The collection of MARIBAR 

マリバール 文集・ギャラリー

8月13日、16日 『くいどころバー 一翠』

2006-08-17 05:16:08 | 抱茎亭日乗メモ
 8月13日、母に絶縁されているT叔父に誘われて、池袋の『くいどころバー 一翠』 に入る。

この店に入ったのは『プレミアムモルツ』が飲めると店の前の幟に書いてあったから。
サントリーモルツは嫌いだが、プレミアムモルツは矢沢永吉が「最高!」と言っているので飲みたいと思った。
でもやっぱり私はエビスが好きだ。

この店では席に着くとすぐに丼にサイコロを3つ入れて持ってきて、客に振らせて、割引券やら始めの一杯やらポップコーンやらをサービスするキャンペーンをやっている。
チンチロリーン。T叔父は5のゾロメを引いた。
チェーン店で使える5千円割引券ゲット。すごーい。

母の絶縁話、T叔父の息子で、私と同じ年の従兄弟Tの見合い話、靖国問題。
「あんなものはつぶしちまえばいいんだ」とT叔父。なかなか大胆な意見である。
あははは。賛成。

ホリエモン、村上らについて。
「あいつらは『金儲けが何が悪い』って言ってるだろう」とT叔父。
「言ってるねえ」
「村上は悪いって思ってやってるんだよ」
「へ?そうなの?悪いことじゃない、資本主義社会じゃないか、と思ってんじゃないの?」
「違うんだよ。金儲けは悪いことなんだ。やつらは頭がいいから知ってるんだよ」
「へええ。そうなんだ」
「その理論をね、俺は解き明かしたいと思って日々考えてるんです」
「ほおー、すごい。頑張って下さい」
なんて酔っ払いの話。

私の父親(母の夫)Yを悪く言ったのが原因でT叔父は母に絶縁された。
「俺が一番Yさんとは仲が良かったんだから。あの人はヒモみたいなものじゃん。兄弟はみんな悪く思っていたけど、俺は憧れてたんだ。尊敬してるんだよ」
「そう!私も父親は大嫌いだったけど、すごいと思っているのは母の通勤の送り迎えをやっていたこと。母の乳がん手術の後ずっと、毎日リハビリマッサージをしていた。そういうところは尊敬している。フェミニストだったよね」
「それなのに、なんで俺が絶縁されるんだよ」
「『私のYさんは最高の男なの!』だから、みんながそう言わないと気が済まないんでしょ」

「あんた、彼氏いるんだよね?」
「はい。ラブラブです」
「結婚しないの?」
「しない。私は結婚願望ないですから」
「なんで?」
「私たちの愛は最強ですから、国家に認めてもらって制度に守ってもらう必要はないんです」
「偉い!あんたはやっぱり桜井Yの娘だね」

そして従兄弟Tの見合い話と、母との仲裁を頼まれて、T叔父にご馳走になる。

 16日、従兄弟Tからメール。
叔父と正月以来久し振りに会うのだが、二人では話が弾まないので付き合えとのことで池袋。

店はどうする?じゃあサンシャイン通りにある安い居酒屋でも、と歩いて『一翠』の前で、日曜日はここで叔父さんと飲んだんだよねーなんて話。
「はっ!5千円割引券もらったんだ!そうだ!ここにしよう」と私。
「そうだったっけ?」酔っ払いのT叔父は忘れている。
「叔父さんが5のゾロメひいたんじゃん!」
「ああそうか」

そして13日と同じ席に通される。
「18日お誕生日なの。5千円割引だし、二人でご馳走してね」と私。

同じように3個のサイコロが入った丼を従業員が持ってきて、従兄弟Tがチンチロリーン。
3のゾロメ!すっごーい。かなり興奮する3人。
「え?そういうサイコロなの?」と私。
「いや、普通でしょ。普通に振っただけ」と2人。
すごいねえ、続けて。同じ席で。親子で。本日は3千円の割引券ゲット。
「デートで使いなね。また強運を見せつけるといいよ」と励ます。

「お見合い相手とはその後どうした?メール往復した?」
「1往復だけ。実家帰ってるし」
「ふるさとはどう?ってメールしなさい」
「実家で忙しくしてるんじゃないの?」
「そんなのわかんないじゃん。帰ったら会おうね、ってメールしなくちゃ」
「そうか」
「メールは2回にわけてね。まずはふるさとはどう?で1往復。帰ったら会おうね、で1往復よ」
「なんか大変だなあ」
「大変よ!結婚まで行くには。積極的に押さないとね」
「そうだよ。部屋は今のところじゃ狭いだろう。俺の家の近くにいいところがあるんだよ」とT叔父。
「へ?引越しするの?今のところは彼女も呼べないような部屋なの?」
「いや、二人で住むのにさ」
「叔父さん!まだ早いよ、それは!もっと後で考えればいいから。まずは仲良くならないと」
「そうか。あはははは」

離婚したT叔父も恋愛する気満々。従兄弟Tは「無理だよ」。
「なんでよ。親子で競争よ。頑張れ!」と私。
「そうだよなあ。あはははは」
T叔父は気が早いんだか、のんきなんだか。

2人に母の絶縁撤回の手紙を見せる。
「撤回します、って一言で済ませるなよなあ」
「叔父さんが言った通り、謝らないね」
「田中真紀子だからな」
「でも私は謝れとは言ってないから、いいんですよ」

母は従兄弟Tにも夜遅く電話してきて、相槌も打たせず一方的にガンガン喋り、T叔父と私のことを「酷い酷い」と言って泣いて騒いだらしい。
「それで、家へ来いって?行くわけないじゃんねー!」と私。
従兄弟Tは本当に優しい奴だ。幸せになってほしい。

ラッキー親子にご馳走してもらって、帰る。私が一番ラッキーだね。ヴィ。