情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

全国学力調査の自主参加

2010-02-09 | 教育問題
2010年2月8日 朝日新聞夕刊に「学力調査『受けたい』続々」という記事が掲載されました。

全国学力調査が来年度から抽出された学校のみ実施されることになりました。一方、調査対象から漏れた学校でも希望すれば全国学力調査と同じ問題を受けられます(希望利用)。この場合は、「採点等は,学校の設置管理者の責任の下で行うこと」とされています。(文部科学省 「平成22年度全国学力・学習状況調査の実施について(通知)」 2009年12月28日)

記事によると、福岡県が全ての市町村で希望利用、鳥取県も市町村に参加を呼びかけているそうです。これらの県では、「採点や集計の費用を県の予算に盛り込む」そうです。また、大阪市、福井県も希望利用するようです。

色々な問題点が指摘されてきた全国学力調査ですが、ぜひ子どもたちの競争に利用しないでいただきたいと願うばかりです。
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高校生の就職状況

2010-02-08 | 職業問題
NHKクローズアップ現代「働きたくても働けない〜若者を襲う雇用の危機〜」(2010年2月8日放送)を見ました。

厚生労働省の調査によると、高卒新卒者の就職内定率(11月末現在)は68.1%と「就職氷河期」に匹敵する水準まで落ち込んでいるそうです。この放送では、原因の一つに求人の数が減ったことが挙げられています。厚生労働省の調査によれば、求人数は17万5千人(前年同期に比べ43.7%減)、求職者数は16万7千人(同11.9%減)、求人倍率は1.05倍(同0.59ポイント下降)となっています (厚生労働省 「平成21年度高校・中学新卒者の就職内定状況等(平成21年11月末現在)について」 2010年1月14日)。 もう一つの理由として、求人の質の低下(低賃金や社会保険に入れないなど)が挙げられています。長引く景気の低迷により、企業側も採用数を減らさざるを得ないのが現状のようです。

このような状況の中、宮城県では、「緊急新規高卒者就職促進奨励金」制度を設け、雇用創出を後押ししているそうです。この制度では、採用内定者1人につき15万円が事業主に支給されます。これにより300人の雇用が新たに発生したと放送では述べていました。

また、山形県立長井工業高等学校では、地域の製造業と学校が連携して、子どもたちの就職に取り組んでいるそうです。今は製造業が打撃を受けているため、製造業だけでなく、IT産業や食品加工業、銀行など、さまざまな分野の業種が集まり、地域の雇用を支えるために活動しているそうです。

放送では厚生労働省の調査結果を示していましたが、文部科学省の調査では、2009年10月末における高等学校卒業予定者の就職内定率は55.2%(11.6ポイント下降)となっています (文部科学省 「平成22年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(平成21年10月末現在)に関する調査について」 2009年12月15日)。そのときよりは若干、就職内定率があがったようですが、内定者数は1万人増えただけで、就職希望者数が2万人も減っています。

技術教育研究会会報『技術と教育』第433号(2010年1月)に「深刻化する高校生の就職状況」が特集されています。特集の視点「高卒就職問題を考える」において佐々木先生は、内定率や就職率を見るときの留意点として「ここに示される数字の母数は、あくまで就職希望者として就職活動をしている高校生の数である」ことを指摘し、3月にかけて内定率が上昇していくのは「就職がなかなか決まらない中で、進学に進路を変更したり、就職活動を断念してしまうものが増え、相対的に就職希望者の母数が減る中で、内定率が数字の上で上昇する」と述べている。

厳しい経済状況の中、就職を希望した高校生が内定をもらえない、経済的に余裕のある家庭の子は進路変更して大学進学の道も考えられるが、そうでない子どもたちはどうなってしまうのだろう...
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日本のものづくり

2010-01-24 | 教材研究
NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパンの命運」(2010年1月24日放送)を見ました。

これまで日本のものづくりは、手ごろな価格と品質の良さが特徴でした。しかし、今は、中国などアジアの製品が安さと共に品質も向上して、日本製品のシェアを奪っているそうです。なぜなら、今のものづくりでは、熟練の技術がなくても、定番の半導体を組み込めば高品質のものができるからです。

パソコンの場合、マイクロプロセッサとソフトウェアが命であり、あとは定番の部品の寄せ集めでできます。このような「パソコン型ものづくり」と呼ばれるものがテレビ開発にも押し寄せました。中国にある台湾資本のEMS(Electronics Manufacturing Service)であるAmtranでは、格安の薄型液晶テレビVIZIOを生産しています。ここでのパソコン型ものづくりでは、日本が誇ってきた確かな手仕事が必要なくなりました。そのため、日本とアジアの製品に技術力の違いが出にくくなりました。

このような流れ対して、東芝はセルプロセッサを搭載した高機能テレビCELL REGZAを開発しました。他の追随を許さないテレビの開発、日本が誇る技術力を高め次世代への独自技術の確立のため、取り組まれたそうです。

一方、JVC・ケンウッドは、「技術を貸し出し特許収入で稼ぐ」という新たなビジネスモデルに取り組んでいるそうです。開発した新技術M-LinXでは、インターネットを通してFM/AMラジオ放送を受信できるそうです。この製品を台湾資本のEMSであるQuantaに生産を委託するのと同時に、Quantaで生産している他のメーカーの商品にもこのシステムを組み込んでもらいます。多くの会社がこのシステムを採用することにより、特許収入を得るという仕組みです。

この放送を見て、ディジタル時代のものづくりの現状は、以前とは大きく変わってきたことがわかりました。アジアの新興国に負けない技術開発を日本で行うためにも、技術教育の重要性が見直されてもいいのではないかと思います。
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模型車を動かそう!

2009-08-29 | 対外講座
今日は、小学生を対象にした体験授業の日でした。私の講座は『パソコンで模型車を動かそう』で、「オートマ君」を使った制御実習をおこないました。この講座は今年で3年目です。2回の授業に17名ずつ、計34名の小学生が参加してくれました。

授業時間は40分。まず、コンピュータが私たちの身の回りでたくさん使われていること、コンピュータはパソコンだけではないことを話しました。それらのコンピュータが機器を自動的に動かす目的で使われていることを説明し、今日はパソコンで模型車を動かしてみましょうと話しました。

まず基本的な使い方を説明した後、プリントに記載したプログラムを入力してもらって車がちゃんと動くかどうかチェックしてもらいました。ここが一番ドキドキするところ。昨日、全ての機械が正常に動くことを確認しておいたのですが、今日、ちゃんと動く保証はありません。でも、運良く全て正常に動作しました!

あとは、課題の説明をして、各自、取り組んでもらいます。車を前進させたり、ジグザグに走らせたり、回転させたり... それぞれの児童の様子を見ながら適宜アドバイスをしました。指示通りに車を動かせた児童が眼を輝かせているのを見るのは、うれしいですね。

今年から体験授業の1コマが40分になってしまったので、あっという間に終了。でも休み時間になってもまだ頑張って課題に取り組んでいる児童もいました。

児童に「授業がおもしろかったか」と「授業が難しかったか」について5段階で評価してもらいました(無記名)。おもしろさについては、5-29, 4-3, 3-1, 2-0, 1-0, 未記入1で、ほとんどの生徒がおもしろいと感じてくれたようです。これは教材の力ですね。また、難しさについては、5-5, 4-7, 3-13, 2-4, 1-4, 未記入1 で、ちょうどよい難易度だったのではないでしょうか。自由記述の感想では、先生の説明が分かりやすかったや、またやりたい、もっと時間が欲しいなど、嬉しい意見をたくさんいただきました。

一方で、自分の反省としては、1人1人への対応が十分ではなかったということが挙げられます。1人1人見て回るのですが、授業が終わる直前になって、実はよく理解していなかった児童がいたとこに気づき、その子のフォローをすることがありました。どの子が分かっていて、どの子を注意しなければいけないか、初めて会う子どもたちなので、なかなか把握しきれません。児童の感想を見る限りそれに関して触れられてはいませんでしたが、今後はもっと注意深く見ていかなければならないと思いました。
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授業は楽しいもの

2009-08-26 | 教材研究
今朝、電車の中で、斉藤武雄先生の書かれた「『授業は楽しいもの』を出発点にちょっとした工夫を積み上げよう」(『技術と教育』2009年6月、426号)を読み、教員の授業作りの原点を振り返るきっかけとなりました。

斉藤先生と話していると、よく「教師は生徒から学んで給料までもらえる仕事」だという言葉を聞かれます。私もその通りだと思います。

斉藤先生は「授業の1コマ1コマを振り返り、学生たちがどのように受け止めたのか、自分自身の授業の狙い、教材、展開の仕方のどこが問題だったのかを検討しなければならない」「楽しい授業づくりの出発点は、教師自身が『授業というのは楽しいものなんだ』『生徒とともに授業を楽しみたい』という見地に立つことである」と述べられています。

授業がうまくいかなかったときは、気分が落ち込みます。「楽しい授業づくりの出発点」に立ち戻り、これからも研究をしていきたいと思います。
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全国高等学校情報教育研究大会

2009-08-24 | 学会・研究会
今日は全国高等学校情報教育研究大会に参加するため、筑波学院大学に行ってきました。

基調講演では「新学習指導要領と情報科」という題で、新旧学習指導要領を見比べながら共通教科「情報」の内容がどのように変わったのか、変更についての観点を説明されました。

午後は分科会とポスターセッション

分科会では、以下の4人の先生のご発表を聞いてきました。
  • 森下先生「情報の科学的な理解を促す導入的教材と考察」(第5分科会)
  • 世良先生「情報教育と知財教育の交差点」(第5分科会)
  • 磯崎先生「平成25年度に向けて高校情報教育の検討〜コンピュータ教育から情報デザインへ〜」(第3分科会)
  • 佐藤先生「CEC調査から見る全国の『情報科事情』」(第4分科会)


今回は、工業や商業の先生のご発表を聞く機会があり、勉強になりました。このような実践が普通科の学校でもおこなわれるようになるといいですね。
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鉋刃の研ぎの授業

2009-02-20 | 技術科
今日は、草加市立両新田中学校技術科の直江先生の授業を見学させていただきました。「日本一の薄削り名人が来た!」『技術教育研究』(No.66、2007年)に直江先生の木材加工の教育実践を書かれています。1、2時間目は2年生の研ぎの授業、4時間目は1年生の角材の切断の授業を見学しました。

40人弱の一斉授業ですから、生徒一人一人に対応するため、直江先生は動きっぱなしでした。また、生徒たちが教えあったり、研ぎのテキストを見て自分で判断したりしている場面もありました。半数以上の生徒が中砥石での研ぎの作業をしていましたが、一生懸命取り組んでいる生徒は、仕上げも終わり、削りに入っていました。何度も何度も削っては、削り屑をディジタルのシックネスゲージで測っていました。ここまで来るともはや職人です。

直江先生は、「何年経ってもからだに残っているもの」「力をつける→親から誉められる→自信になる」ということから、研ぎの実践を20年にわたって続けてこられたそうです。また実習を通して生徒の教えあいや学びあいがあることも指摘されました。

働くことを教える。教育における大切な授業の一端を見せていただきました。
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公開研究会

2009-02-14 | 情報科の授業
今日、本校の公開研究会がおこなわれました。情報・技術科の公開授業には、30名ほどの研究者、他校の教員、本校保護者が参加してくださいました。

私は2時間目に5年「情報」の授業をおこないました。例年、この時期はプログラムについて学習しています。前の時間に、オブジェクトとメソッドについて学習し、今回は、あらたなメソッドの定義についての授業でした。授業で使用する言語は「ドリトル」です。

前半は1つの例を元に、メソッドを新たに定義する方法を、生徒にプログラムのソースコードを入力しながら体験してもらいました。これを通して、メソッドを定義することの利点に気づいてもらいたいと考えました。授業の後半は、こちらが用意した課題に個人で取り組ませました。前半の内容はプリントに従ってやっていけばできる生徒が多いですが、後半は自分で考えなければできないので、多くの生徒がつまづいていました。他のクラスでこの授業をやったときよりも授業の内容を減らしたのですが、それでも終わらない生徒が多く見られました。

その原因は、今回の授業の内容に、メソッドの定義だけでなく、反復構造が含まれていたためだと思います。この二つは分けて授業をしたほうがよかったのではないかと後悔しました。

授業には、「ドリトル」の開発者である一橋大学の兼宗先生、設計者の一人である筑波大学の久野先生もいらっしゃいました。久野先生は、あまりにも私の授業がまずかったせいか、教室内を動き回って生徒のフォローをしてくださいました。

午後の教科別分科会「情報・技術科」では、元横浜国立大学の中村先生を助言者にお招きし、「中高一貫校における技術科情報分野と情報科の連携カリキュラム」というテーマでおこないました。情報・技術科の公開授業に参加された研究者、教員の方、17名が参加してくださいました。兼宗先生や、ドリトルを大学や高校の授業で使っていらっしゃる先生方が参加されており、色々なお話を聞けて勉強になりました。

H先生は、プログラムの授業では、生徒は失敗体験があるとしょげる、どんな簡単なプログラムでも成功体験があると楽しいと感じると話されました。その通りだと思います。これはプログラムの授業に限らないとは思いますが、「分かる」という体験が「楽しい」につながっていくんだと考えて授業をしていますが、今回のように失敗は尽きません。

参加者の中には、「情報」の授業でプログラムを扱うことに対して肯定的に捉えていないような方もいらっしゃいました。一生懸命、情報科に対する自分の思い話したつもりなのですが、まだまだ理解されませんね。

その他、兼宗先生に対して参加者から「ドリトル」に関する質問も出されました。兼宗先生のブログ『カメ太の日記』(2009/2/15〜16)に、授業のことについて書いてくださっています。ありがとうございました。
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労働者派遣法の変遷

2009-01-09 | 職業問題
この年末年始に「年越し派遣村」のニュースが毎日のように報道されました。昨日は参院本会議で、「雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議」が可決されました。今朝の毎日新聞にも、民主党の菅代表代行が「製造業への労働者派遣について、再度の禁止も視野に入れた再規制を柱とする労働派遣法改正案を(中略)社民党などと共同で提出する考えを明らかにした」という記事がありました。にわかに「雇用」が注目されています。そこで、「雇用」について自分自身のために以下にまとめておきます。

  • 1985年 労働者派遣法
    • 派遣労働が常用雇用労働の代替とはならないように派遣可能な業務を16業務に限定
    • 労働者派遣は派遣先企業の一時的な労働力需要のために必要である場合に限定するという主旨により、派遣期間は1年に限定
  • 1995年「新時代の『日本的経営』-挑戦すべき方向とその具体策」日本経営者団体連盟(日経連)
    • 雇用のあり方を「長期蓄積能力活用型グループ」「高度専門能力活用型グループ」「雇用柔軟型グループ」に分けていくことを提起 → 日本型雇用(終身雇用からの転換)
  • 1997年 男女雇用機会均等法、労働基本法「改正」
    • 女性の深夜労働と時間外労働についての制限の撤廃
  • 1998年 労働基本法「改正」
    • 有期雇用の拡大や裁量労働制の導入
  • 1999年 労働者派遣法「改正」
    • 一部を除くほとんどの業種についての労働者派遣の自由化
  • 2004年 労働者派遣法「改正」
    • 製造業への派遣も可能となる
    • 派遣期間が1年から3年(専門26業務は無制限)に延長
  • 1998年から2006年の間に、正規雇用は454万人減少し非正規雇用は490万人増加
  • 増えた非正規雇用のうち355万人は派遣などのフルタイム型非正規
以上、植上 著「若者の労働・雇用の変容と支援の方向性」『学ぶ はたらく つながる』(かもがわ出版、2008年)より

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視聴覚教材「プログラマ」「システムエンジニア」

2009-01-07 | 教材研究
DVD「プログラマー -誰でも使えるシステムを作れ」(『あしたをつかめ〜平成若者仕事図鑑』NHKエンタープライズ、2006年、約24分)を見ました。驚いたことに、男子高校生のなりたい職業第3位(全国高校PTA連合会、リクルート合同調査・2003年)がプログラマなんだそうです。その理由として「パソコンが趣味だから」「プログラムでいろいろなものを作り出したい」「この先の時代に役立ちそうだから」が挙げられていました。

ある会社で航空券予約システムの開発を舞台にプログラマの活躍が描かれています。この会社の平均年齢は28歳! 今回のシステムは、発注元の航空会社、システム開発会社、ウェブ製作会社の3社による共同プロジェクト。この会社はウェブ製作を担当しました。誰でも使えるユーザインタフェースを目標に、Flashを使って構築します。

プロジェクトマネージャー、ITプランナ、ITエンジニア、デザイナ、そしてプログラマの5人による共同制作がおこなわれます。色々な仕事があるのですね。プログラマの仕事の醍醐味みたいなものが垣間見れます。



次に、ビデオ「システムエンジニア」(『しごとライブラリー コンピュータシリーズ vol.2』私のしごと館、2003年、16分)を見ました。こちらは、実際の仕事の様子よりもインタビューを重視した構成になっています。システムがどんなものかはビデオからは分かりませんでした。

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