終わりに、皆心を一つに、同情し合い、
兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい。
『ペトロの手紙一』 / 3章 8節 新約聖書 新共同訳
もっとも愛する人に
すべて主管される。
皮肉にも、国民の「決断」が下された総選挙から、一ヶ月。
※一寸先は闇であることを忘れてはならない。
新年の抱負「突破」と書いた色紙を掲げる猪瀬直樹都知事。
(矢島康弘撮影)
★【from Editor】猪瀬都知事「鬼に金棒」?
■産経新聞2013年1月22日 07:20
「一番必要なのは謙虚さ」。川淵三郎・日本サッカー協会最高顧問は昨年12月20日、自身のツイッターでこうつぶやいた。首相就任前の安倍晋三氏はその前日、自民党総裁室で「謙虚に言った方がいいですね」と忠告した。「謙虚さ」を求められたのは、東京都知事に当選した猪瀬直樹氏だった。
(写真) 川淵三郎氏
「民意は一番尊重すべきもの。議会と話し合いするときも、僕が民意を代弁しているということを尊重していただきたい」。当選翌日、433万8936票という選挙史上最多の得票数獲得で肩に力が入ったのか、そう都議会を牽制(けんせい)した。だが、都議も票数は違えど、民意で選ばれている。安倍氏との会合では「ギネスに登録しようかと思っている」と口にした。
自身の選対幹部だった川淵氏らの助言が効いたのか。担当記者によると、最近の知事は空前の得票数をバックにした発言をしていないという。川淵氏は「これ(謙虚さ)さえあれば鬼に金棒」ともつぶやいていた。2020年夏季五輪招致に向けた訪英も海外メディアの反応は良かったといい、知事は今、「鬼に金棒」だろう。
東京本社版では3日に知事の新春インタビューを掲載した。紙面の都合で質問は簡略化したが、聞き手の私が知事の著作を引き合いにたずねたものもあった。
「『僕は政治家でも権力者でもない。プランナーだ。作家の視点と想像力を生かし、国や政治、官僚機構に向けて企画提案をしていく』と書いているが、知事になるとプランナーだけですまない」。この問いには「(前知事で作家の)石原(慎太郎)さんもいろいろ発想した。作家だから発想が出る」と、“心配ご無用”といわんばかりに力強く言い返されてしまった。
(資料画像)『決断する力』猪瀬直樹氏
※国民の「決断」の正しさを祈る。
時間が足りずに聞けなかった質問も2問あった。作家の三島由紀夫は自決前の昭和45年7月、「無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう」と本紙に寄稿した。悲観的な日本の将来予測だった。「東京は日本の心臓。全国に血液を行き渡らせる」「国より先に“東京国”がやらなきゃいけないことがある」。インタビューでそう話していた知事には、三島に関する著作もある。首都の文人知事は三島が暗示した日本の風景をどう変えることができるか、をたずねてみたかった。もう1問は、「書く側」から、権力者として批判もされる「書かれる側」に立場が変わったことへの覚悟だった。(社会部長 斎藤浩)
(資料写真)『ペルソナ 三島由紀夫伝』文芸春秋 猪瀬直樹
謙虚に・・・。
※画像には著作権が存在する可能性があります。
兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい。
『ペトロの手紙一』 / 3章 8節 新約聖書 新共同訳
もっとも愛する人に
すべて主管される。
皮肉にも、国民の「決断」が下された総選挙から、一ヶ月。
※一寸先は闇であることを忘れてはならない。
新年の抱負「突破」と書いた色紙を掲げる猪瀬直樹都知事。
(矢島康弘撮影)
★【from Editor】猪瀬都知事「鬼に金棒」?
■産経新聞2013年1月22日 07:20
「一番必要なのは謙虚さ」。川淵三郎・日本サッカー協会最高顧問は昨年12月20日、自身のツイッターでこうつぶやいた。首相就任前の安倍晋三氏はその前日、自民党総裁室で「謙虚に言った方がいいですね」と忠告した。「謙虚さ」を求められたのは、東京都知事に当選した猪瀬直樹氏だった。
(写真) 川淵三郎氏
「民意は一番尊重すべきもの。議会と話し合いするときも、僕が民意を代弁しているということを尊重していただきたい」。当選翌日、433万8936票という選挙史上最多の得票数獲得で肩に力が入ったのか、そう都議会を牽制(けんせい)した。だが、都議も票数は違えど、民意で選ばれている。安倍氏との会合では「ギネスに登録しようかと思っている」と口にした。
自身の選対幹部だった川淵氏らの助言が効いたのか。担当記者によると、最近の知事は空前の得票数をバックにした発言をしていないという。川淵氏は「これ(謙虚さ)さえあれば鬼に金棒」ともつぶやいていた。2020年夏季五輪招致に向けた訪英も海外メディアの反応は良かったといい、知事は今、「鬼に金棒」だろう。
東京本社版では3日に知事の新春インタビューを掲載した。紙面の都合で質問は簡略化したが、聞き手の私が知事の著作を引き合いにたずねたものもあった。
「『僕は政治家でも権力者でもない。プランナーだ。作家の視点と想像力を生かし、国や政治、官僚機構に向けて企画提案をしていく』と書いているが、知事になるとプランナーだけですまない」。この問いには「(前知事で作家の)石原(慎太郎)さんもいろいろ発想した。作家だから発想が出る」と、“心配ご無用”といわんばかりに力強く言い返されてしまった。
(資料画像)『決断する力』猪瀬直樹氏
※国民の「決断」の正しさを祈る。
時間が足りずに聞けなかった質問も2問あった。作家の三島由紀夫は自決前の昭和45年7月、「無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう」と本紙に寄稿した。悲観的な日本の将来予測だった。「東京は日本の心臓。全国に血液を行き渡らせる」「国より先に“東京国”がやらなきゃいけないことがある」。インタビューでそう話していた知事には、三島に関する著作もある。首都の文人知事は三島が暗示した日本の風景をどう変えることができるか、をたずねてみたかった。もう1問は、「書く側」から、権力者として批判もされる「書かれる側」に立場が変わったことへの覚悟だった。(社会部長 斎藤浩)
(資料写真)『ペルソナ 三島由紀夫伝』文芸春秋 猪瀬直樹
謙虚に・・・。
※画像には著作権が存在する可能性があります。