まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

チャチャーンチャーン

2006-02-11 09:35:37 | 学業
2月10日(金)。

さて、タイトルは、何の曲を表しているでしょうか?答えは↓

今週は、よく集中して頑張りました。ブログも書けなくてごめんなさい。
今週初めまでかかって読んだ内容を、頭の中で整理して組み立てて、書き始めました。今日、レポートに書こうと思っている3つの病気のうち、一つ目を書き終わりました。

これら3つの病気は、ウガンダで一番大きい病院の、3か月分の外来患者の診断記録から、目立って発生のある、または発生があると思われる人畜共通伝染病(動物からヒトにうつる病気)を選びました。

一つ目は、有鉤嚢虫(ゆうこうのうちゅう)症というサナダ虫についてでした。
食事中の人は、あとで読んだ方がいいかも知れません。

これは本来ヒトの腸の中で、3mくらいのサナダ虫になり、感染したヒトの大便に混じった卵をブタが食べると、卵は孵ってブタの筋肉の中などにカプセルを作って潜むのです。
ヒトが生煮えの豚肉を食べると、カプセルから出た虫はその人のお腹の中で成長し、またヒトの腸にサナダ虫として住み着くのです。

ここまでは、まだ可愛い。ほお擦りはしたくないけど。
ヒトが、もともとヒトの大便と一緒に排泄された卵を、何かの拍子に食べてしまった場合、今度はブタの場合と同じように、虫はその人の筋肉などにカプセルを作って潜もうとするのですが、虫が脊髄や脳に侵入すると、癲癇(てんかん)、痙攣、精神病などを患い、運が悪いと亡くなるケースもあります。

アジア、南米、アフリカでは、この寄生虫が多く、癲癇(てんかん)患者のうち大体10%から、多い地域では40%以上が、この虫によるものだったと報告されています。

そんな大便から口に入るなんて!と思われるでしょうが、衛生状態の悪い国では、虫を飼っている人がレストランで働いていて、その人の手から食事にひっついてくることや、汚染された水、その水で洗った野菜や果物など、可能な状況はいくらでもあります。

南アフリカでは、女性が、誠実でない夫か彼氏への罰に、便に出てくる、卵が入ったサナダ虫の体の一部(片節)を、ビールに入れて飲ませることが少なくない、との報告があります。おそろしや。

昨年ウガンダで収集したデータのうち、たった3ヶ月間の、それも一つの病院の記録から、可能性のある患者さんは229人いました。この病気の説明や、ウガンダでの虫の分布状況(データは非常に少数)、研究をするとしたら、その方針など、そういうことを今週は書いていたわけです。

非常に集中するので、夜や朝はちょっときつくなります。
しかし、空手をやっていて良かった。稽古の中で、よく1分間出来るだけ速く、強くグラブにパンチする練習をします。その1分を、5回、6回とこなしていくと、だんだん腕が上がらなくなって来ます。そこで、相方や先輩は、ボクシングじゃないけど、

「カモン、カモン、ビッグ・ワン!ファスター!」

と、けしかけます。この、限界を超えて、本気の力を振り絞るのがいい。辛いけど、ガッツが出てくるのです。うおおおおお、という感じです。
このお陰で、今週はなかなか仕事にも集中力を維持することが出来ました。普段苦手な朝も、頭に何故かあのメロディーが流れてきて、がばっと起きれるのです。

そう、その曲とは、ロッキーのテーマ。ああ、こんなキャラじゃなかったのに・・・。
明日の朝もまた、土曜日なのに朝からテニスです。しかも偶然ロッキー大好きのメキシコ人、エリベルトと。なんかどんどん体育会系になっていくなあ。