曇、15度、87%
この冬、香港は12月の方が1月より寒かったそうです。立春を前に昨日は、昼間21度まで気温が上がりました。ジャケットなど着ていられない程暖かでした。暖かなせいで、例年なら、散ってしまっている花もまだ残っていたり、旧正月を過ぎないと咲かない花がもう咲き始めていたりと、花暦にもズレが生じています。
我が家から、東向きに下りて行くと香港の動植物公園に行き着きます。行き着くというか、私の通り抜けの道筋です。動物なんていっても、今では類人猿しかおらず、鳥たちの方が種類も多いのではないでしょうか。植物園にしても、温室の植物はシンガポールのそれより遥かに規模が小さいものです。ただこの動植物園、香港島のセントラルからでも歩いて20分、昨日のように陽気も天気もいい日のお昼は、オフィスの人たち、観光客と大賑わいです。
植物園の池の周りのツツジは、 日当りもいいせいか、随分つぼみがほころんでいます。香港は暖かなので、池の亀たちも冬眠せず年中泳いでいるのが見られます。
ハイビスカスは、本来ならこの時期見られないのですが、未だに咲いていました。 香港の花、ブーへニア。2ドル硬貨の裏の花はこの花です。一年中咲いているといわれますが、春先に一斉に咲き始めるのに、今年はまだ古い花をつけたままです。このブーへニアが山に咲き始める頃は、香港一日ガスっていることが多くなります。緑が吹き始める前の霞んだ山に、ブーへニアのピンクの色が見えると、まるで山桜のようです。桜の木がない香港で、この光景を見た日本人がこの花を香港桜と呼ぶようになったと、聞いたことがあります。霞んでいるせいで写真を撮ってもその風情をお伝えできないのが、毎年残念です。
狂い咲きという言葉がありますが、本来の花の時期以外でも、寒暖の差、日照の状態で一年中チラチラ咲いているのが、 ミモザです。もちろん5月のほんとの花の時期には、枝もたわわに花を付け、あたりにあの甘い香りを振りまいてくれます。小さな小さな黄色い花です。もう一つ同じような花が、 銀木犀です。日本の大木になる銀木犀とは違って、私の背程のか細い木です。そして、その花の有り様と同じく、香りも金木犀の香りには及びも着きません。木姿といい香りといい、余程花の匂いに敏感な方でなければ、この花を見つけることは出来ません。花の季節は金木犀と同じく、秋の深まる前です。「桂花」と書きこの花の香を移したお酒もあります。数年前には、この花の砂糖漬けで作ったゼリーが中華料理の食後に流行ったことがありました。この銀木犀の花をお酒やお菓子に使う中国人のささやかな感性に感じ入ります。
優しい色のツツジです。今から、ブーゲンビリアを始め次々に花の盛りを見せてくれます。見出し写真は、椿です。椿、カメリア系の花は、サザンカから始まって11月頃から咲き始めますが、この玉椿のような見事な椿はなぜか春先に咲きます。
このまま暖かくなるとは思っていませんが、ほんのひとときの日差しと暖かさをもらって、春立つ前の日に春を味わいました。