空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

映画『プアン 友だちと呼ばせて』

2022年08月14日 23時00分04秒 | 映画関係

[映画紹介]

「プアン」とは、タイ語で「友達」
原題は「最後に、さようなら」で、
英題の「One for the Road」は、「最後の一杯」という意味。

ニューヨークでバーを経営し、
自らもシェーカーを振っているボスの元に、
タイで暮らす親友のウードから電話が入る。
白血病に侵され余命宣告を受けたので、
頼みたいことがあるという。
ボスにとってウードは命の恩人。
お店を休みにして、タイに帰国したボスは、
死ぬ前に元恋人たちを訪ねたいという
ウードの願いを叶えるために、
ドライバーをしてやることになる。
「舞踏会の手帳」を思い出す。
ウードの父親はDJをしており、
その録音テープを聴きながらの旅だ。
ダンス教師、女優、カメラマンと、
順に別れた女性を訪ね、渡すべきものを渡す日々。

で、3人目を過ぎたあたりで、
時計を見ると、およそ半分。
あと半分は誰を訪ねるのか、と思っていると、
ボスの出身地パタヤで、
ウードがあることをボスに打ち明ける
実は、それこそがボスをタイに呼び寄せたわけだったのだ。

そして、後半は、
ボスと恋人のバーテン・プリムとウードとの秘められた関係の話になる。
これがこの映画の本題
ボスの出自、母親との関係、
プリムとの出会い、アメリカに渡っての生活、
と新たな物語が始まる。

快作「バッド・ジーニアス危険な天才たち」を撮った
バズ・プーンピリヤ監督の作品なので観た。
あのウォン・カーウァイが製作総指揮を担当。
サンダンス映画祭ワールドシネマドラマティック部門で
審査員特別賞を獲得した。
タイでの公開では初登場1位の大ヒット。

ロードムービーであり、恋愛物語であり、
友情物語であり、三角関係であり、
観客の予測を裏切るなど、
なかなか凝った作りの作品で、
音楽もカメラもなかなかいいのだが、
話の割にはスマートでないのは、
主役の二人のキャラクターか、
それともタイという国柄のせいか。
また、ボスもウードも
少々いやな人間に描かれているので、
共感性が薄いのも気がかりだ。
3人の彼女らとウードは、
あまり良くない別れをしたようで、
会うことさえ拒絶されるのが、
それを物語る。
ボスもプリムとの別れは心が狭すぎる。
本当に愛していたなら、ああはするまい。

それに時間経過に無理がある。

5段階評価の「3.5」

銀座シネスイッチ他で上映中。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿