Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

DVD鑑賞 『クライング・フィスト』

2006-10-01 11:58:48 | K-Movie Notes

(Image source: nkino)

参りました!
この作品『クライング・フィスト』(2005年 監督:リュ・スンワン)を観た感想の第一声。
原題は、『拳が泣く』。昨年4月『甘い人生』と同時に公開され、興行を競った作品。軍配は、『拳が泣く』にあがったのだったが、それは仕方ないかも。
2005年カンヌ国際映画祭で、国際批評家連盟賞を受賞。
コブシものは好きじゃない。お互いボコボコになるまで殴りあうでしょ。ヤクザの闘争なら理解できるのだけど、これがスポーツと言われてもどうしても理解できなくて。それに、男にしかわからない世界、女ははじき出されるような世界のような気がするから。ドラマ『美しい彼女』もコブシものだから、個人的には、Brian が出ていても好きになれない作品。

ところが、このコブシものは、よくできている。作品としてとてもよかった。コブシものが好きじゃないのに、手を出したのはやっぱりキャスティングかな。チェ・ミンシクssi とリュ・スンボムssi。この最強コンビには叶わない。また、この2人の周囲を固める俳優陣もいいのだ。イム・ウォニssi (『cut』に出ていたエキストラ )、オ・ダルスssi、キ・ジュボンssi (ドラマ「オールイン」のサンドゥ)・・・個性派俳優が続々顔を出す。

ダメな父親、哀愁漂う堕ちこぼれ中年を演じさせたら、チェ・ミンシクssi の右に出るものはいない。破壊的で爆弾のような気性、それでいて繊細すぎるほど繊細な若者を演じさせたら、リュ・スンボムssi の右に出るものはいない。 この2人、映画の中では小汚い(笑)。精悍とか端正という言葉とも無縁。

元ボクサーのテシク(チェ・ミンシク)。事業が失敗して路上で殴られ屋となって生計を立てることに。妻や息子からも見捨てられそうになる。もう失うものもないぐらい、社会のどん底に突き落とされた彼が、人生の再起をかけて勝負に出る。

貧しい環境に生まれ強盗で刑務所に送られるサンファン(リュ・スンボム)。刑務所に入っている間に、父親が不慮の事故で死んでしまい、祖母も病気で倒れてしまう。親不孝ばかりを重ねた自分に腹立たしさが募る。ボクシング部に入部することにより、自分の目標を見つける。

作品を観ていて、この2人はなかなか絡まない。一体、どこで絡むのかと思っていたら、実は最後のリング上まで絡むことはない。リング上で、この2人は戦うのだ。何のために戦うのか・・・これがこの作品のテーマなのかな。

「わけありの人生は、お前だけじゃない」と食堂の主人(チョン・ホジン)が、酔っ払ってからんでくるテシクに言うのだけど、確かに年を重ねるごとにどんどん「わけあり」が増えていったりする。「わけあり」のない人なんて確かにだれもいない・・・

苦手なコブシものに泣かされるとは思いもよらなかった・・・



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