行定勲監督の作品というのは、日本映画好きの僕としては意外なほど見ていない。「GO」くらいか。この映画の感想を一言で言うならば、「過剰に『空気を読む』社会を作り出しているものはこういうことか」ということ。僕らは一体何から逃げているのか、何を恐れているのか、エンディングが突きつける問題は決して他人事ではない。
【予告編】
映画「パレード」予告編/名古屋ナビ
【あらすじ】
「上辺だけの付き合 . . . 本文を読む
デンゼル・ワシントンとブルース・ウィリスが競演した「マーシャル・ロー」再見。「マーシャル・ロー」とは「戒厳令」の意、原題は「The siege」で「包囲」を意味する。映画を見ればわかるけれど、原題の方が微妙な問題意識を感じさせるものになっている。僕の記憶だとてっきり2001の9.11同時多発テロ以降に製作された映画だと思っていたのだけれど、そうか、こちらの方が先なんだ。そういう意味では、日本におけ . . . 本文を読む
ドキュメンタリータッチの斬新なスタイル、難民化した異星人たちが住み着き28年後という設定…予想外に面白かったのがアカデミー賞4部門にノミネートしたニール・ブロムカンプ監督の「第9地区」。エイリアンをモチーフにしながら、しかしそれを1つの記号と見なすのならば、考えさせられることは多々あるだろう。
【予告編】
映画「第9地区(District9)」予告編(日本語字幕)
【あらすじ】
南アフリ . . . 本文を読む
似て非なる2つの映画。 1つはミッキーロークが主演した第65回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作品の「レスラー」で、もう1つはロバート・デ・ニーロが主演をした作品の「ザ・ダイバー」。これら2つの映画は根底に流れるテーマは同一でありながら、メッセージもその結末も対照的だ。
【「レスラー」予告編】
『レスラー』予告編 The Wrestler Movie Trailer
【「レスラー」あらす . . . 本文を読む
もちろん「ヤッターマン」をあんな風に再現できるのは三池監督の手腕によるものだとわかりつつ、やはり三池監督の凄さというのは、疾走シーンや乱闘シーンなのだと実感。50分にわたる戦闘シーンはその魅力満点で、こんなに面白かった時代劇というのは勝新太郎が自ら主演をした「座頭市」以来だろう。役所広司、山田孝之、稲垣吾郎、松方弘樹、市村正親ら豪華なキャスト陣に彩られた10年代の時代劇の名作の誕生だ。
【予告編 . . . 本文を読む
クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン製作総指揮、27年間も投獄生活を余儀なくされた南アフリカネルソン・マンデラと南アフリカ代表のラクビーチームを主人公に描いた感動の実話。アパルトヘイトも過去のことになりつつある南アフリカで、しかしまだまだ戦いは続いているのだ。
【予告編】
映画 インビクタス/負けざる者たち 予告
【あらすじ】
1994年、南アフリカ共和国初の黒人大統領に就任 . . . 本文を読む
いやはや押井守節炸裂の作品。新しく近所に開店したTSUTAYAに置いてあったので手に取ったが期待以上でき。混沌とした「戦後」から高度経済成長、政治の季節を経て現代に至る中で、時代を漂いあるいは抗ってきた「立喰師」たちの生き方を追ったドキュメンタリー。押井守が真剣にふざけている以上、こちらも真剣につきあわないと。
【予告編】
立喰師列伝 予告編
【あらすじ】
これは、“立喰師”と飲食店主たち . . . 本文を読む
話題作「アバター」を押さえて第82回アカデミー作品を受賞したキャスリン・ビグロー監督の社会派アクション。洗練され、かつ緊張感溢れる映像。「ハートブルー」でもそうだったのだけれど、この監督の映像はとにかくかっこいい。タイトルは「棺桶」を意味するアメリカ軍の隠語。果してこの映画にこめられたメッセージとは。
【予告編】
映画『ハート・ロッカー』予告編
【あらすじ】
2004年、イラク・バグダッ . . . 本文を読む
インド北部を発祥地とするジプシーたちを「ロマ」と呼び、ロマでないものを「ガジョ」と呼ぶ。この作品は4ヶ国のロマのミュージシャンたちが一緒にツアーをするドキュメンタリーだ。言語も音楽も違う彼らだが、ともに数世紀にわたっての迫害を受けており、それぞれの音楽を聴けばどこかでそのルーツがどこかでつながっているのでは…と思わせる。ジプシーたちの感動的な音楽と彼らの生活を追った作品。
【予告編】
映画『ジ . . . 本文を読む
作品がスタートした直後の映像を見るとかなり古い作品かと思ったけれど、製作は2006年。その年のスイスの観客動員数No.1にして2007年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。オーソドックスなつくりの中に、自分の夢を実現するためには年齢は関係がないというメッセージと、インターネットという現代風のツールが練りこまれた良質な作品。ただ僕がこの作品で感じたことは日本と、資本主義社会の行く末だ。
【予告編】 . . . 本文を読む
いやいや、これはなかなか。正直、原作を知っているものからすると、どんなに似た役者を用意したところで、コユキが歌うシーンがくればいずれにしろ残念な結果になるんだからと、ちょっと冷ややかな気持ちで観に行った「BECK」だけれど、なるほど、堤幸彦監督はこういうやり手でくるか、と思わず関心。原作は「ゴリラーマン」「ストップー毒島」のハロルド作石。累計1500万部の人気コミックの実写化だが、観て損はない。
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大して北野武に興味がなかったものの、たまたま映画館で見たのは高校生の頃。見た瞬間、その衝撃で震えたことを覚えている。僕にとっては北野映画にはまるきっかけとなった作品。物語自体は当時からみてもありきたり。ただそこにある「暴力性」は、下手すれば「ソナチネ」以上。北野映画ファンなら必見の1作。
【予告編】
その男凶暴につき 予告編 1989 Takeshi Kitano
【あらすじ】
一匹狼 . . . 本文を読む
何というか、綾瀬はるかの魅力がいっぱいといえば聞こえがいいのだけれど、こうすれば面白いよね、こうすれば感動するよね、こうすればみんなの期待を裏切らないよね、こうすれば70点以上とれるよね、といった感じで作られて70点以上をとったといった作品。そういう意味では面白いし、期待を裏切るわけでもないんだけど、まぁ、驚きもなく予定調和な世界が繰り広げられたといっていい。
【予告編】
おっぱいバレー映画予 . . . 本文を読む
「ターミネーター」や「アイ、ロボット」のようなハリウッド映画のロボットものとは一線を画しているとはいえ、日本人から見るとどうしても押井守の「攻殻機動隊」シリーズの影がちらついてしまう。ストーリーはいたってシンプルで、押井守の「GHOST IN THE SHELL」や「イノセンス」の影響を受けながら、その放つメッセージは押井守と相反する。
【予告編】
サロゲート(2009)予告編 SURROGA . . . 本文を読む
スタジオ・ジブリの新作「借りぐらしのアリエッティ」を鑑賞。一言で言えば、「こういうジブリ作品が見たかった」というのが感想。宮崎駿が好きで、「ナウシカ」も劇場で見たし「ラピュタ」や「紅のブタ」、「もののけ姫」も好きなんだけれど、「千と千尋の神隠し」や「ハウル」「ポニョ」といったところはもう1つ好きになれなかった。「アリエッティ」は米林宏昌監督ということもあってか、ちょっと頭でっかちになりすぎたジブリ . . . 本文を読む