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千葉中央バス・カピーナ号で活躍するいすゞエルガ

2013-01-09 | バス[首都圏]

先日「MAKIKYUのページ」では、JR久留里線で活躍を始めた新型の通勤型気動車・キハE130形100番台に関して取り上げましたが、この車両が走る久留里線は木更津~上総亀山間を結ぶ非電化ローカル線で、他路線との接続駅は始発の木更津駅のみとなっています。

終点の上総亀山は山間部の小駅で、盲腸線終端駅の典型といった所ですが、鉄道と共にバス乗り歩きにも興味のある方は、ここから何処か他路線の駅へ向かう路線バスか、或いは久留里線に並行する路線バスはないのだろうか…と考えるかと思います。

久留里線に並行する路線バスは、木更津周辺では少数ながら走っており、他に姉ヶ崎~馬来田間を結ぶ路線なども存在していますが、終点の上総亀山駅は以前、安房鴨川駅へ向かう路線バスが走っていたものの、現在は利用減少などにより廃止されています。

しかしながら僅かとは言えども、久留里線末端部の君津市内陸部~鴨川市内間を公共交通で移動する需要は存在しており、安房鴨川~千葉間を運行する都市間バス「カピーナ号」が久留里など君津市内陸部を経由しています。

カピーナ号は一般路線とは異なり、鴨川市内や君津市内に存在する停留所間のみでの利用こそ不可能になっていますが、現在君津市内陸部~鴨川市内間の一般路線が廃止された事もあり、千葉市内発着の利用だけでなく、君津市内~鴨川市内間での利用も可能となっています。

またカピーナ号は都市間バスとは言えども、整理券方式・運賃後払いで現金等による車内精算方式(金券式の専用セット回数券もあり)の座席定員制となっており、特に予約や事前の乗車券購入も必要としませんので、久留里線末端部~鴨川市内間を移動する交通手段として、路線バス感覚で利用する事もできます。

そのためMAKIKYUは以前にも一度鴨川駅東口~亀山・藤林大橋間でカピーナ号を利用した事があるのですが、亀山・藤林大橋停留場は上総亀山駅から徒歩10分程度と少々離れている上に、不慣れな人間が上総亀山駅方から亀山・藤林大橋停留場へ向かう場合、事前の下調べがないとやや利用しにくいと感じてしまうのが難点です。


先月MAKIKYUがカピーナ号を利用した際には、もう少し久留里線の駅に近い所で…という事で、鴨川市内からの運賃が亀山・藤林大橋と同額(800円)の「松丘」停留所を利用したものでした。


ここは目の前が上総松丘駅で、駅・バス停共にどちらからも双方が見渡せる位置にありますが、駅舎とホームは線路の反対側に位置しており、近くに踏切がないために、久留里方に随分な大回りを強いられるのが難点で、この事が駅のすぐそばにバス停がありながらも、「上総松丘駅前」と名乗れない一因なのでは…と感じた程です。

距離的には本当にすぐ、列車も駅入線・出発直後の低速ですぐに止まれるような速度で走り、見通しも悪くない箇所なだけに、駅前の線路に渡り板を設置して歩行者専用の第4種踏切(遮断機・警報機なし)でも設置すれば…と感じたものです。
(現状では線路横断禁止の看板が出ていますが、多数の人が通った痕跡が見受けられる状況です)

現段階でカピーナ号と久留里線を乗り継ぐのであれば、鴨川市内からの運賃がやや上がってしまうものの、久留里線の運行本数も若干増える久留里/久留里駅前が最も妥当なのでは…と感じ、どちらも運行本数は決して多いとは言い難い状況ですので、運行時刻と乗継利便性共に、JR~バス乗り継ぎにもう少し配慮して頂ければ…と感じます。

ちなみにカピーナ号は鴨川方の日東交通グループ(日東交通本体・鴨川日東バス)と、千葉方の京成グループ・千葉中央バスによる協同運行となっており、主に横4列席の観光バスタイプ車両が用いられています。

MAKIKYUが以前カピーナ号を利用した際には、都市間バスにおける典型的な車両の一つと言っても過言ではない三菱エアロバスに当たったのですが、先月千葉中央バス運行便を利用した際にはいすゞエルガに当たり、カピーナ号でこの車両が来るとは予想していなかったので少々驚きでした。

 
エルガ(共通設計の日野ブルーリボンⅡを含む)と言うと、大型路線車では三菱エアロスターと並ぶ最近の典型車両ですが、自家用仕様などに近い外観で、リクライニングシートを装備するトップドア2段ステップ車も短距離高速バスなどでボチボチ導入されており、このタイプは非常に気になる存在でした。

MAKIKYUは西日本車体工業製のB型高速車(外観が路線タイプのトップドア高速車)などには何度も乗車しており、韓国で市外バス(主に短~中距離を走る座席定員制の都市間バス)を利用する際にも、現代エアロシティの市外バス仕様車を狙って乗車した事があるなど、大型路線車が好きなMAKIKYUとしては、路線バス風高速車とも言えるこの手の廉価仕様高速車は、比較的乗車時間の短い都市間路線(乗車時間が概ね1時間以内か1時間台)なら大歓迎です。

京成グループの新観光塗装を纏った姿もなかなか様になっていると感じ、路線車ベースだけに床高が低く、乗降性に優れている上に、如何にもバスに乗車していると言う感触が堪能できるこの手の車両(エアロスターでも構いません)は、是非日東側も走らせてくれれば…と感じたものです。

またMAKIKYUが乗車した千葉中央バスのカピーナ号は、運賃箱もICカードリーダーが設置されており、都市間バスでもPASMO通用の路線が増えていますので、乗務員氏にダメ元でPASMO使用可否を尋ねたら、カピーナ号では残念ながら今の所「使えない」との事で、路線バスの様な車両でICカードリーダーも付いていると、ついPASMOを使いたくなってしまいますが、通用しませんので要注意です。
(鴨川市内~君津市内で一部経路が重複する東京~鴨川間高速バス「アクシー号」では、千葉県内相互発着の乗車は木更津金田利用以外不可ですが、こちらは京成バス運行便のみPASMO対応です)

カピーナ号は鴨川~久留里線沿線~千葉市内間のアクセスとして有用なだけでなく、都市間バスながらも一般道区間が長く車窓も楽しめ、車両面でもエルガ導入で個人的には更に魅力が増したと感じたものです。

機会があれば千葉市内~久留里線沿線or鴨川市内までの乗車も…と感じたもので、首都圏でエルガの高速車に乗車できる路線はまださほど多くないという点でも注目と感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非カピーナ号に乗車してみては如何でしょうか?