町田・多摩センターの司法書士ミヤの開業ブログ~生き生きと生きる~

『司法書士法人まちたま』の代表です。多摩センターと町田の2拠点で活動。備忘録として書きます。

相続放棄の残尿感

2021年04月15日 00時37分34秒 | 相続・遺言
町田・相模原の司法書士・行政書士の宮下です。



今日は「信託の学校」の信託登記セミナー(ZOOM)に参加してきました。

1時間という集中力がギリ続く時間なのでちょうどいい感じになってます。

第2回も楽しみです。








さて、皆さんは相続放棄についてどういう印象があるでしょうか。


相続財産(遺産)を放棄することでしょ?


そうです。


民法第939条に定められてる家裁に申し立てるやつっしょ?


そ、そうです。


熟慮期間は原則3か月だけど、最高裁によって3か月経過後でも放棄が認められるようになったやつっしょ?


い。。。


今はコロナの影響で相続放棄の熟慮期間が緩くなってるあれっしょ?


ちょっと静かにして頂けますか?






司法書士が感じる相続放棄の感覚と、一般の方がイメージする相続放棄には、おそらく大きな乖離がある。

相続放棄は、被相続人(死亡した者)の財産に関して、プラスの財産やマイナスの財産全てについて相続しない手続きです。

つまり「相続人ではなくなる手続き」です。

ちなみに、「遺産分割協議によって相続分を放棄すること」を相続放棄と呼ぶ方がかなり多いですが、それは正確には相続放棄ではありません。







さて、この相続放棄、相続しませんよということなのですが、相続放棄をしたら終わりだと思っていないでしょうか?

相続放棄をしたからこれでもう問題ない、と思っていないでしょうか?

実は、相続放棄をしてもそれで終わらないんです。
そう、相続放棄をしても相続財産の管理義務が残ります。

これも民法で定められています。
はい、ドンッ!!

(相続の放棄をした者による管理)
第940条
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。





 
この管理義務ですが、例えば、空き家の空気の入れ替えや芝刈りなどがイメージしやすいでしょうか。
 
相続放棄をしても、次の相続人が管理をできるようになるまで、相続財産である空き家の管理をしなければいけないということです。
  
厄介なケースとしては、相続の最終順位の相続人(兄弟姉妹)が相続放棄をした場合です。

この場合の憂いは計り知れません。
次の相続順位はいないですから、ずーーーっと管理し続けなければいけない状況もあるわけです。
  
そのような場合、相続財産管理人選任の申立てをするか、相続財産を管理し続けるかの天秤にかけられる状況もあります。
 
兄弟姉妹の方は注意してください。


 

 
 
 

 

 

 

 

さらに、相続放棄には「相続放棄ができる条件」ってのがあるんですよね。その1つに相続財産についての処分行為をしていないことがあるんですが、これがまた厄介。
どういった行為が処分行為に該当するかの判断がかなり難しい。
            

さらに、裁判所に相続放棄が受理されても、それは100%確定したわけではなく、後に覆る可能性も秘めています。





さぁどうでしょうか。(なにが?)

相続放棄は実は奥が深いんです。

相続放棄について、ここで説明するにはあまりにも時間が足らなすぎるのですが、覚えておいて頂きたいのは相続放棄はかなり難しいということ。

遺産を放棄する、という単純なことだけではなく、多くのことを考えて手続きを進めなければいけないです。

個人的には、相続放棄の手続きが完了しても謎の残尿感がいつも残ります。










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