[映画紹介]
1993年の「ジュラシック・パーク」公開時、
いち早くハワイで観て来た人が
「すごい、すごい」と騒いでいた。
どんな恐竜が出て来るのか、
ハリボテみたいなのが出て来たらいやだな、
と思っていたら、
実に精巧な恐竜たちが登場して驚いた。
原作はマイケル・クライトンで、
琥珀の中に閉じ込められたアブが吸った恐竜の血液から
遺伝子を取り出し、
培養して恐竜を現代に蘇らせる、
というアイデアにも感心した。
とにかく、高度なCG技術を駆使して、
恐竜たちのテーマパークが破綻していく過程を描いて、
リアル感のある映像の続出に、
感嘆した。
しかし、それも「2」「3」と続いて新鮮さが失せ、
2015年には「ジュラシック・ワールド」として
リニューアル。
スケールアップした恐竜の姿を楽しませてくれたが、
それも「2」で早くも陳腐化し、
今度の「3」でシリーズは終わるという。
(ホントかね)
終わるに当たって、
「ジュラシック・パーク」で活躍した
サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムらが再登場、
クリス・プラットらと共演するという
粋な計らい。
前作から4年。
世界中へ放たれてしまった恐竜たちと人類の共生はまだ模索中だった。
恐竜の保護活動を続けるオーウェン(クリス・プラット)と
クレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、
人里離れた山小屋で14歳になったメイジー(イザベラ・サーモン)と
暮らしていた。
メイジーは、ジュラシック・パーク創設に協力した
ロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女だ。
ある日、メイジーとヴェロキラプトルのブルーの子どもが、
何者かによって誘拐されてしまう。
オーウェンはブルーに「俺が取り戻してやる」と約束し、
また、クレアと共に救出へ向かう。
一方、サトラー博士(ローラ・ダーン)は、
グラント博士(サム・ニール)、マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)と共に、
バイオシン社の計画を阻止するために、
恐竜保護区に向かう。
そこでオーウェンらと合流し、
新旧シリーズの人々が顔を揃え、
バイオシン社との闘いをするが・・・
というわけで、恐竜とバイオテクノロジーを悪用する大企業との闘い、
という、あまり新味があるとは言えない展開となる。
ただ、アクションは華麗で、
と同時に、恐竜たちの姿は出し惜しみすることなく、登場する。
恐竜が登場しない場面を探す方が難しいくらい。
そして、オーウェンたちの前に
次々と困難が立ちはだかる。
まあ、その仕掛けの多彩さといったら。
それに、恐竜たちとの描写。
もはや、どうやって撮影したのか、
どうやって合成したのかが、
想像困難な映像が次々と続く。
暗い中、雨の中、雪の中という描写の困難さも見事に克服する。
19年の間のCG技術の進歩はすさまじい。
と共に、一瞬のゆるみもなく、
次々と見せ場が連続するサービス精神は、
6作の中でも一番ではないか。
しかし、いささか疲れた。
シリーズの生みの親・スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、
監督には「ジュラシック・ワールド」のコリン・トレボロウが復帰。
5段階評価の「4」。
拡大上映中。