先日MAKIKYUが北海道へ出向いた際には、時間の関係で街中をゆっくりと廻る事は叶わなかった(函館は他の道内各都市に比べてかなり近く、首都圏から列車で1泊2日の日程でも難なく行けますので、機会があれば別途函館を訪問する旅行もしたいものです)ものの、札幌へ向かう往路は函館駅で途中下車しており、乗継時間の合間に指定席券発券や青春18きっぷの購入を済ませると共に、駅前を発着する市電や路線バスを視察していました。
函館市内を走る路線バスは、以前は函館市交通局(函館市営)と函館バスの2事業者が存在していましたが、近年函館市営は路線バスから撤退し、路線を函館バスに移管すると共に、かつて東急グループの一員であった函館バスは、東急グループから離れて函館市が新たに出資する新体制で再スタートを切っており、現在市内や近郊を運行する一般路線バスに関しては、函館バスに一元化されています。
函館バスはかつて東急グループであった事から、車両の塗装は東急バスと同様の銀色に赤帯を纏った装い(比較的長距離の路線などで、異なる塗装の車両も走っていますが…)となっており、東急グループを離れた現在でもこの塗装を用いていますが、東急バスからの移籍車両も数多く走っている事から、首都圏の人間にとっては、はるばる北の大地へやって来たはずなのに、見慣れたバスが街中にゴロゴロ…という状況になっています。
ただ東急バスからの移籍車両や、函館市営バス撤退によって路線と共に移管となった車両だけでなく、新車の導入もそれなりに行われており、これ自体は特に驚くことでもないのですが、函館駅前でMAKIKYUが見かけた車両の中には、三菱ふそうAEROSTAR ECO HYBRID(エアロスター エコ ハイブリッド)の姿も見られました。
この車両はモーターを動力源としており、発電用エンジンを搭載すると共に、制動(ブレーキ)時のエネルギーも再活用する仕組みのハイブリッド車両で、メカニズム的には昨年小海線に登場して注目を集めたJR東日本の新型ハイブリッド気動車・キハE200形「こうみ」などを連想しますが、見た目こそ天然ガスノンステップ車などと大差ないものの、発進時にも通常の路線バスとは全く異なり、トロリーバスの如く静かに発進(MAKIKYUはまだ国内のトロリーバスには乗車した事がありませんので、大陸を走るトロリーバスを連想しての話ですが…)して行きましたので、通常の路線バスとは別格とも言えるこの車両が、函館の地を走っている事には驚いたものです。
ちなみにこの車両は、MAKIKYUもまだ試作車(AEROSTAR HEV)として導入された遠州鉄道(静岡県)の車両に一度乗車しただけで、車両価格が非常に高額となる事もあってか、両者合わせても全国的にまだ導入事例が少ない希少な車両です。
北海道では勿論この函館バスが導入1例目となっている様で、その事を誇らしげに側面に告知している状況でしたが、函館バスで走り始めたAEROSTAR ECO HYBRIDの今後の活躍を期待すると共に、冬の寒さが厳しい北の大地においても、この特殊な車両が適応していけるのか否かも気になる所ですが、函館の街をゆっくりと廻る機会があるならば、その際にはこの車両にも是非乗車してみたいと感じたものです。