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JR東日本 E231系(近郊型)~首都圏各地で活躍している通勤型(?)電車

2007-06-23 | 鉄道[首都圏・JR]

昨日はJR東日本の大宮~さいたま新都心で朝ラッシュ時に架線切断事故が発生し、甚大な影響がありましたが、これはこの区間を走る電車の系統が非常に多岐に渡り、そのため影響が各方面に波及した事も一因となっています。

今回の事故で影響が大きかったのは、都心方面へ向かう列車の全てが該当区間を経由する高崎線と宇都宮線ですが、それ以外にも湘南新宿ラインと称して都心を介し、新宿経由で東海道線や横須賀線へも乗り入れを行っている関係で、一見今回の事故とは余り縁がなさそうな神奈川県内にも影響が出ている有様で、ネットワークの拡がりも一方では大きな落とし穴がある事を再認識させられるものです。
(この事はJR東日本に限らず、アーバンネットワークと称するエリアなどにも言える事ですが…)

ところでこの高崎線や宇都宮線、そして湘南新宿ラインですが、これらの路線で現在主力として使われている車両はE231系と呼ばれる車両で、特に現在特急やライナー列車を除く湘南新宿ラインで運用される列車は全てこの車両、また高崎線や宇都宮線、そして東海道線でも多数が活躍しています。

そのためこの車両は千葉県を除く関東地方各県、そして静岡県で姿を見る事ができますので、活躍の場はかなり広いものとなっており、首都圏各地で活躍しているといっても過言ではない状況です。

このE231系は近郊型仕様として衝撃吸収構造を採用したスペースの大きな運転台や、トイレ設備を設けた事などが特徴となっており、下回りも異なるものが使用されている事や、10両編成(現在の基本編成)は中間に2両の2階建てグリーン車を組み込んでいる事、そして一部車両のドア間にはボックスシートが設置されている事などが同系通勤型との違いとして挙げられます。

しかし近郊型仕様とは言っても、4扉車で普通車はロングシート主体(オールロングシートの車両が過半数を占めます)という状況ですので、設備的には通勤型車両と大差なく、また某社の「一回用カメラ(レンズ付きフィルム)」に良く似たあだ名で呼ばれる事が多い車両だけあって、寒々しく随分質素な印象を受ける内装も同系通勤型(山手線を除く)と大差ない状況ですので、この車両で始発から終点まで乗り通すとなると、比較的短距離の列車やグリーン車でもない限りは少々厳しく感じられるかもしれません。

ただこのE231系近郊型仕様も、増備の途中で余りに硬過ぎた座席の材質改良や、車内LED案内表示装置の内容充実(6文字分しか表示できず、次駅等を案内するだけの最低限の内容から、2段式に改める事で運行状況なども表示)など、幾つかの改良が行われていますので、割合後期に製造された車両(東海道線での出没率が高いです)では随分改善されています。

とはいえ長距離を快適に過ごせる車両というには程遠い印象があり、JRの運賃も普通運賃は決して安いとはいえない気がしますので、短距離はともかく、長距離の移動であれば期間限定の格安きっぷ・青春18きっぷを使うのでもなければ、都心~神奈川(横浜・藤沢など)、或いは北関東方面(宇都宮など)を移動するには競合する私鉄を使いたくなってしまうのが実情です。
(私鉄のほうが一般的に時間は余計にかかりますが、運賃は大幅に安いですので…)

まあこの車両の増備は一段落し、現在JR東日本が増備している車両は内装などが多少高級になりつつあるのは救いですが、それでもまだまだという印象は否めず、せめて線路が繋がっている東海道線を走る他社並の車両を期待したいものですが、粗製乱造&使い捨てという車両に関する施策を見ていると、余り期待できない気が…

それに比べれば東海道線では最近、トイレなしロングシート車両が多数走る事で知られる地区にも新型車両が導入されており、こちらはトイレ付きながらもオールロングシートという事で結構不評を買っている様で、「MAKIKYUのページ」リンク先サイトの幾つかでも取り上げられている程ですが、それでも少々高級感を感じる内装などが羨ましく感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?