蓮舫民進、出足から暗雲 「野田幹事長」に騒然
2016/9/17 0:09 日経
民進党の代表に就いたばかりの蓮舫氏が、体制づくりの出足でつまずいている。野田佳彦前首相の幹事長起用に党内から批判が相次ぎ、そのあおりで16日中に予定していた他の執行部人事の先送りを余儀なくされた。26日召集の臨時国会が迫るなか、蓮舫氏がめざす挙党態勢の構築にいきなり暗雲が垂れこめている。
民進党の両院議員総会で幹事長に決まった野田佳彦前首相(左)と蓮舫代表(中)=16日午後、民進党本部
代表選から一夜明けた16日午後、党本部で開いた両院議員総会であいさつに立った蓮舫氏。やや硬い笑顔で「みんなの声を一つにしていく。向かうべきは安倍内閣だ」と切り出すと、「幹事長に野田佳彦衆院議員をご提案させていただきたい」と続けた。「安倍晋三首相と衆院でしっかり対峙できる経験をお持ちの方だ」と説明した。
蓮舫氏は野田氏が率いる「花斉会」に所属する。野田氏は後ろ盾のような存在だ。弁舌に定評があり、参院議員の蓮舫氏にとって衆院で論戦の核になるとの判断がある。
野田氏は首相だった2012年、自民、公明両党と消費増税に向けた3党合意を主導。衆院解散に踏み切り、大敗した。蓮舫氏は15日夜、都内で野田氏と会って幹事長を打診したが固辞された。蓮舫氏が「この人事を進めないと他の人事が先にいかない」と押し切った。
党内は騒然とした。「12年の選挙で議席を失った人の思いもある。責任をしっかり説明すべきだ」(逢坂誠二衆院議員)、「蓮舫氏は清新さを訴え党を変えると言った。これでは何も変わらない」(篠原孝衆院議員)などと厳しい声が続いた。
事実上の党ナンバー2である幹事長を代表と同じグループから出すのも極めて異例だ。蓮舫氏を支持した他のグループからも「下野の最大の戦犯である野田氏の傀儡(かいらい)政権だ。次の衆院選を乗り切れない」との批判が上がる。
両院総会に出席したのは147人の全議員のうち60人と半分以下だった。「野田幹事長」を承認した拍手はまばらで、20分ほどで終了。他の人事は週明けに持ち越した。
蓮舫氏は両院総会の前、代表選で支援を受けた細野豪志元環境相に電話で代表代行への就任を打診した。だが細野氏は回答をいったん留保したうえで党本部の蓮舫氏のもとに乗り込み、野田幹事長案を「党の分裂につながりかねない」と見直すよう直談判した。
党関係者によると、蓮舫氏は政調会長と国会対策委員長も16日中に決める意向だった。反発した細野氏が「急いで決める必要もない。ここは一呼吸置いたらどうですか」と促した。蓮舫氏は同日、代表の座を争った前原誠司元外相に顧問を打診したが前原氏は断った。
「自分の政治人生の落とし前をつけるため、火中の栗を拾う。蓮(ハス)の花を下で支える蓮根(レンコン)になったつもりで徹底して下支えする」。野田氏は幹事長就任にあたりこう語った。
10月には衆院で2つの補欠選挙があり、共産党との協力が焦点となる。野田氏はかねて共産党との連携に慎重だったが、16日は「自民、公明の連合軍に挑むには野党の連携も不可欠だ」と述べた。党内を二分するテーマだけに、残りの人事次第では混迷に拍車がかかる可能性もある。
2016/9/17 0:09 日経
民進党の代表に就いたばかりの蓮舫氏が、体制づくりの出足でつまずいている。野田佳彦前首相の幹事長起用に党内から批判が相次ぎ、そのあおりで16日中に予定していた他の執行部人事の先送りを余儀なくされた。26日召集の臨時国会が迫るなか、蓮舫氏がめざす挙党態勢の構築にいきなり暗雲が垂れこめている。
民進党の両院議員総会で幹事長に決まった野田佳彦前首相(左)と蓮舫代表(中)=16日午後、民進党本部
代表選から一夜明けた16日午後、党本部で開いた両院議員総会であいさつに立った蓮舫氏。やや硬い笑顔で「みんなの声を一つにしていく。向かうべきは安倍内閣だ」と切り出すと、「幹事長に野田佳彦衆院議員をご提案させていただきたい」と続けた。「安倍晋三首相と衆院でしっかり対峙できる経験をお持ちの方だ」と説明した。
蓮舫氏は野田氏が率いる「花斉会」に所属する。野田氏は後ろ盾のような存在だ。弁舌に定評があり、参院議員の蓮舫氏にとって衆院で論戦の核になるとの判断がある。
野田氏は首相だった2012年、自民、公明両党と消費増税に向けた3党合意を主導。衆院解散に踏み切り、大敗した。蓮舫氏は15日夜、都内で野田氏と会って幹事長を打診したが固辞された。蓮舫氏が「この人事を進めないと他の人事が先にいかない」と押し切った。
党内は騒然とした。「12年の選挙で議席を失った人の思いもある。責任をしっかり説明すべきだ」(逢坂誠二衆院議員)、「蓮舫氏は清新さを訴え党を変えると言った。これでは何も変わらない」(篠原孝衆院議員)などと厳しい声が続いた。
事実上の党ナンバー2である幹事長を代表と同じグループから出すのも極めて異例だ。蓮舫氏を支持した他のグループからも「下野の最大の戦犯である野田氏の傀儡(かいらい)政権だ。次の衆院選を乗り切れない」との批判が上がる。
両院総会に出席したのは147人の全議員のうち60人と半分以下だった。「野田幹事長」を承認した拍手はまばらで、20分ほどで終了。他の人事は週明けに持ち越した。
蓮舫氏は両院総会の前、代表選で支援を受けた細野豪志元環境相に電話で代表代行への就任を打診した。だが細野氏は回答をいったん留保したうえで党本部の蓮舫氏のもとに乗り込み、野田幹事長案を「党の分裂につながりかねない」と見直すよう直談判した。
党関係者によると、蓮舫氏は政調会長と国会対策委員長も16日中に決める意向だった。反発した細野氏が「急いで決める必要もない。ここは一呼吸置いたらどうですか」と促した。蓮舫氏は同日、代表の座を争った前原誠司元外相に顧問を打診したが前原氏は断った。
「自分の政治人生の落とし前をつけるため、火中の栗を拾う。蓮(ハス)の花を下で支える蓮根(レンコン)になったつもりで徹底して下支えする」。野田氏は幹事長就任にあたりこう語った。
10月には衆院で2つの補欠選挙があり、共産党との協力が焦点となる。野田氏はかねて共産党との連携に慎重だったが、16日は「自民、公明の連合軍に挑むには野党の連携も不可欠だ」と述べた。党内を二分するテーマだけに、残りの人事次第では混迷に拍車がかかる可能性もある。