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退役が発表されたJR東日本・719系電車

2016-05-30 | 鉄道[東北]

先日JR東日本は仙台地区において、現在主力車両の一つとなっている交流区間専用電車・E721系の増備車・E721系1000番台を今年秋から導入、既存の719系電車を順次代替する旨を発表しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には既に公式リリースなどでこの情報をご覧になられた方も居られると思います。


車両の導入年次を考慮すると、719系はそろそろ車両更新か代替が必須の時期と言え、一部に旧型車両の廃車発生品を用いている事や、交流50Hz区間専用車で転用先も限られる事を考慮すると、廃車も致し方ないのかもしれません。


719系は都市圏輸送と中長距離輸送という双方のニーズに応えるため、客室設備面では一般形電車では典型的なセミクロスシートとなっているものの、クロスシート部分は固定式ながらも一般的なボックス配置ではなく、集団離反式に近い配置となっているのが大きな特色となっています。


2人掛けで同方向の座席が前方にあるこの区画は、個人的にはやや狭さを感じる事もあり余り好きではないですが、この区画は意外と人気がある様で、719系に乗車した際には、この区画は割合早めに埋まる事が多いと感じています。

また前面展望性に関しては、ワンマン運転対応車両を除くと余り芳しくない車両が多いJR東日本の一般形車両にしては抜群の状況で、しかも一番前のドアと乗務員室の間に2人掛けのロングシートも設けられているため、特に先頭車が電動車となる下り列車では、個人的には特等席と感じています。

仙台支社でも近年は高速乗合バスとの競合が激しい区間が幾つも存在し、Wきっぷなどの企画乗車券設定と共に、競合区間では719系を優先的に運用する事で対応している状況ですが、近年増備されているE721系も一部にボックス席を配したセミクロスシートとなっているのは、719系の功績も大きく影響しているのでは…と感じる位です。

この様な特色を備えている事に加え、その後増備したワンマン運転対応の別形式では、設備面では長時間乗車には不向きなオールロングシートを採用した事もあり、青春18きっぷなどで普通列車を乗り継ぎ、長距離移動する旅客からは結構な人気を誇っており、この事もあってかネット上でもかなり多くの方が719系代替に関する話題を取り上げていると感じています。


個人的にもJR東日本で活躍する一般形電車の中ではかなりお気に入りの部類に入る車両だけに、退役は少々残念と感じていますが、一部編成に施された磐越西線用の特別塗装(写真)は今後E721系などの後継車両で受け継がれるのか、また山形線(奥羽本線の標準軌区間)で活躍する719系も今後代替などの動きが生じるのか否かも気になる所です。

また仙台地区のJR線交流区間では、JR車両以外に阿武隈急行からの直通列車(阿武隈急行車両使用)も僅かながら存在し、同系もそろそろ更新や代替などの動きが生じても不思議ではない時期に差し掛かっています。

おまけに同社ではラッシュ用にJR東日本から417系を購入して使用、最近引退したという前例もありますので、719系の一部車両が移籍しても不思議ではないと感じていますが、直通運転を行っている阿武隈急行をはじめとする他社移籍事例が生じるのか否かも気になる所です。

他にも日本国内の交流50Hz第3セクター鉄道の中で、非冷房の老朽気動車のみを用いている鉄道などもありますので、その気になれば719系も活用できそうに感じますが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?