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周遊きっぷ・遂に全廃に~首都圏-北海道方面は別途フリーきっぷ設定も…

2013-02-16 | ニュース記事講評

昨日JR旅客各社のHPなどにおいて、今春の青春18きっぷ発売公式発表(概要は例年通り)と共に、周遊きっぷ発売の全面廃止が発表され、ご存知の方も多いかと思います。


周遊きっぷは「周遊券」発売終了後に、その代わりとして設定されたセミオーダータイプの乗車券で、往路・復路それぞれのJR線乗車券(一般の場合は乗車券部分のみ2割引:一部例外あり)と、フリーエリア内を有効期間内なら自由に乗降できるゾーン券(ゾーン内は特急自由席が乗り放題)がセットになっており、往復の利用距離制限をはじめ、北海道・四国・九州の3島内がフリーエリアとなる場合は、片道航空機利用(MAKIKYUにとっては、まずありえない選択肢ですが…)が可能になるなどのルールが存在しています。
(写真は以前MAKIKYUが利用した周遊きっぷ(使用済)のゆき券・かえり券とゾーン券です)

旅行会社のパッケージ商品や、予めフリーエリアまでの往復とフリーエリア内の乗り放題がセットになっている企画乗車券類の大半とは異なり、JR線なら往復の経路は重複しない限り自由に設定でき、往復で異なる経路を設定する事も可能です。
(東京都区内発着で九州内がフリーエリアの周遊きっぷを利用する際に、片道はストレートに東海道・山陽新幹線を利用し、もう片道は山陰本線経由の大回り経路にするといった行程も可能です)

経路内での途中下車も、ほぼ普通乗車券と同様の扱いで制約が少なく、目的地までの単純往復ではなく、みちくさを楽しみながらの旅行などではメリットを発揮するもので、片道寝台列車利用で北海道や九州など遠方へ出向く際などに、MAKIKYUは何度か周遊きっぷを利用した事があります。

しかしながら一部を除くと、旅行会社のパッケージ商品などに比べて割高になってしまう事や、往復の経路をJR線であれば自由に設定できるセミオーダータイプであるが故に、発券手順が煩雑になり、近年普及している「みどりの券売機」などの指定席自動券売機での取り扱いも出来ないなどのデメリットも存在します。

そのため周遊きっぷ発売以降の発売実績は、余り芳しくない様で、設定当初は全国各地で多数のゾーンが設定されたものの、次々と設定ゾーンが減少し、昨日の告知が出た時には、オレンジカード発売停止発表の時などと共に、いよいよこの時が訪れたと感じたものでした。

MAKIKYUが近年利用したのは、数年前に九州方面寝台列車が全廃になった事も影響してか、遠方で青春18きっぷなどでは足を運び難い上に、往復JR利用(新幹線など)のビジネス向けパッケージ(旅行商品)や、企画乗車券の設定が…という北海道へ足を運ぶ際に利用する程度でした。
(最近MAKIKYUが中国・四国地方や九州・韓国などを訪問する際には、往復新幹線のぞみ号+ホテル1泊がセットになった1人用のビジネス向けパッケージを利用する事が多く、幾つかの制約があるのですが、これだと首都圏(東京都区内や横浜市内など)~博多(福岡市内)でも、普通車利用だと新幹線が片道当り14000円程度で利用可能です)

そのため周遊きっぷが発売廃止となれば、他はともかく北海道方面だけは…と感じる所ですが、こちらはJR東日本とJR北海道から、東京都区内発着で「北海道全線フリーきっぷ」「みなみ北海道フリーきっぷ」という2種類のフリーきっぷ発売が発表されています。

2種類のフリーきっぷは、どちらもフリー区間となるJR北海道線までの往復は、最近のJR東日本では恒例になりつつある乗車券のみ(別途特急料金などを支払う事で、新幹線などを利用可能)、フリー区間内は特急自由席が有効期間内乗り放題となっています。

しかしながら往復の経路は原則として東北本線か東北新幹線に限定(寝台特急あけぼの号利用時のみ、同列車の経路となる羽越本線経由での利用可)される上に、どちらのフリーきっぷも有効期間が短く、東北本線の盛岡以北は第3セクターに移管されている現状などを踏まえると、フリー区間までの往復に普通・快速列車を利用するというのは、ほぼありえないと言っても過言ではない気がします。
(青森~蟹田間だけ普通列車利用というケースなどは、考えられなくもないのですが…)

ちなみに新たに登場する2種類のフリーきっぷは、JR側の案内を見るとIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道の利用は不可と記されており、記述の見当たらないフリーエリアまでの往復における途中下車可否に関して、JR側に問い合わせたら、フリーエリアまでの往復における途中下車は不可との事でした。
(新幹線はやて・はやぶさ号から新青森駅で特急スーパー白鳥・白鳥号に乗り継ぐ際、少し時間に余裕があって青森市内を観光したいと思い、新青森駅や青森駅で途中下車したいと思ってもNGです)

しかしながら首都圏~北海道を直結する寝台特急北斗星・カシオペア号でIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道を通過利用する場合には、両線分の運賃・料金を別途支払えば、利用可能との事です。

2種類のフリーきっぷ設定期間は、現段階では周遊きっぷ廃止となる4月から1年間となっており、新幹線の道内延伸実現後は、また異なる形でのフリーきっぷ設定になる事も考えられます。

首都圏~北海道を往復する際には、有効期間が短過ぎる印象があるものの、乗車券の特性を熟知していれば、使い方次第では周遊きっぷの代替としても活用できそうです。

今度発売される2種類のフリーきっぷは、賛否両論があるかと思いますが、周遊きっぷが廃止されるとなれば、最も影響が大きいと感じる北海道方面において、新たにフリーきっぷが設定された事は大いに評価できる事です。

JR各社一律ルールでの企画乗車券設定は、一部を除いて時代の実情に合わなくなっている気もしますが、旅客各社がそれぞれの事情や状況などを見極めながら、今後も創意工夫を重ね、新たなフリー乗車券や各種列車の設定など、魅力的な商品開発に励んで頂ければ…と感じたものです。



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