゃあ、自分が食べるかと言えばそうではない。狭い我が家の台所のストッカーです。少しずつ私が食べて、やっとここまで減らしました。主人は、私が好きな湯葉と勘違いしたのかもしれません。何分にも、春雨とビーフンの違いも分からない人です。
私が育った福岡には、有名なお麩はありません。お味噌汁に入れる普通の円柱を切ったようなおつゆ麩です。もちろん今ではデパ地下で全国の美味しいお麩が手に入ります。
お麩でショックを受けたのはやはり生麩でしょうか。あのモッチリ感といい、細工が施されているものはまたそれなりに、見た目も美しい。京風のお弁当にちょっぴりと顔をのぞかせる生麩の煮物は、これっぽっちとますます食欲をそそります。京都出身の友人は、日本に帰る度に麸饅頭をお土産にしてくれました。旅の疲れもあるでしょうに、水が出てはお仕舞いと、香港に戻るや我が家に届けてくれました。美味しかった。
東北の焼き麩、しかも大型のものを食べたときも、目から鱗でした。お麩が香ばしいのです。たっぷりの水で戻されたお麩は、出汁を吸って、それこそ、生麩にも負けずとも劣らないモッチリ感が出てきます。お麩の醍醐味、真の美味しさを知ったのは、意外に最近の事です。
小麦のグルテンを固めて作るお麩は、中華料理でも精進料理に利用されます。ほとんどが揚げ麩です。市場のお豆腐屋さんにビニールに入れられて売られているピンポン球程の揚げ麩、お湯で油抜きをして戻して炒めもの、煮物に使います。汁気を吸うという観点からいえば日本のお麩に似ていますが、食感は全く違います。日本にも揚げ麩を作る地方があるらしいのですが、まだ食べたことがありません。
見出し写真の真ん中は切りいた麩、岩手のものです。板麩が珍しくて食べ揚げてしまいましたが、それを細切りにした切りいた麩。戻さずにお汁ものに入れ、ちょっとカリッとしたのを食べるのもまた美味しい。
最近では、香港の日系のスーパーでも細工物の生麩が売られています。お麩って、やはり中国から日本に入って来たものでしょうか。お麩の来た道を辿るのも興味が尽きません。ゆっくりと調べてみましょう。