情報科作業日誌

高等学校情報科での毎日の作業記録です

プロの調査機関でも間違える

2008年01月12日 | 授業
本日付の朝日新聞朝刊に「予備選予測大ハズレ、釈明に汗」という表題で、
「米大統領選の民主党の候補指名争いで、ヒラリー・クリントン上院議員が勝利を収めたニューハンプシャー州予備選の結果が、直前の『オバマ上院議員勝利』の予測とかけ離れていたことから、世論調査機関や大学が釈明に負われている。」と報じられています。

選挙や候補者自体の内容についての議論はさておいて、ここで興味を持ったのが、記事中にある「米民間調査機関ピュー・リサーチセンターの代表は、同紙によせた記事で『今回の事前調査の失敗は現代調査史で最も重大な間違いのひとつ』と認めた」という所です。

実際、ギャラップ社の事前調査(紙中表)によると、事前調査ではクリントン氏とオバマ氏の得票率が、28%:41% に対して、実際の結果は、39%:37% となっています。

本校でも前期の終わりに「アンケート実習」を行っていますが、調査における注意点の一つとして「調査自体についての検討を忘れてはいけない」という話をするようにしています。今回の「釈明」のいくつかにもなっていますが、「有効サンプルの偏り」や「虚偽回答」ということも十分にありえる、というわけです。

このように、「アンケート調査」はプロでも間違えるのですから、統計学も十分に学んでいない高校生1年生に完璧を期してもらうことが非常に難しいことは言うまでもありません。ただ実際には、自分たちでアンケート調査をして「生の情報」を集める機会は多くあるわけですので、これらの内容は、来年度以降の授業を行う上での良い「例」になるのかな、とも思っています。