ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

ありがとう仙台・試合後編

2007-12-06 17:41:30 | 日記
NHK杯の続きです。
大ちゃんの演技が終わって、でも最後のベルネル選手の演技もほぼ完璧で、点が出るまでどっちが勝ったか分からないような感じだったのですが、結果はご存知のように大ちゃんの優勝でした。
大ちゃんもようやくいつもの天然くんの顔になり、やたら人なつっこい(ように見える)ベルネル選手と二人で、終始楽しそうでした。
というか、3位のキャリエール選手(ジュニアから上がったばかりで初々しい)含めて何かものすごくくだけた空気の漂うなごみ系な表彰式でした。
表彰台の3人に向かって、カメラマンが色々ポーズを指示してるみたいなんですが、日本語の指示を大ちゃんが翻訳して伝えるのが上手く行ってないのか何だかぐだぐだしてて、しかしそれが何やら微笑ましい光景なのでした。

EXが始まるまでの間にキス&クライで選手のインタビュー(通称「豊の部屋」)があるんですが、会場だと音声が聞こえないので一旦ロビーに出て会場内を彷徨う。
ここの会場、施設が古いのか通路が狭い上、東西南北同じように見える構造で自分の現在位置が把握しにくく、ちょっとしたダンジョン状態でした。
でも会場の係の人は皆さん親切で丁寧だった印象。色々とお世話になりました(汗)。

EX。
奈也ちゃんのEXはやっぱり良いです。日本の女子選手で、あれだけ堂々とパフォーマンスできる娘は珍しい。見せ方のカン所が良いんでしょうね。リズム感も良いし、身体が大きいから存在感があるし。ビールマンスピンは彼女のが一番好きかも。
安藤さんのも良かったです。フリーの演技がちょっと痛々しい感じで心配だったんですが、EXは気持ちのこもった女性らしい演技だったと思います。彼女の演技を見ていると、何故か「乙女心」という言葉が頭に浮かぶ。

そしてバチェラレット。大ちゃんだけ滑る前に短いインタビューがあったんですが(トリだから?)、「あんまり盛り上がる曲じゃないんで」と自分で言ってしまう、そんな大ちゃん。
やっと生で見れたロングバージョンのバチェラレットは…夏にFOIで見た時に比べ、飛躍的な進化を遂げておりました。
夏に見たのはとにかくダークな世界観が際立っていた印象でしたが、今回見たのは、ダークな空気はそのまま、より滑らかさを増した不思議な動きが妖しくも美しい。
やっぱりリンクは広いのが良いですねー。氷の上の席で、同じ目線で見れたのも嬉しかったけど、やっぱり椅子の置いてない広いリンクをのびのび滑る姿を見る方が、見ている方も気持ち良い。
しかし、うっとりしている所で突然コケる。なんか、へにゃっとしたコケかただったので、やっぱりお疲れなんだろうかとふと我に返る私。
でも立ち上がった後は最後まで美しいパフォーマンスを見せてくれました。
その後にペコペコ謝ってる所といい、去年のFOIのロクサーヌを思い出してしまいました。あの時は最後のジャンプでコケて、本人はペコペコ謝ってるんですが、こっちは演技に圧倒されてていやもうそれどころじゃないから!という感じだったんですよね。
そんな感じでお疲れの様子なんですが、1位だったのでアンコールが入る。
しかもそのアナウンスが、「皆さん、ヒップホップ見たくないですか?」
え?やっちゃうの?大丈夫?…と心配しながら、でも見たかったので自分の欲を優先して拍手。
試合と違ってレベルのことやなんかを気にしなくて良いからか、SPの時よりノリノリにステップ踏んでくれました。
「今日1日で3つも見れてお得だったわー♪」とは相方の談。いやもう本当に、お疲れ様でした。
その後のフィナーレでは、最後に出て来て、ついぞ見た事のないようなもの凄い速いスピンを見せてくれたり、ダンスの振付けがワンテンポずれてて半ばヤケになってたり、若干壊れ気味ながら大変楽しそうでした。

前の日とはうって変わって、軽い足取りで会場を出る私たち。

(つづく…けど次は観光編なのでスケートの話は出て来ません)

ありがとう仙台・試合編

2007-12-06 00:20:27 | 日記
そういう訳で、NHK杯に行って来ました。1日と2日の試合を見て、3日は仙台観光というスケジュールでした。
以下、相変わらずスケートのことには詳しくないので、大ちゃんの所だけかいつまんで。

■SP~虹川、凹む~
今回の試合は、始まる前から何やら「高橋楽勝でしょ?」みたいな空気が漂ってて、それはそれでしんどいなあ、という部分はありました。特にベルネル選手。フランスでは調子が悪かったみたいですが、調子良い時は十分怖い選手だよね…と思ってたらほんとに絶好調だった。
完璧演技で盛り上がった所で大ちゃん登場。ちょっと緊張してるかなあとは思ってたんですが、3アクセルで手を付くとは思ってなくてショックを受ける。
その後はジャンプもきれいに決めてきっちり演技を締めくくった(スピンのミスには気付いてなかったフシアナな私)訳なんですが…。
正直、凹みました。ていうか、ここは凹むべき所だと思いました。
ミスがあった割に点数は決して悪くないし、2位とは言え、1位との点差なんて無きに等しい。ポジション的には良い位置なんです。
でもね、なんか実際の出来や点数以上に、空気の重さに凹んでしまったんですよ。
ヒップホップな白鳥ステップ、多分テレビで見ればいつものようにノリノリでかっこいいステップなんだろうなあと思うんですが、生で見てるとどういう訳か、空気が違う気がするのです。
お客さんも、ノリノリで手拍子しているというより、何とか盛り上げようとがんばってるような感じがして(私がそう思っただけかも知れませんが)、なんだかしんどい。なんなのこのどんよりした空気は。
そんでもって演技終わった後の大ちゃんは、なんだか自分に怒ってるような顔でした。

その後、女子のフリーで安藤さんまでもがあんなことになってしまったので、尚更凹む。
こういうものには、その場の流れとか勢いとかいうものがあると思うんですよ。その時は何やら、大ちゃんに対してアゲンストの風が吹いてるような気がして、翌日のことを思うと不安でしょうがない、そんな状態になってしまったのでした。

※余談1
私だけではないと思いますが、奈也ちゃんの3位表彰台&ほのぼのインタビューには慰められました。演技ももちろん、彼女の持ち味が良く出て良かったです。
※余談2
アイスダンスも楽しかったです。1位2位の正統派対決(初々しく若者の恋 VS しっとり大人の恋)も良かったですが、オタクな私としては3位4位の悪魔 VS 宇宙人に激しくツボをつかれました。

■インターバル~虹川、神頼みに走る~
そんなこんなで凹むと共に、どうにも流れが悪い気がして、2日の朝はお参りに行って参りました。
私が神頼みしたからってどうなる訳ではありませんが、そうでもしないと私自身の考えがネガティブ方向に向かってしまうのです。
仙台の駅前の商店街に、三瀧山不動院というお寺があるとガイドブックに載ってたので、街の散策を兼ねて行って来ました。
面白い所でした。普通の商店街の中に、唐突に門前町みたいな空間が収まってる不思議な場所。お寺なんだけど半分神社のような混沌とした雰囲気で、畏まった宗教というより民間信仰の匂いが色濃いです。
私はこういうのが大好きなので、3日の滞在で結局3回くらい足を運びました。アホだ。
ついでにプレゼント用に花束をGETして、仙台駅で岡山から出て来た相方と合流。

■FS~大輔マジック発動~
そしてFS。6分練習、まずまず調子は良さそう…と思ってた所でジャンプの転倒があり、再び不穏な空気に包まれる。演技が始まった時もちょっと硬い感じで、不安に思っている所で4回転で転倒。
しかしそこから、もの凄い速さで立ち上がる。
そして。その辺りから空気が変わったんです。次のジャンプを奇麗に決めて、そこから先はSPの時とは全く逆。空気がどんどん軽くなって行って、ジャンプも全然失敗する気配がない。
飛んだ瞬間に「大丈夫」と思うんではなくて、飛ぶ前から既に「今日はイケる」っていう空気が漂っているのです。
全日本のFSと同じ感じ。ジャンプはすごく簡単そうに飛んで、ステップも勿論ノリノリで、観客席も自然に拍手して、終わった時には皆が立ち上がっていたという。
当の大ちゃん本人だけが、4回転の失敗を悔やんで浮かない顔をしてたんですが、観客は拍手喝采!という感じ。
この人のこの、良くも悪くも空気を支配する感覚って一体何なんだろうと不思議に思ってしまいました。
審査員の方は当然、目に見える演技の出来を見て審査するので(そうじゃないと困りますよね)、点数だけ見ると分かりませんが、目に見えない空気感が、SPとFSでは全然違ってました。
FSでは、演技に引き込まれるというより寧ろ、「巻き込まれる」という感じ。エラいもんを見てしまったと思いました。

(つづく)