goo blog サービス終了のお知らせ 

僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

新しい信号

2009年02月21日 | SF小説ハートマン
薄い膜を通して顔の表情が見て取れるようになまでにさらに72時間ほどかかった。

もうそれが人間であり、女性であることは疑いのないところだった。
母体内にいる人間の胎児のように動くことはなく、培養器の中で静かに成長を続けている。



ホストコンピュータが宇宙を呼んだ。
途絶えていた信号が再び送られてくるようになったのだ。

言語の解析は既に終わっていたので、その信号が機械の設計図であることはすぐに理解できた。
ただそれがどんな機能を持っているのかということは全く想像ができなかった。
ありふれた部品を組み合わせてできているのだが、回路は見たことのないもので、駆動エネルギーも分からなかった。


メンテナンスドロイド達によって直ちに部品が集められ、製作が始められた。
ホストコンピュータも今度は警告を発しなかった。