ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

トリノまであとちょっと

2007-12-13 01:03:53 | 日記
…なんですが、色々とネタは尽きないですね。
なんだかんだ言いながら、いちいちチェックしてるヒマな私…。

Cutting Edge 2008―日本男子フィギュアスケート-オフィシャルファンブック (2008)
恒例の日本男子本。去年に比べるとバランスが取れてる…かも。
去年予想した通りに町田くん初登場。フランス合宿での写真&記事が多め。
インタビューも写真もボリュームがあって嬉しいですが、一番印象に残ったのは大ちゃんの「完璧なスケート」の話でした。この人は自分の中に、自分なりのイデア(仮想上の、完璧なひな型)を持ってるみたいですね。試合に勝ってちやほやされたい、お客さんにキャーキャー言われたいっていうのも本音だろうけど、でもそれだけではないからこそああいう表現が出来るのかなと。
自分の理想を実現できるのは自分しかいないから、どんなにしんどくても自分がやるしかない。
だから、「理想が実現できたら、それがスケートをやめる時」というのも、分かるような気がします。
彼自身が、「自分の描いた完璧なスケートを現実にしたい」という欲求があるからこそ、彼は走り続けているのかも知れませんね。

ワールド・フィギュアスケート 30 (30)
最新号です。スケートアメリカの記事の所にも見開きのインタビューがありますが、個人的には表紙を振り返るコーナーの「男子三日会わざれば刮目して見よ」がツボでした。皆考える事は同じなんだな(笑)。
人間の思考って、中々時の流れについて行けないものなんですよね。昔、ファッション関連のコラムで「自分が若かった頃に流行っていたものを、ずっとかっこいいと思い続ける」という話があったのを思い出しました。一時の流行に過ぎないものが、普遍的な価値観として刷り込まれてしまう訳ですね。
大ちゃんを見ていると、万物が流転することをひしひしと思い知らされます…。
私が過去の演技の映像を見て「きゃーステキー」とかのんきに思っている間にも、彼はそんな昨日の自分を超えるべく未来へ向かって進化を続けているのです。リアルタイムで見届けなければ。

Shakitt (しゃきっと) 2008年 01月号 [雑誌]
大ちゃん、あやしい健康雑誌の表紙を飾る。あやしい雑誌ですが、インタビューの内容はびっくりするほどマトモで良い内容でした。いつも思うけど、本当に自分を冷静に、突き放した目で見てるんですよね。本人的にはそれがネックになってると感じることもあるみたいですが。ある意味、盲目な方が幸せというか、真実が見えてしまうことで気苦労を背負い込むこともあるだろうけど…でもやっぱり自分を冷静に見られる人の方が私は好きです。ちょっと自虐的過ぎると感じる時もあるけど、それも理想の高さ故か。(でも「もっと自信を持て」と周囲の人が言いたくなるのも分かります/汗)。
モデルさんばりに全身コーディネートして貰ったお写真も眼福。
しかしこの雑誌、普段はどういう人が読んでるんだろう。

AERA 2007年12月17日号
見開きで記事が出ていたので思わず買ってしまったんですが…素人が書いたのかと思うようなまとまりのない文章でした。とりあえず大ちゃんのこと(一部奈也ちゃんのこと)を言いたいのは分かるけど、「ファンの声から大輔人気の秘密を探る」がやりたいのか、「私のNHK杯観戦記」がやりたいのか「GPSを見た上でのGPFへの展望」がやりたいのかさっぱり分からない(多分書いた人も分かってないと思う)。
そう言えば、大ちゃんのファン層を勝手に「30代の、ある程度以上のキャリアを持つ女性」と決めつけていたけど(色んな人がいるでしょうよ)、それってそのままアエラの読者層に被るんですよね。読者に対して「お姉さん、ええ子いまっせー!」と言いたいだけの記事だったんでしょうか、もしかして。
文中にちょっと無神経な表現も散見するし、どういう人が書いてるんだろうコレ。
あ、長光コーチのインタビューなどには、情報としての価値はあると思います。2日でピークが来るとか。確かにNHK杯の時、公式練習の調子が良過ぎて逆に心配になりましたもんね。

TBCのCMに登場
なるほど、シンボルアスリートってこういうことをやるのか…という訳で、北京を目指す皆さんに混じってエステのCMに登場。
CMのネタがネタだけに、えらくタンビーな感じ(漢字で書くと耽美)に撮って貰ってますね。
「ニッポンは、」と「こんなにも、美しい」の間に一人で挟まってるのが意味深だ。
それとなんか意図的に、実際より中性的なイメージで演出されてるような気がします。
「剛柔併せ持つ」と言われる彼の、「柔」の部分を強調してるかな。ほんの一瞬の、上半身だけのなにげない動きにも、しなやかさや繊細さが感じられるところは流石だと思いました。さりげない「タメ」の使い方が絶妙です。


そうこうしている間にGPFがやって来ます。
トリノのお守りと言えば、やっぱコレでしょう。



余談。
大ちゃんが健康雑誌の表紙を飾っているその頃、亜久里代表はBRIOの表紙を飾っていた。
BRIO (ブリオ) 2008年 01月号 [雑誌]
同じ頃、飛鳥武蔵はGainerの表紙になっていた。
Gainer (ゲイナー) 2008年 01月号 [雑誌]

ありがとう仙台・観光編

2007-12-07 00:12:51 | 日記

お会いしとうござりました、政宗様。

仙台と言えば政宗様です。NHK大河ドラマの最高傑作「独眼竜政宗」で渡辺謙さんのファンになったのは私だけではないはずです。
という訳で、3日目は仙台市内観光です。

仙台には「るーぷる仙台」という観光客向けの路線バスがあるんですが、これは是非1日乗車券(600円)を買って乗りましょう。
1区間250円なので2カ所(3区間)乗れば元が取れる上、各観光地の入場料もコレを見せれば割引になるのでとてもお得。仙台近郊の主要な観光地ならこれ1本で行けるし、車内放送で観光ガイドまで流れるし、木を基調にした車内のインテリアも雰囲気が出るしで至れり尽くせりでした。
行ったのが月曜日なので瑞鳳殿と仙台城跡以外は残念ながら休館だったのですが、それでも十分楽しめました。

■瑞鳳殿

仙台駅前からるーぷるに乗って、政宗を初めとする仙台藩主三代の廟所である瑞鳳殿へ。
結構急な坂を登って廟所へ向かいます。
今年は夏が長かったせいか丁度紅葉の季節でした。
紅葉の色が鮮やかで美しい! 常緑樹の緑も紅葉の赤や黄色も、関西で見るのより色が濃い印象。
そんな中に立つ瑞鳳殿は、色とりどりの彩色を施した美しい建物でした。

■仙台城跡

瑞鳳殿から更にバスに乗って仙台城跡へ。
城跡というと、平地にどーんと天守閣が建ってるイメージがあったのですが、全然違うんですね。
仙台市街地を一望出来る小高い山の上にあって、元々天守閣はなかったんですね。
実戦を睨んで建てられた城塞でもあり、同時に文化の粋を集めた宮殿でもあった。将軍や天皇を迎える門や席を特別にしつらえながら、遂に誰も迎えることがなかったというのも何やら感慨深い。
ここから見下ろす仙台の街はとても自然が多い印象で、「杜の都」と呼ばれる理由が分かるような感じです。自然の地形そのままに流れる広瀬川が見てて気持ち良い。
もともと何もなかった所へ政宗様が街を作ったというだけに、政宗様の思想による都市計画が分かるような。
ちなみにここの青葉城資料館には、仙台城復元CGシアターというのがありまして。この映像のナレーションが伊達政宗:永井一郎&片倉小十郎:青野武という豪華キャストでした。
お昼ご飯に牛タンを食べて再びバスに。

■定禅寺通り~仙台駅

けやき並木が有名な定禅寺でバスを降りる。気候が良ければ通りの散歩でもしたかったんですが、寒かったのでけやき通りを眺めながらカフェでお茶しました。スパイス入りの紅茶であったまるー♪
そこからのんびりアーケードを歩いて仙台駅に向かいました。
途中、前日にお参りした三瀧不動院にも寄ったりして。
ところで、仙台の街ってやたらドラッグストアが多い気がするんですが、何か理由があるんでしょうか。

その後は仙台駅でお土産を物色した後、電車で空港へ向かいました。
仙台はやっぱり、緑が多くて気持ち良い街です。総じて食べ物が美味しくてハズレのない印象。
あと、人が親切な気がしました。人当たりが柔らかい人が多い感じ。楽しかったです。

おまけ
noon~DINETTE FOR HAPPINESS~
2日の夜に相方と祝杯を上げたお店。静かな雰囲気でまったり幸せに飲みました(笑)。
お洒落な雰囲気&野菜たっぷりのお食事&お手頃値段のお酒で、特に女の子にオススメです。
店員さんも親切で感動したのでちょっと宣伝。

ありがとう仙台・試合後編

2007-12-06 17:41:30 | 日記
NHK杯の続きです。
大ちゃんの演技が終わって、でも最後のベルネル選手の演技もほぼ完璧で、点が出るまでどっちが勝ったか分からないような感じだったのですが、結果はご存知のように大ちゃんの優勝でした。
大ちゃんもようやくいつもの天然くんの顔になり、やたら人なつっこい(ように見える)ベルネル選手と二人で、終始楽しそうでした。
というか、3位のキャリエール選手(ジュニアから上がったばかりで初々しい)含めて何かものすごくくだけた空気の漂うなごみ系な表彰式でした。
表彰台の3人に向かって、カメラマンが色々ポーズを指示してるみたいなんですが、日本語の指示を大ちゃんが翻訳して伝えるのが上手く行ってないのか何だかぐだぐだしてて、しかしそれが何やら微笑ましい光景なのでした。

EXが始まるまでの間にキス&クライで選手のインタビュー(通称「豊の部屋」)があるんですが、会場だと音声が聞こえないので一旦ロビーに出て会場内を彷徨う。
ここの会場、施設が古いのか通路が狭い上、東西南北同じように見える構造で自分の現在位置が把握しにくく、ちょっとしたダンジョン状態でした。
でも会場の係の人は皆さん親切で丁寧だった印象。色々とお世話になりました(汗)。

EX。
奈也ちゃんのEXはやっぱり良いです。日本の女子選手で、あれだけ堂々とパフォーマンスできる娘は珍しい。見せ方のカン所が良いんでしょうね。リズム感も良いし、身体が大きいから存在感があるし。ビールマンスピンは彼女のが一番好きかも。
安藤さんのも良かったです。フリーの演技がちょっと痛々しい感じで心配だったんですが、EXは気持ちのこもった女性らしい演技だったと思います。彼女の演技を見ていると、何故か「乙女心」という言葉が頭に浮かぶ。

そしてバチェラレット。大ちゃんだけ滑る前に短いインタビューがあったんですが(トリだから?)、「あんまり盛り上がる曲じゃないんで」と自分で言ってしまう、そんな大ちゃん。
やっと生で見れたロングバージョンのバチェラレットは…夏にFOIで見た時に比べ、飛躍的な進化を遂げておりました。
夏に見たのはとにかくダークな世界観が際立っていた印象でしたが、今回見たのは、ダークな空気はそのまま、より滑らかさを増した不思議な動きが妖しくも美しい。
やっぱりリンクは広いのが良いですねー。氷の上の席で、同じ目線で見れたのも嬉しかったけど、やっぱり椅子の置いてない広いリンクをのびのび滑る姿を見る方が、見ている方も気持ち良い。
しかし、うっとりしている所で突然コケる。なんか、へにゃっとしたコケかただったので、やっぱりお疲れなんだろうかとふと我に返る私。
でも立ち上がった後は最後まで美しいパフォーマンスを見せてくれました。
その後にペコペコ謝ってる所といい、去年のFOIのロクサーヌを思い出してしまいました。あの時は最後のジャンプでコケて、本人はペコペコ謝ってるんですが、こっちは演技に圧倒されてていやもうそれどころじゃないから!という感じだったんですよね。
そんな感じでお疲れの様子なんですが、1位だったのでアンコールが入る。
しかもそのアナウンスが、「皆さん、ヒップホップ見たくないですか?」
え?やっちゃうの?大丈夫?…と心配しながら、でも見たかったので自分の欲を優先して拍手。
試合と違ってレベルのことやなんかを気にしなくて良いからか、SPの時よりノリノリにステップ踏んでくれました。
「今日1日で3つも見れてお得だったわー♪」とは相方の談。いやもう本当に、お疲れ様でした。
その後のフィナーレでは、最後に出て来て、ついぞ見た事のないようなもの凄い速いスピンを見せてくれたり、ダンスの振付けがワンテンポずれてて半ばヤケになってたり、若干壊れ気味ながら大変楽しそうでした。

前の日とはうって変わって、軽い足取りで会場を出る私たち。

(つづく…けど次は観光編なのでスケートの話は出て来ません)

ありがとう仙台・試合編

2007-12-06 00:20:27 | 日記
そういう訳で、NHK杯に行って来ました。1日と2日の試合を見て、3日は仙台観光というスケジュールでした。
以下、相変わらずスケートのことには詳しくないので、大ちゃんの所だけかいつまんで。

■SP~虹川、凹む~
今回の試合は、始まる前から何やら「高橋楽勝でしょ?」みたいな空気が漂ってて、それはそれでしんどいなあ、という部分はありました。特にベルネル選手。フランスでは調子が悪かったみたいですが、調子良い時は十分怖い選手だよね…と思ってたらほんとに絶好調だった。
完璧演技で盛り上がった所で大ちゃん登場。ちょっと緊張してるかなあとは思ってたんですが、3アクセルで手を付くとは思ってなくてショックを受ける。
その後はジャンプもきれいに決めてきっちり演技を締めくくった(スピンのミスには気付いてなかったフシアナな私)訳なんですが…。
正直、凹みました。ていうか、ここは凹むべき所だと思いました。
ミスがあった割に点数は決して悪くないし、2位とは言え、1位との点差なんて無きに等しい。ポジション的には良い位置なんです。
でもね、なんか実際の出来や点数以上に、空気の重さに凹んでしまったんですよ。
ヒップホップな白鳥ステップ、多分テレビで見ればいつものようにノリノリでかっこいいステップなんだろうなあと思うんですが、生で見てるとどういう訳か、空気が違う気がするのです。
お客さんも、ノリノリで手拍子しているというより、何とか盛り上げようとがんばってるような感じがして(私がそう思っただけかも知れませんが)、なんだかしんどい。なんなのこのどんよりした空気は。
そんでもって演技終わった後の大ちゃんは、なんだか自分に怒ってるような顔でした。

その後、女子のフリーで安藤さんまでもがあんなことになってしまったので、尚更凹む。
こういうものには、その場の流れとか勢いとかいうものがあると思うんですよ。その時は何やら、大ちゃんに対してアゲンストの風が吹いてるような気がして、翌日のことを思うと不安でしょうがない、そんな状態になってしまったのでした。

※余談1
私だけではないと思いますが、奈也ちゃんの3位表彰台&ほのぼのインタビューには慰められました。演技ももちろん、彼女の持ち味が良く出て良かったです。
※余談2
アイスダンスも楽しかったです。1位2位の正統派対決(初々しく若者の恋 VS しっとり大人の恋)も良かったですが、オタクな私としては3位4位の悪魔 VS 宇宙人に激しくツボをつかれました。

■インターバル~虹川、神頼みに走る~
そんなこんなで凹むと共に、どうにも流れが悪い気がして、2日の朝はお参りに行って参りました。
私が神頼みしたからってどうなる訳ではありませんが、そうでもしないと私自身の考えがネガティブ方向に向かってしまうのです。
仙台の駅前の商店街に、三瀧山不動院というお寺があるとガイドブックに載ってたので、街の散策を兼ねて行って来ました。
面白い所でした。普通の商店街の中に、唐突に門前町みたいな空間が収まってる不思議な場所。お寺なんだけど半分神社のような混沌とした雰囲気で、畏まった宗教というより民間信仰の匂いが色濃いです。
私はこういうのが大好きなので、3日の滞在で結局3回くらい足を運びました。アホだ。
ついでにプレゼント用に花束をGETして、仙台駅で岡山から出て来た相方と合流。

■FS~大輔マジック発動~
そしてFS。6分練習、まずまず調子は良さそう…と思ってた所でジャンプの転倒があり、再び不穏な空気に包まれる。演技が始まった時もちょっと硬い感じで、不安に思っている所で4回転で転倒。
しかしそこから、もの凄い速さで立ち上がる。
そして。その辺りから空気が変わったんです。次のジャンプを奇麗に決めて、そこから先はSPの時とは全く逆。空気がどんどん軽くなって行って、ジャンプも全然失敗する気配がない。
飛んだ瞬間に「大丈夫」と思うんではなくて、飛ぶ前から既に「今日はイケる」っていう空気が漂っているのです。
全日本のFSと同じ感じ。ジャンプはすごく簡単そうに飛んで、ステップも勿論ノリノリで、観客席も自然に拍手して、終わった時には皆が立ち上がっていたという。
当の大ちゃん本人だけが、4回転の失敗を悔やんで浮かない顔をしてたんですが、観客は拍手喝采!という感じ。
この人のこの、良くも悪くも空気を支配する感覚って一体何なんだろうと不思議に思ってしまいました。
審査員の方は当然、目に見える演技の出来を見て審査するので(そうじゃないと困りますよね)、点数だけ見ると分かりませんが、目に見えない空気感が、SPとFSでは全然違ってました。
FSでは、演技に引き込まれるというより寧ろ、「巻き込まれる」という感じ。エラいもんを見てしまったと思いました。

(つづく)