まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

歯医者と患者のカンケイ

2006-02-14 06:02:56 | 異文化
2月13日(月)。

今日は、歯石などを落としに、歯医者に行ってきました。
先週、レントゲンも撮って、歯の異常のチェックだけしてもらい、今日はクリーニングのみ。

以前この歯医者にかかったのは、昨年の一月でした。日本でクリーニングをしてもらったのは、その2年前。タバコもかなり吸っていたし、よほど汚かったのでしょう、昨年は歯石を取られながら、禁煙しろ、禁煙しろ、と説教を受けたのでした。歯肉ポケットの検査では、歯と歯肉の隙間に、針金のついた器具をぐいぐい入れられて深さを検査され、血も出るし、非常に苦痛でした。

そして今日。昨年の説教とは打って変わって、「座って」「はい、ゴーグル」「ゆすいで」としか口にしませんでした。糸ようじを使っているからか、あまり問題なかったようで、キュインキュイン削られるのも、割と短時間で終わり、歯肉ポケットのチェックはありませんでした。

もっとこう、「あー、タバコ止めたんだね!ほら、汚れが少ないよ。他に何か気を付けたことは?」とかさあ、会話がないもんかね、と物足りなさを感じていましたが、そのドクターと会ったのは一年前。一年に2,000人くらいは診るだろうし、一々覚えてないよね。

でも、僕は仕事をしても、もっと濃い人間関係が好きです。仕事でなくても、僕が確か大学生の頃、僕が出た幼稚園の先生が画家だったので、祖父が亡くなった際写真をもとに、祖父の絵を書いてもらうことになったのです。それで依頼に行ったときでしょうか、詳しいことは覚えていないのですが、同じく先生だった、画家の先生のお母様が僕のことを覚えていてくれたのです。教師の記憶力というものは大概すごいものですけど、幼い頃など、顔も随分違うだろうに覚えているなんてすごいと感動しました。

就職してからも、仕事が出来ることよりも、農家さんに覚えてもらうこと、親しくなれることに満足感、遣り甲斐を感じたものです。留学し、現場の診療、診断から大きい範囲をカバーする疫学という学問へと移ったとき、現場から遠くなるな、と寂しく思ったこともありましたが、始めてみると、大学や現地で出会った人たちが、論文を読んでいくとそこに載っていて、結局は人と人の繋がりであることに気が付きました。

前回のウガンダでイギリスへ帰国する一週間ほど前のことです。ウガンダには、バイクの後ろに乗せてもらうバイク・タクシー、ボダボダというものがあるのですが、いつものようにまたがり、ルガンダ語で行く先を告げ、カタコトで世間話をし、お金を払った時のことです。名前を聞かれたので、「マキタだ」と答えると、

「そうか、お前コウヘイという日本人を知ってるか?」

と聞かれました。そりゃ俺だよ、と答えるとドライバーは、お前かー!とえらく喜んで言いました。
最近カンパラ(ウガンダの首都)で、ルガンダ語を話す日本人がいるらしいと噂だったそうです。ウガンダで日本人は目立つからねー。しかも毎日せこく値切っていたからかも知れません。

発展途上国で仕事をすると、日本人なんか珍しいので、そういうのがまた面白いのです。いつも人との関係を楽しみに、これからも仕事をして行けたらいいなあ。