まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

疑惑のナイロビ

2009-02-18 05:45:21 | 異文化
2月17日(火)。

車の売買に必要な書類は、依然として手に入らず、今日も一日待っていましたが(仕事はしてたよ)、ようやく保険に加入することは出来ました。うちの職員に、とりあえず半年の保険にして、とお願いしていたのに、車の窓ガラスに貼ってあるステッカーを見ると、ちゃっかり一年分保険に掛けられていました。ま、これで生活は出来るので当面何とかなります。

さて、人を疑うのは良くない、という言葉もよく使われますが、御人好し過ぎてもいけないとも言いますね。ナイロビのダウンタウンを歩くときに、今では警戒せずにいる人は、ケニヤ人でもいないし、警戒していても白昼堂々襲われたりします。

シエラレオネ人の経済学者が、オーストラリアに職を得て、うちの研究所を去ることになり、彼の家に僕達家族が入りました。彼は、会うとフレンドリーで、仕事もとても優秀です。でも、約束の期日を守らない癖があります。

家を出て行く約束の期日を3週間も遅らせたし、譲り受ける物品の譲渡証明のレターをもらう約束を、毎日毎日、「また明日」と言って一週間以上遅らせました。モノは衛生テレビのチューナーなのですが、ケニヤでは、譲渡証明書なしには、契約変更や、次の売買も出来なくなってしまいます。野郎、面倒くさいのでこのまま逃げるつもりだな、と疑い、先週土曜に、とうとうアクションを起こしました。携帯メールで、「レターなんか5分で書けるだろう、約束を守れ」と送り、彼が住んでいた友人宅に行き、その場でサインさせました。すると彼はふてくされた様子で、「どうしてそんな行動に出るんだ、俺のことをペテン師とでも思っているのか」と言いました。僕も、少々やり過ぎたかと反省しましたが、どう思いますか?

今度は、我が家にて、一週間に2度掃除等をお願いしている新しく来た家政婦さんに、盗難の疑惑が持ち上がりました。これはかなり確かなことだったので、ドライバーも悲しい、と残念がっています。

ケニヤに来て分かったのは、ほとんど大多数は、安心出来るいい人だということです。市内で百貨店が火事になった時も、盗難など治安の悪化が懸念されたのですが、消防車を通らせるのに、市民が車を持ち上げて動かしたり、消火活動に積極的に協力する姿が、テレビで映し出されました。

人間とは弱いもので、ほとんどの人は、出来心や、喧嘩したという経験があるのではないでしょうか?しかし、悪い癖のある人は、とことん繰り返してしまうもの。ケニヤ人の警察OBにも、疑うことは悪くない、と助言されました。ああ、疑惑のナイロビ。これもまた、人生です。

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4 コメント

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Unknown (なおこ)
2009-02-18 08:22:46
シエラレオネの方の一件はかなりびっくりですね!
カルチャーショックです!
私は日本に帰ってきて、このきちんとした生活が当たり前と感じていますが、ケニアはさらにすごいですね。その保険の件も、私なら相当キレちゃいますよー。あと盗難も。。。
そんな中でがんばってるマッキーさんはさすがです!
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性善説 (おゆき)
2009-02-18 09:34:57
父の3回忌を終えたばかり=お坊さまの説法を聞いてきたところ・・なのですが
お手伝いさんのお話や、友人とのトラブルを聞くと
やっぱ、あんまり信じちゃいけないじゃん!って思いますね>>>>

気をつけて頑張ってください<うまく言えないや(^_^;)
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う~~~ん (TAKAMI)
2009-02-18 16:01:05
厳しい環境ですね。
不思議な人たちです。
自分が信用されなくなることは何とも思わないんだろうか?
疑うことも必要だし、油断せず、警戒することも必要なんてすね。ああ~厳しい…
そんな中で頑張っているまっきーは、ほんとにエライわ!!
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カルチャーショック (まっきー)
2009-02-20 05:29:13
なおこさん、
本当ですよね。今ではそれが当たり前になってしまったので、人間の適応力はすごいな、と自分でも感心します。一度、遊びに来ませんか??
おゆきさん、
いやあ、こっちでは、こういうトラブルは日常茶飯事なので、「いい人」の基準が急激に下がりますよぉ。日本人は、ほぼみんないい人になっちゃうかも。それでも、そんなケニヤも、やっぱり魅力的なんですよね。
TAKAMIさん、
何なんですかね?ケニヤで言うと、こっちがおかしいんでしょうね。人は許しても、自分は悪くなっちゃいけないよな、と思います。
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