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小田急60000形電車~遂に姿を現した地下鉄直通用ロマンスカー・MSE

2007-11-01 | 小田急グループ

 

去る先月20日・21日は海老名で小田急のファミリー鉄道展が開催され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも参加された方は大勢居られるかと思います。

また「MAKIKYUのページ」でもこのイベントに関連した記事は既に幾つか掲載していますが、今年のイベントにおける目玉的存在の一つが、来年3月に運行開始される地下鉄千代田線直通の特急ロマンスカーで用いられる新型車両・60000形MSE(Multi Super Express)の公開(6両編成のみ)でした。

この車両に関しては既に「MAKIKYUのページ」リンク先の幾つかのサイトをはじめ、様々な場において情報が公開されていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、「フェルメール・ブルー」と呼ばれる独特な色合いの塗装は、当初の構想図で公開されたイラストなどに比べて見栄えするものと感じますし、ファミリー鉄道展へ出向く際にMAKIKYUが乗車していた相鉄線の車内から初めてこの車両の姿を見た時には、少なくとも日本国内の電車では他に類を見ないとも言えるこの塗装は、かなり独特でインパクトがある様に感じられました。

編成は6両と4両の2種類が存在し、両者を組み合わせての10両運行途中駅で分割併合を行う事が可能な点は、既に多数が運行されているロマンスカー30000形・EXEとの共通点ですが、デザインをVSEと同じデザイナーが手がけている事もあって、天井を高く取った車内をはじめ、特徴あるブラインドなども箱根観光用に登場して好評を博している50000形・VSEと同様です。

そのためEXEとVSEを折衷した様な車両とも言えなくないですが、ただの両者を折衷的存在ではなく、有料特急用車両としては異例の地下鉄直通対応車両(構想だけなら他社にもあり、結局地下鉄線走行は新車回送時のみで営業車としての地下鉄直通を果たせず、運命を全うしそうな有料特急用車両が首都圏某大手私鉄にありますが…)となっている事がMSEの大きな特徴で、先頭車は展望席なしで貫通路付きとデザイン的な制約があるにも関わらず、前面のデザインもなかなかで、バーミリオン・オレンジの帯が窓下に入っている点も小田急のロマンスカーである事を印象付ける感じで良いと感じます。

ただ先日のファミリー鉄道展では車内の公開は行われませんでしたし、その隣には車内見学用に復活旧塗装となった7000形・LSEが停車していたにも関わらず、ブラインドが閉められていた事もあってLSE車内からもMSE車内の様子などは伺う事が出来ず、また6+4編成で併合運転を行う際には貫通可能な6両編成の新宿方は、同編成の小田原方とは異なる前面を持っているにも関わらず、これもLSE車内からガラス越しに辛うじて撮影出来る程度であった点は惜しまれる気がします。

とはいえ今年のファミリー鉄道展限定で野外公開されたSE車(旧3000形)の様になかなか公の場に姿を現さない車両という訳ではなく、今後地下鉄直通用特急をはじめとした大活躍が期待される車両であるだけに、貫通型の姿や車内の様子などは今後のお楽しみといった所なのかと思います。

またMSEが使用される列車は既に小田急HPなどで詳細が報道されていますが、当初予定されていた千代田線直通列車(北千住始発・小田急の従来種別にメトロを冠する)以外に、通常は営業列車が運行されない千代田線~有楽町線間の連絡線を介し、有楽町線新木場駅始発となる特急列車・ベイリゾート号(新名称)も運行される様ですので、末永い活躍に期待すると共に、Multiという名称の如く様々な場面に適応できるこの車両の性質をフルに活用し、更なる運行エリアの拡大にも期待したいもので、MSEが運行を開始した暁には、MAKIKYUも是非乗車(特にベイリゾート号)してみたいと思っています。

写真はファミリー鉄道展会場で公開された60000形MSE(6両編成)の小田原方前面(車両撮影側から撮影)と、新宿方の貫通型前面(車内見学で公開された復活旧塗装LSE車内から窓越しに撮影)です。