気 楽 荘

趣味の事やら、日々の事、
思いつくままお気楽に。

バケモノの子

2015年08月04日 | 「 えいが 」
親類の反対で分かれさせられた
母と暮らしていた蓮の生活が
母の交通事故死という思いもかけない
事件で終わりを迎える。
親戚の「一族の直系だから我々が面倒をみる」という
本人の意思を無視した申し出に反発した蓮は
夜の渋谷へと逃げ出した。
行く当てもなくとぼとぼと歩く蓮は
自分勝手な大人たちの言いように腹を立て
「大嫌いだ」と叫ぶ。その叫びは
蓮の中に大きな闇を生む。
自転車置き場で座り込んだ蓮に
「おめぇ生きてるか?」と声を掛ける大人の声に
「うるせぇ」と言い返す蓮
顎をつかまれ上げさせられた蓮の目の前にいたのは
赤黒い毛むくじゃらの獣だった。
「バケモノ」
「おめぇ俺の弟子になるか」
「やめとけ」ともう片方の毛むくじゃらの獣が止めると
二頭は路地の方へ消える。
二頭の後を追った蓮だったが、その姿を見失う。
まごつく蓮の腕を掴む大人がいた。
蓮を家出少年と見定めて補導しようとした警察官だ。
逃げ出す蓮。追う警官。
逃げ回る途中、さっきのバケモノの声を聞いた
気がした蓮は声のした路地へ潜り込む。
迷路のような路地を抜けたそこは
バケモノたちが暮らし集う渋天街という
人間の知らないもう一つの世界。

すぐに住人に捕まえられた蓮だったが、
「やっぱりきたかぁ」というKYな声の主に
ほっとする。
「こいつぁ俺の弟子だ」とその場をとりなそうとする獣
「何をばかな、人の子は心に闇を宿すのだぞ」と
蓮を捕まえた側の主が言う。
「そんなことしるか」
「今すぐ元の場所に捨てて来い」と言うやり取りをしていると
どこから現れたのか、長い耳の獣が
「これはわしが熊鉄に弟子を取れというたからじゃ」
「宗師さま」と驚く主。
宗師と呼ばれた獣のおかげでその場は収まり、
行く場所のない蓮は熊鉄と呼ばれた獣の棲家へ
と連れて行かれる。

「お前、名前は」
「言わない」
「年は」
身振りで9だと示す。
「九か、だったらこれからおめぇは九太だ」
「なっ」
ここから子供のような熊鉄と九太のおかしな
生活が始まる。

子供のような熊鉄と反発しながらも
なんとか強くなろうとする九太が
我を張りながらのやり取りが笑える。
やがて、成長した九太の強さを
熊鉄の指導の賜物と勘違いした渋天街の住人たちが
熊鉄の元へ弟子入りし始め、
これで、蓮を捕まえた猪王山との
宗師の座を掛けての武闘会を開く条件が整った。

そんな時、熊鉄とやりあった九太が飛び込んだ路地に
「あれ?ここは」といぶかる九太。
路地を抜けたそこは渋谷の街だった。

荒筋は渋谷に戻った九太のところでやめましたが
ここから、蓮としての人間の世界のブランク
を埋めるための新たな挑戦が始まります。
その手助けと、支えになる楓という少女との
やり取りがなかなか・・。
楓の声をあてた広瀬すずの上手さに
「えっ、」って感じです。
青年になった時の九太の雰囲気に
ちょっと違和感を感じたが、
それもほんの一時のこと、
十分楽しめました。

映像も渾身の出来で
3D流行の昨今にあって
「アニメはやっぱりこうでないとねぇ」と・・・。

非常に評判の良い声を聞き、観た後で
「評判どおり」と嬉しく思う。
フリーパスポートがあれば、
3回は観たいと思うぐらいでした。