チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

お節介

2015年02月07日 | 日々のこと

曇り、14度、78%

 私より10歳、いえ、もう少し年上かもしれません。お会いする度に何くれとなく、私の身辺のことを尋ねてくださる知人がいます。大したことでもない事を真剣に聞いてくださって、ああしたらいいわよ、こうしたらいいわよとアドバイスまでしてくださいます。やはり年上の方は知恵が深いものだと、お聞きします。後日お会いすると、これまた、先日の話を覚えていてくださって、その後の話の行方を尋ねてくださいます。そんなことがここ数年続きました。

 昨日、道でばったりとその方に出くわしました。女の立ち話は、ご想像通り長いものになります。といっても先日お会いしたばかりです。いつものように主人の仕事から孫の成長まで、細々お聞きくださいます。隠すこともありませんが、ありきたりのお返事しか出来ません。そしたら、一年以上も前のことを話し始められました。私は、はじめ、はて、何の話?と思います。些細なことですが、香港からのお土産の話でした。度々の帰国、何を手土産にしたらいいのかとお尋ねしたことがあったのです。どこそこの何々が絶対にいいわよ、ところで買った?と尋ねられました。お聞きしていた品は、私が届ける相手のうちにはそぐわないものだったので、買わずにいました。そのまま話すと、次回会う時に買って来てあげるとおっしゃいます。お願いしますと申し上げ別れました。

 この方と別れて何やら心が重たい、家に辿り着くと、ドッと椅子に座り込みました。何だろうね、このあまりいい気持ちでないものはと思いつつ、動くのもしんどい感じです。これって、お節介だわね。と広辞苑を引いてみました。「余計なお世話。不用意に立ち入ること。」と書かれています。その通りだわ、と得心。簡単にお節介と一言で片付けると、ホッとしました。

 実はこの方、共通の知人に私の話したことを、話していると聞きました。ご厚意と思っていたことが、次第に重たく感じられるようになったのです。

 厚意とお節介の境界線は、どこにあるのでしょう。広辞苑の言葉通り「不用意」の一語です。それだって、目に見える一線ではないし難しいなあと思います。随分年上のこの方を思い浮かべると、お歳なのに気力体力共にタフな方だと思います。私など、自分の家族のことで精一杯。老いた両親、そろそろ健康に気遣う私たち夫婦のこと。それ以上に、人様のことにまで気が廻りません。おそらく、私の許容量が低いからでしょう。

 自分に振り返って、お節介にならぬ厚意を心がけるつもりです。

コメント
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