「思惟」が他者との交流の中で発生するものであるように、あるいは実体としての人は常に外部との関係性において流動・変化しつづけるものであるように、押井守が手がけた「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」は「アニメ」という枠を越えた作品として存在している。この作品はむしろ「存在論」「生命学」として捉えられるべきだろう。
Ghost in the Shell (1995) | Theatri . . . 本文を読む
西田敏行が歌いまくり、岸辺一徳が踊りまくり、山本太郎が熱く怒鳴り、藤山直美はダイナミックにダンス!常盤貴子も子役の女の子も寺島しのぶも、ナイナイ岡村も、みんないい味を出して、さすが井筒監督、役者の使い方がうまい!と思わせる。ただねぇ…
刑務所収監を控え組長のの羽原(西田敏行)は、組の解散を決める。羽原の遣り残したことは2つ。1つはコンサートのキップまで手に入れたのにいけなくなったJBこと、ジ . . . 本文を読む
学校もあれば、キジムナー探しがあったり、家の手伝いもあれば、冒険もある。そうだ、大人なんかより子供はずっと忙しいのだ!「ホテル・ハイビスカス」は思わず子供時代のことを思い出させてくれる、しかも沖縄の魅力満載の映画だ。
ホテル・ハイビスカスは一泊四千円のところ、今なら沖縄料理付きで三千円。でもお客さんが泊まれる部屋はひとつしかない。ホテルを営む一家の1人、腕白な少女 美恵子は、学校の帰り道に行 . . . 本文を読む
マイケル・ムーアの「華氏911」が始まる前にと思って、引用されたタイトルの映画「華氏451」を見た。監督は名匠 フランソワ・トリュフォー。思想統制の一環として「本」が禁止された世界を描いたSFだ。
華氏451
近未来。みんなが平等な幸せを享受するために、知識や情報はテレビを通じて与えられ、人はその通りに考え、行動しいる。その世界では「本」の存在は許されない。「読書」は自分で考えることを生み出し . . . 本文を読む
世界でジャンゴに次いで世界2番目のギタリスト エメット・レイを追ったドキメンタリー映画、もしくはちょっとセンチメンタルになるウッディアレン風の恋愛映画。これを見てギタージャズを聴きだした人も多いのでは?
ギターを弾かせたらジャンゴの次に上手い!けれど、女好きで遊び好きのどうしょうもない破天荒男 エメット・レイ(ショーン・ペン)。ある日、ニュージャージーの浜辺で口のきけない娘ハッティ(サマンサ . . . 本文を読む
松田龍平が出てるのとは違うんだぁ…と思いつつ、とりあえず原作者の狩撫麻礼・松本大洋の名前に惹かれてついつい借りる。
まぁ、狩撫色満載の青春映画ですね。
「ユメなし、カネなし、オンナなし」の北野高校・高校3年生オサム(玉木宏)、コージ(佐藤隆太)、タツトシ(森山未來)が主人公。でもどう見ても「ボーダー」の3人組だよなぁ。
とにかくわからないけど「すげーことをしたい」という3人が、ふと手に入 . . . 本文を読む
「ガタカ」、「トゥルーマン・ショー」のアンドリュー・ニコルが監督、アルパチーノ主演の「シモーヌ」を見た。どちらかというと「トゥルーマン・ショー」に近いコメディで、実際の女優以上に人気が出てしまった「ヴァーチャル女優」がモチーフだ。
主演女優にも逃げられる落ち目監督ヴィクター(アル・パチーノ)は、映画を完成させるために、皆に内緒で主演女優をCGで作り上げてしまう。そうして誕生した女優 シモー . . . 本文を読む
北野武の映画でどれがお薦めかと聞かれると、「ソナチネ」と言いたい気持ちをグッとこらえ、「キッズ・リターン」と答えることにしている。この映画は誰もが楽しむことができるオーソドックスな青春映画であり、誰もの心に響くノスタルジーと「希望」と「挫折」、「再会」を丁寧に描いきつつ、ラストの「まだ始まっちゃいないよ」とのセリフが示すように北野武が「生きる」ことを肯定した感動作だ。
この映画の(北野武とし . . . 本文を読む
男は彷徨から帰ってきた。何故?そんな問いは愚問だ。想いは語る必要はなく、それぞれの心の中にとどめておけばいい。"秘めるが花"――そう、何も伝えることが全てではないし、そうすることでこそ"浮かぶ世"もあるのだ。長塚京三、桃井かおり、倍賞美津子それぞれの想いが交錯する、市川準の傑作。
「パリ、テキサス」「タンデム」と旅を続ける男の映画を紹介してきたので、彷徨から帰ってきた男の映画を。
妻にも何 . . . 本文を読む
オープニング、いきなりリカルド・コチャンテの歌が心を打つ、パトリス・ルコントのロードムービーの傑作。「髪結いの亭主」が好きな人なら必見だ。
かって国民的な人気司会者だったミシェルは、マネージャーのリプトとともに視聴者参加型のクイズ番組のために各地を回っていた。我儘気ままなミシェルの行動にリプトは頭を悩ませている。番組は各地で熱狂的に迎えられるが、その実、かってのような人気はなく番組の打ち切り . . . 本文を読む
「フォー・ザ・ボーイズ」について書いたときに「映画を見たあとどうしてもサントラが欲しくなったのは」2作と書いたけど、すっかり大事なものを忘れてました。それがこの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」です。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
ヴィム・ヴェンダースの映画で好きなのを1つ選べと言われたら、う~ん、「アメリカの友人」もいいし、「夢の涯てまでも」も捨てがたいでもやっぱり「パリ、テキサス」 . . . 本文を読む
POPミュージックがその域を越えて"魂"をもつ―もちろん「Moteher」と叫ぶジョンレノンにも魂はこもっていたし、「Yesterday」に哀愁をあたえるポールも好きだけど、この映画のベットミドラーの歌を聞けば、こと「In My Life」に関してはビートルズ以上に名曲に仕上げたと思う。この歌を聴くだけでもこの映画は見る価値がある。
ストリーは全米芸術勲章授与のためにテレビ出演を求められた . . . 本文を読む
この映画ほど言葉の無力さを感じさせる映画はない。語るべき言葉が見つからない。語る必要もない。言えばいいのだ、「とにかく観ればわかるよ」と。
ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞監督 "世界の"北野武の最高傑作「ソナチネ」。
この映画を観たとき、観客は両手の指の数で足りるくらい。しかも小指のなさそうな男たちぱっかりという感じで。。。確か2週間くらいで打ち切られたはず。まぁ、「HANA-BI」以降だ . . . 本文を読む
今さらながらマイケルムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見た。う~ん、面白過ぎ。アメリカって一体どんな国なんだ?!
ボウリング・フォー・コロンバイン
アメリカの銃社会に鋭く切り込んだドキュメンタリーということになっているが、もっと深くアメリカのもつ矛盾や僕らが感じる違和感を表出させた作品である。
例えば、「パーティカル・リミット」という映画がある。妹アニ―が世界一高い山頂に挑む . . . 本文を読む
正直、SF映画で気に入ったのは数本しかない僕としては、オススメの一本。
「優生学」なんていうと白い視線を浴びせながら、かたや血統書付の種馬に高い価格がつくという矛盾を平然と受け入れることが程度の倫理観しか持ち合わせていない人間社会ならきっとこんな社会も近いんだろうなぁ、と思わずにはいられない、近未来SF映画。セットなど若干チープな作りのところもあるけれど、莫大な資本投下をするだけがいい映画に . . . 本文を読む