MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

特急料金不要 スマートアクセス!~とてもお値打ちそうに見える誤認広告

2014-08-07 | 北総監獄

先月末~今月初めにかけて、東京・銀座の某百貨店にて、毎年恒例となっている鉄道模型ショウが開催(今年で36回目)され、首都圏各地にお住まいの方の中には、足を運ばれた方も少なくないかと思います。

MAKIKYUも開催期間中の1日が公休となり、現在身を置く横浜市内某所からもその気になれば片道1時間程度、運賃も3桁で収まる範囲と言う事もあり、この鉄道模型ショウに足を運んだものでした。

会場となっている銀座の某百貨店は、東京メトロ銀座駅の至近にあり、付近では他にJRや都営地下鉄などの駅も徒歩圏に数駅存在しますので、鉄道模型ショウへ足を運んだ方は、これらの鉄道を利用した方も多いかと思います。

MAKIKYUは他の所用などもあり、先日模型ショウへ足を運んだ際には、銀座駅を通る東京メトロ(銀座線・丸の内線)と、JR線有楽町駅の双方を利用したものでしたが、銀座駅を通る東京メトロ線の電車内では、これは優良誤認なのでは…と錯覚させる車内広告が目に付いたものでした。


広告は新東京国際空港(成田空港)への空港アクセスを担う某大手私鉄が、自社鉄道路線の存在感をPRすると共に、その優位性を宣伝するもので、広告の左側は高級志向の客層向け、右側はそうでない客層向けの列車を宣伝するものになっています。

東京都内~成田空港間は、JR線の特急列車や快速列車、東京空港交通などが運行するリムジンバスに加え、近年では片道1000円程度で乗車できる格安高速バスも台頭し、高級志向・格安志向双方で各交通機関の競争が激化している状況です。

その中で少しでも自社の鉄道利用を周知し、利用を促進する意図でこの様な広告を大々的に打ち出していると思われますが、左側の「日暮里⇔成田空港 最速!36min!」に関しては、高付加価値をウリにした列車にしてはそこそこの価格設定かと思いますし、高級志向の客層向けには決して悪くない選択肢かと思います。
(ただMAKIKYUは、どちらかと言うと特別料金を支払って高付加価値の列車を利用するよりは、多少設備や所要時間の面で見劣りしても、割安な列車を選ぶ事が多い状況ですが…)

また首都圏在住者が海外へ足を運ぶ際には、この列車の終着駅に直結した施設を利用する事も結構多い様ですが、MAKIKYUは首都圏以外に居住した事はなく、海外渡航暦も2桁に達しているとは言えども、この列車の終着駅・成田空港を出入国で利用した事は、まだ1度もありません。
(MAKIKYUが海外旅行へ出向く際、出入国施設へアクセスする交通手段として最も多用しているのは、本体・子会社あわせた事業規模が、国内最大を誇る事業者が運行する路線バスです)

そのため余り縁のない列車と言っても過言ではない状況で、関西の狭軌某大手私鉄が運行する類似した性質を持つ有料特急列車には2回程乗車した事があるMAKIKYUも、広告左側の列車には1度も乗車した事がなく、当該車両も別ルートで運行する列車で1度乗車した事があるだけです。

この広告左側は小さい表示ながらも、下部にICカードと現金利用それぞれの運賃・料金合計額も記されており、左側だけならまあ妥当な広告なのでは…とも感じますが、問題は広告の右側半分です。

こちらは「特急料金不要 スマートアクセス!」と謳い、通称「悪徳」とも呼ばれる非常に評判の悪い列車を宣伝しているのですが、広告左側半分とは異なり、運賃に関する案内が何処にも見当たりません。

「悪徳」は、都心方面~成田空港間で2ルートが存在する広告掲出某大手私鉄の中でも、北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)との2重戸籍となっている区間、つまり全国各地を見渡しても他に類を見ない2枚舌路線を経由する事でも知られています。

2枚舌路線経由でも極端な遠距離低減制のお陰で、普通運賃に関しては大きく騒がれる程の差は…とも言われますが、それでも割高な運賃が適用され、おまけに運行本数も毎時1~2本程度しかないなど、「悪徳」は良質なサービスを提供しているとは到底言い難い状況です。
(都内屈指の動物園近くにある広告掲出某大手私鉄始発駅を起点に、成田空港までの自社線内定期券代を比較した場合、1ヶ月の定期代は2枚舌路線を使わないルートでは通勤29520円・通学8250円なのに対し、2枚舌路線経由だと通勤51210円・通学27180円と凄まじい格差が存在します)

広告に掲出している車両は、「悪徳」の中ではまだ程度がマシと言える車両で、個人的には国内通勤電車の中でワーストと感じ、座るより立っている方がマシと感じる「ブカブカした感触の座席」を装備した車両でないのは、せめてもの救いと感じますが、それでも如何にもお値打ちで「特急料金不要」などと大々的に謳うにしては、優良誤認も甚だしいと感じます。

おまけに「スマートアクセス」などと言う訳の分からない謳い文句まで付いており、これは運賃が幾らかを気にせずに、改札入出場時にスマートカード(ICカード)をタッチするだけで乗車でき、「アクセス」を冠する種別の列車で、これまた通称名に「アクセス」という語句が含まれる路線(2枚舌路線)を経由する事に由来しているのかもしれません。
(「スマートアクセス」という用語が、ICカード利用でどの路線を経由すると運賃が幾らかを意識せずに乗車して、後で差し引かれている金額を見て、2枚舌路線ならではの余りの悪徳ぶりに仰天する状況を謳っているのであれば、理解できない事もないのですが…)

とはいえ「開発を止めた某鉄道」沿線からならともかく、広告掲出某大手私鉄だけでも複数ルートが存在する都心方面からのアクセス手段として、特急料金不要でお値打ちとPRする様な路線とは言い難い気がします。

こんな広告を出す位ならば、格安派向けには多少乗車時間が長くなっても、もっと割安で運行本数も多い「本線経由」快速特急・特急の運賃や運行本数を宣伝する告知でもした方が…と感じたものですが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?