年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

落語様式のギャグ漫画への応用

2007-03-23 04:44:32 | 涼宮ハルヒ
画像は3月21日ガタケット合わせコピー本表紙です。自分でネット検索したり、知人にニュースを教えてくれる人がいるハルヒファンの間では有名な写真ですね。
落語様式の漫画への応用の実例は、実は多すぎて挙げ切れません。作品には、読者に作品世界やキャラの性格を説明する「セリフ」なり「エピソード」が入っていることが多く、そうした機能の一種と考えられて、「落語と共通したギャグの展開形式」「破滅型ギャグ=直線型と違う円環型=反復式ギャグ」と自覚されていないためです。
「あずまんが大王」という「あずまきよひこ」という作家の連作4コマが、電撃大王というメディアワークスという出版社の雑誌にかつてありました。 
その中で、「猫好きだけど何故か猫に襲われるキャラ」「女子生徒、女教師に嫌われてる男性教師」等のキャラ立ちを定義されたキャラが登場するのですが、
一旦、そういう「その作品世界でのお約束」が読者に注入されると、それ以降は特に説明しなくても「そういうお約束」が自明のこととして使えるようになっていました。
あずまんがのパロ同人ですら、説明抜きで「お約束」を引用、活用できたくらい読者に共有させておりました。というより、商業でもこの技法を使わない作家を見つけるほうが困難では。ただ、ギャグの技法に特化して理解されていないだけでしょう。
この、「その世界でのお約束」を踏まえて笑いを発生させると、「類似の笑いの反復」が可能になってきます。自己破壊とは違う、システマチックな笑いが可能になり、破滅できない作家には朗報となります。創作を持続できるのです。
「前にも似たことが有って、何となく先の展開も判っているのに、また笑ってしまう」が起こるのです。これが「落語様式」の判りやすい例だと思います。
この様式の失敗例は、UDOさんが指摘してくださっていますが、私なりに整理すると
「前もって説明しておく努力が足りず、反復の利益を得られない」か、
「そもそも面白くないので、反復する意味が無い」か、
「面白いものでも、反復ギャグのさせ方が悪い」か、
だと思います。反復が上手く行くとサザエさんやドラえもんも可能になるでしょう。普通は作家が飽きてしまって、新しい事を始めたくなると思いますが。
次は、一般人が「びっくり人間大集合的個性」や「癒し系ほのぼの個性」に抗してゆくための「面白さの機械的追求」が可能か否か、という辺りに、現時点で我々に与えられてる道具立ての範囲で考えを深められればと思います。
面白いハルヒ同人紹介もしてゆくつもりです。


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