僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

プリンス

2009年02月03日 | ケータイ小説「パトスと…」
ローターの(辰雄にとって)魅力的な回転を見続けた後
軽いめまいを感じながら向かった場所は

プリンス自動車工業のブースだ

NEWスカイラインの華やかな展示の奥に
それはあった


R380


塗装はくすみ排気管は真っ黒だった
ポルシェを抜き去ったその時のまま
車体は飾りを廃して置かれていた

キーを回せばすぐにでも走り出しそうだった

手を伸ばしても触れなかったが
伸び上がってコックピットをのぞいた

タコメーターのみのダッシュボード
シンプルなシフトレバー
何度もヒール&トゥを繰り返しただろうアクセルペダルは
穴あきでいかにも軽く吹き上がりそうだった

辰雄はオリンパスPENをすっかり忘れていた
漏斗型のミラー
跳ね上がったテール
車重:622kg 

直列6気筒DOHC1966cc 197ps/8400rpmのエンジン
1気筒に4つずつのバルブ
ウェーバーのキャブ
ボンネットの中に収まったそれが
うなりを上げて爆発し続ける様を想像して
辰雄は動けなかった





頑張れニッサン
あのプリンスを吸収した責任を果たせ!















コメント
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