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JR西日本 キハ120形気動車(浜田鉄道部)~長時間の乗車は厳しいですが…

2007-06-21 | 鉄道[中国]

昨日7月号の時刻表を見ていた所、以前にも話は聞いていたのですが、16日から三江線全線復旧と出ており、ようやく復旧か…と感じさせられましたが、今日はこの三江線を走るキハ120形気動車(浜田鉄道部)に関して取り上げたいと思います。

三江線は名前の通り、広島県の三次(Miyoshi)と島根県の江津(Gotsu)の間を結ぶ陰陽連絡(山陽と山陰側を結ぶ)ルートの一端を担う路線で、路線長100km強の全線単線・非電化のローカル線ですが、一日当りの利用客数は全線で数百名程度と極めて少ない状況ですので列車本数もかなり少なく、全線を通して乗車可能な列車は一日に2~3往復程度しかありませんので、極めて乗り難い路線の一つとして知られています。

運行される列車も普通列車のみですし、しかも近年は交換設備の撤廃や徐行箇所の増大などによって所要時間も更に増大する傾向にあり、3年程前にMAKIKYUが乗車した際も随分時間を要したものの、現在は更に余計に時間を要している状況ですので、形としては陰陽連絡ルートの一端をなしているとはいえ、実質的に陰陽の都市間移動に使える状況ではなく、三江線乗車を目的とした一部の旅行者や学生の休暇時期に合わせて発売される「青春18きっぷ」の利用者が利用するほかは、専ら数少ない地域住民の足(沿線はかなりの過疎地域です)として機能している状況です。

そのため昨年夏に災害で不通となった際は、果たして復旧するのか懸念される程でしたが、災害の程度が小さかった浜原以南の区間は昨年冬に復旧、そして16日には残る浜原~江津間が復旧し、長い間行われていた代行バス運行から、本来の列車運行に戻っています。

その三江線を走る車両がキハ120形と呼ばれる車両で、この車両はJR西日本各地のローカル線区に導入されており、「MAKIKYUのページ」でも以前岡山地区を走る同系に関して取り上げていますが、導入路線によって塗装が異なる為に彩り豊かな印象を受け、三江線と山陰本線(出雲市~益田間)の一部普通列車で使用される浜田鉄道部の同形は、写真の通り青の濃淡と赤色の帯を巻いた塗装となっており、現在三江線の定期列車は基本的に同形1両編成での運行に統一されています。

この車両はさほど輸送力を要しない路線を中心に導入されている事もあって、車体長は短く、ワンマン運転にも対応した設計となっているのが特徴ですが、トイレを設置していない事や、電車と異なりエンジンの振動が伝わってくる気動車でありながらやたらと薄くて硬い座席を装備している事から、長時間乗車では非常に疲労感を感じるものです。

ただこの車両が使用される路線は三江線をはじめ、過半数がキハ120形一形式で統一されている有様ですので、そうなると他に選択肢はなく、否応なしにこの車両に乗車する事になります。

そのためMAKIKYUが3年程前に一度だけ三江線を乗り通した際には、雪の降る寒い時期の朝という事もあって、トイレなしのこの車両には随分苦しめられたものですが、列車を一本見送ると次の列車まで数時間は待たされる路線で使用される事が多く、しかも乗客のトイレ待ちによる列車遅延まで発生する事がしばしばあった事から、近年はトイレ取付改造(これなら最初から付けていた方が…と感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?)が進められ、三江線でも16日の全線復旧に合わせて全車両がトイレ付きとなった模様ですので、以前よりは多少快適に乗車できそうです。

また全線復旧に際しては、ダイヤも災害以前と比べると多少変化があり、三次→石見川本(Iwami-Kawamoto)間の列車の時刻が2時間程度遅くなっていますので、石見川本で江津行きに乗り継ぐ旅程(それでも結構な待ち時間があり、一人旅で時間を潰すのは多少難儀しそうです)を考えている方には多少朗報かと思いますが、ただでさえ運行本数が極端に少ない三江線において、江津~石見川本間の列車一往復(時間帯を考えると、旅行者はまず使わないダイヤでしたが…)が減らされている点は気になるものです。

あと別件ですが、今月末にはこちらも長い間不通となっており、三江線と同じキハ120形気動車(多少の差異はありますが…)が活躍する福井県の越美北線が全線復旧する模様ですので、機会があればこの路線も是非乗ってみたいものです。
(MAKIKYUとしては、JR西日本の在来線で唯一乗車した事がない路線という事もありますので…)

ちなみに写真は3年程前にMAKIKYUが三江線に乗車した際、途中の口羽(Kuchiba)駅で交換待ちの際に撮影したものです。