⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

核燃サイクルは堅持ー「もんじゅ」廃炉の方向

2016年09月21日 | 原発
核燃サイクルは堅持 「もんじゅ」廃炉の方向
2016/9/20 23:49 日経新聞

 政府は高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)について原子力関係閣僚会議を21日夕に開く。「廃炉を含め抜本的な見直しを行う」との方針をとりまとめ、廃炉の方向を決める。高速炉開発に関する官民の会議を新たに設け、今後の計画を示すほか、与党や地元の福井県などの意向も踏まえたうえで年内にも最終判断する。原子力政策の中核をなす核燃料サイクル政策は堅持する意向だ。


 関係閣僚会議ではもんじゅを廃炉の方向で抜本的に見直す方針を確認する。また「高速炉開発会議」を新設し、電力会社やメーカーとともに年内をめどに高速炉研究の今後の方向性を確定させる予定だ。そのうえで関係閣僚会議を再度開き、廃炉を最終的に判断する。

 閣僚会議には菅義偉官房長官、もんじゅを所管する松野博一文部科学相、エネルギー政策を担う世耕弘成経済産業相らが出席する。菅氏は20日の記者会見で「議論の結果を踏まえながら地元自治体の意見もよく伺い、最終的な対応を決することになる」と述べた。

 高速炉開発に欠かせないとして、もんじゅの再稼働を訴える文科省と廃炉を主張する経産省との意見の隔たりは大きく、政府内の調整に時間を要してきた。文科省はもんじゅを再稼働させた場合、少なくとも18年間で約5800億円の費用が必要と試算する。

 もんじゅにはすでに1兆円超の事業費を投じた。さらに巨額の費用がかさむとなれば、存続の意義を国民に説明するのは難しいとの意見が政府・与党内で強まっている。

 政府はもんじゅの廃炉を前提に、今後の高速炉研究の方向性をまとめることで、核燃料サイクルを堅持する姿勢を示したい考えだ。経産省はすでにある実験炉「常陽」(茨城県)や、フランスと共同開発する実証炉「ASTRID(アストリッド)」などで研究を継続できるとみる。

 もんじゅが立地する敦賀市の渕上隆信市長らは20日、首相官邸を訪れ、萩生田光一官房副長官にもんじゅ存続を求めた。西川一誠福井県知事も同日、「もんじゅに対する考え方に変わりがある場合は文科相自ら直ちに説明に来る必要がある」と述べ、政府をけん制した。

 
▼高速炉 次世代型の原子炉の一つで、エネルギーの高い(高速)中性子を利用するため高速炉と呼ばれる。エネルギー資源の有効利用を目的に、研究開発が進められてきた。放射性廃棄物の容量を減らす役割もある。
 燃料のプルトニウムを消費した以上に増やす「もんじゅ」は特に高速増殖炉と呼ぶ。普通の原子力発電所(軽水炉)は熱を取り出すのに水を使うが、高速炉は自然発火しやすいナトリウムを用いるなど扱いが難しい。