だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ニムロデの末裔

2007-02-13 21:12:36 | 映画
映画「天地創造」(66)は、私にとって特別に好きな作品。それに“聖書”の物語の面白さに気付かされた映画でした。それまでにも“聖書”をテーマにした映画はたくさんあったし、数々見ていたのですが特にこの映画は。その中のエピソードの1つ、それがバベルの塔です。

スティーヴン・ボイド演じるニムロデ(ノアの子孫)王が、自分の傲慢さゆえに天にも届く塔を作ります。その時、世界中の人々は同じ言語を使い、まさに世界は1つだったのです。ニムロデは、天に向かって矢を射、それを見た神は1つの言語のせいと考え、一瞬にして言葉をバラバラにし、人々は世界中に散っていったのです。

ちなみに旧約聖書『創世記』11章にあるこの物語では、バベルではなく“べラル”(混乱)となっているそうな…。絵画の方では、ウィーン美術史美術館所蔵のピーテル・ブリューゲル(父)の代表作に、“バベルの塔”があります。絵の左手前にいるのが、ニムロデ王。

今年のオスカーの話題を独り占めしているのが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「バベル」。聖書の“バベルの塔”の以来、現在に至るまで世界は様々な言語を使い、人々の心はうまく通じません。世界のどこかで今も紛争や、戦争が続いているのです…。

映画は、モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、1発の銃弾が引き起こす悲劇を同時進行で描いていきます。モロッコ旅行中のブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの夫婦は、突然銃撃され妻が負傷。日本では、その銃の元持ち主の役所広司と、娘で聾唖の菊地凛子との心の葛藤。

アメリカ人夫婦の娘エル・ファニングは、メキシコ人乳母アドリアナ・バラッザに預けられています。その甥ガエル・ガルシア・ベルナルは、かなり暴力的な男のよう。地球上の遠い地の4つの物語が、実は絡み合い、ラストに向かって突き進みます。

イニャリトゥ監督独特の映像感が、今回も冴えます。「アモーレス・ペロス」(99)「21グラム」(03)に続く本作は、06年のカンヌ国際映画祭で監督賞を、ゴールデン・グローブ賞では作品賞を受賞。ご存知のようにオスカーには、作品/監督/助演女優賞(アドリアナ・バラッザ&菊地凛子)/オリジナル脚本/編集/作曲にノミネート。期待せずにはいられません!

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