年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

サンクリ新刊…2冊目。

2008-02-09 05:46:26 | 涼宮ハルヒ
1冊目は風呂ネタの再録総集編ですが、2冊目はいわゆる新刊です。表紙は柄谷行人の著作のパロディ、みたいなもの。
面白いハルヒ同人紹介。
はわわ団「the false stars」:「叶わなくても願いを持つことには意味がある」という考察を通じた、長門のキョンへの婉曲的「告白」ネタ。こういう抑制された感情表現(!?)が長門の魅力だと思います。
こういう長門をどんどん描いて頂けると有り難いです。
まごころ&北里ちゃんねる「わたしとなかまがここにいる理由」:合同誌で初同人、らしいです。巻頭に長門の「恋愛感情について」の内省ネタで漫画を描いてらっしゃるきんくまさんは絵が描けない段階から、長門好きの一心でオフセ本出すまでこぎつけた克己心の人。
この内省ネタはもっと掘り進めても良いとおもうので、頑張って新作を描いていっていただきたいです。
印刷研究会「to MeMento Mori」:敢えてキョンたちと距離を置こうとする長門。
こういう涙も枯れ果てたような心理状態が嫌な感じでなくて不思議な印象に作品化できるのは得だと思います。
3人サークルの2人が辞めて、残った一人で活動を続けているという劇的なサークルでもあります。負けずに活動を続けていただきたいです。
刀槍屋「cogito,ergo sum」:「願いは叶える為に有る」と冒頭で宣言する、はわわ団と対照的な作品。考える長門。朝倉もフォロー。
キョンを好きになることで無意味だった長門の世界に意味が生まれた、しかし、キョンと結ばれたいという願望はかなえられてはならない、だから自分を殺し続ける、というキツイ葛藤の物語。
印刷研究会の長門の積極的離隔の物語に通じます。同時代性でしょうか?
ヒルベルト空間「量子デンスコーディング」:願いを叶えるるために世界を改変した「普通の女の子になりたい=自分に敗北した」自分と対決する長門。
朝倉のバックアップを受けながら世界でなく自分を変えることで理想の自分に近づいてゆくことを選択する。
…また「願いを叶える」ネタ。難解な部分があるので、誤読もあるかもしれませんが、面白いテーマに突っ込んでると思ったので買いました。
みらくる☆MILK「SNOW」:今回紹介した中ではオーソドックスな日常短編。キョンと長門の本屋で買い物ネタ。
初作品だそうで、それにしては達者だと思いますね。女の子が可愛いのが利点です。向上心の有るサークルなのでこれからが楽しみです。
深海星図「Snowdrop」:消失後のキョン長門。作者がキョン総受の理想なので積極的長門。自分の中の感情を恋愛と自覚してます。きんくまさんと対照的。
今回紹介した中では一番心が通じ合ってます。ヒルベルト空間の結論を突き進めるとこうなるのだと思います。
どうやら「消失長門」という共通のモチーフを土台にしたために、「願いを叶える」ネタが沢山あるようです。
長門の無味乾燥な「無意味な」人生がキョンへの「恋」で輝き出す。しかしそれは許されざる願望であり、長門は葛藤する。自分の感情を殺そうとしたり、今までの自分を殺したり。骨格は共通。
カオスティック乙女工房「涼宮ハルヒの恐竜」:達者な漫画力でギャグもシリアスも描ける才能溢れるサークル。
今回の「恐竜」ネタは先が気になりすぎる連載。消失長門で「ナガト100式」というバカ漫画を出しておられて、お腹がよじれましたが、今回はシリアス。大人みくるも長門もやられちゃって大ピンチですよ。
長門の心の支えがSOS団、という考え。キョンとの恋愛を中心に据えると女の戦いの「戦場」になりますが、友情に注目すれば「居場所」にほかならない、という。
まだまだ紹介続きます。